シグマのフルサイズミラーレス用交換レンズ「24-70mm F2.8 DG DN」レビューページにマクロ解像と軸上色収差テストの結果を追加しました。
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マクロ
最大撮影倍率・最短撮影距離
最大撮影倍率 | Wide 1:2.9 - Tele 1:4.5 | |
---|---|---|
最短撮影距離 | Wide 18cm - Tele 38cm |
最大撮影倍率は「約0.34倍(1:2.9)」これはソニーGMの「0.24倍」よりも遥かに優れた倍率であることを示しています。使い勝手は置いておくとして、大口径標準ズームレンズでここまでクローズアップ出来るのはこのレンズとタムロン「28-75mm F/2.8 Di III RXD」のみ。胸を張って良いパフォーマンスと言えるでしょう。
ただし、撮影倍率は広角側で最も大きくなり、望遠端で最も小さくなります。
広角端24mmにおける最大撮影倍率を達成するためには被写体に撮影距離(センサーからの距離)18cmまで寄る必要があります。この際、レンズ前面から被写体までの距離(ワーキングディスタンス)はおよそ3cmしかありません。レンズや自身の影が写りこみやすく、あまり現実的な撮影距離とは言えません。本格的に活用しようと思ったらフラッシュやLEDライトなどが必要。
35mmまでズームすると、撮影倍率は低下するもののワーキングディスタンスは約5cmとなり、さらにズームすると…50mmで約10cm、70mmで約15cmまで長くなります。使い勝手は良くなるものの、望遠側の撮影倍率は極めて平凡な数値となっているのであまり面白みはありません…。
24mm
最短撮影距離でも中央は絞り開放から良好なパフォーマンスを発揮します。絞ると多少改善しますが、開放から良好なので被写界深度の調整程度に操作すると良いでしょう。
その一方、中央領域以外の描写は不安定です。F8~F16付近で多少安定するものの、非常にシャープな状態とはなりません。
まぁ…インナーフォーカスのズームレンズ、それも0.34倍の撮影倍率で周辺部の解像性能を求めるのは酷というもの。
全体像 F8
最短撮影距離の場合、やや目立つ像面湾曲があります。周辺部は中央と比べて少し前ピン傾向となるので注意が必要。
35mm
24mmほど周辺画質は荒れていませんが、絞り開放付近の画質が苦しいのは確か。フレーム全体でベストを尽くすのであればF8~F11まで絞ると良いでしょう。
中央は24mmと同等、絞り開放から非常に良好なので絞る必要は全くなし。
全体像 F8
24mmと同じく、多少の像面湾曲が発生しています。
50mm
基本的には24mmや35mmと同様。四隅は残存収差が目立ち、MFでもピントを合わせづらいと感じます。AFでも開放付近の四隅を使う場合はピントを掴み辛いはず。
このあたりから望遠端にかけて軸上色収差が少し目に付くようになります。影響度合いは僅かですが、コントラストの高い領域には気を付けたほうが良いかも。
全体像 F8
やはり多少の像面湾曲が発生しています。
70mm
50mmと比べてさらに軸上色収差の影響が増加。軸上色収差はマイクロコントラスト低下に繋がるので、少し気になる人は1段絞ると改善します。2段絞ればしっかりと改善。
全体像 F8
全体像では確認し辛いと思いますが、像面湾曲はやはり目に付きます。
軸上色収差
24mm
絞り開放から軸上色収差による色ずれは確認できません。非常に良好な補正状態です。
35mm
24mmと比較すると、極僅かな色ずれが確認できますが問題はありません。
50mm
24mmや35mmと見比べると、僅かに色づきが強まっているのが分かります。しかし、依然としては「非常に良好」な補正状態だと感じます。
70mm
このレンズで軸上色収差が最も目立つ焦点距離です。とは言え、収差の量はまだまだ少ない。ピント面に色ずれの影響が見られる場合は1?2段絞ると改善します。
雑感
比較的寄りやすいレンズですが、周辺部までシャープな結果は期待しないほうが良いでしょう。ただし、被写体を中央領域に収める限りでは非常にシャープで柔らかい後ボケを得ることが出来ます。
軸上色収差の影響は極僅かなので、実写で問題となるシチュエーションは限られてくるはず。コントラストが高く、標準域から望遠端を使用する場合に注意するのが良し。
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