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ソニー「α7C」徹底レビュー AFシステム・顔&瞳検出性能編

このページではソニー製フルサイズミラーレス「α7C」のAFシステムや速度、検出性能テストの結果とレビューを掲載。リアルタイムトラッキングは確かに高性能で便利ですが、操作性や検出性能で言えば不満も残る結果に。

まえがき

α7Cのおさらい

概要

  • 商品ページ/仕様表
  • データベース
  • 管理人のFlickrアルバム
  • 発売日:2020-10-23
  • 売り出し価格:¥206,910
  • イメージセンサー:
    ー種類:35mmフルサイズ 裏面照射型CMOSセンサー
    ー有効画素数:2420万画素
    ーローパスフィルタ:不明(おそらく有り)
    ー手ぶれ補正:5軸 5.0段分
  • プロセッサ:BIONZ X(α7 IIIと同世代)
  • AF:
    ーAF方式:位相差+コントラスト
    ー測距点:位相差693点・コントラスト425点
    ーカバーエリア:約93%
    ー検出機能:顔・瞳(人・動物)+リアルタイムトラッキング
  • 動画:
    ー4K:~30p(30p時 ×1.6クロップ)
    ーFull HD:~120p
  • ファインダー:0.39型 236万ドット 0.59倍
  • モニター:3.0型 92万ドット バリアングル式タッチパネル
  • 通信機能:WiFi 2.4GHz・5GHz/Bluetooth/NFC
  • 対応メディア:SDXC UHS-II シングルスロット
  • バッテリー:NP-FZ100(EVF 680枚・LCD 740枚)
  • サイズ:124×71.1×53.5mm
  • 重量:509g(SD/バッテリー含)

2020年に登場したソニー製フルサイズミラーレス。従来のα7シリーズと外観が大きく異なり、APS-Cシリーズに近い外観・操作性のカメラとなっています。ただし、中身はα7 IIIの多くを継承しており、同じ2400万画素Exmor R CMOSセンサーやBIONZ Xプロセッサを搭載。オートフォーカスやドライブ、通信機能がいくらか進化しており、外観こそ違えど「α7 III Mark II」のような印象を受けるカメラスペックです。コンパクトなカメラボディに改良型α7 IIIを詰め込んだと考えると評価できるポイント。
その一方、ファインダー仕様は悪化、モニターも現状維持、AFジョイスティック非搭載などなど…、操作性やユーザーエクスペリエンスについてマイナス方向の大きな影響が考慮されるポイントがいくつかあります。小型軽量ボディとトレードオフであると理解しつつも、価格設定(α7 IIIとほぼ同じ)を考慮するともう少し頑張ってほしかったところ。競合ミラーレスが急増しており、それらと比較するとパンチが弱い気がします。
現状、「α7 III」と「α7C」どちらを選ぶか?というと一長一短で回答が難しい。実際、手元にα7 IIIとα7Cがあるので、新型「α7C」が購入に値するカメラなのかじっくり見ていきましょう。

オートフォーカス

AFモード

従来通り「AF-S」「AF-A」「AF-C」「DMF」「MF」の5種類に対応。それぞれの機能は以下の通り。

  • AF-S:初回のフォーカス位置でピント固定
  • AF-A:AF-SとAF-Cを自動で切り替えてくれるモード
  • AF-C:AF中はエリア内のピントを常に合わせ続ける
  • DMF:AF-S後にフォーカスリングによるMFに対応(AF前は不可)
  • MF:マニュアルフォーカス

AF-Sモード時は基本的にフォーカスリングを使ったMF操作に対応していません。AFとMFを組み合わせるためには「DMF」モードに切り替える必要があります。さらに、DMFモード時でもAF前のマニュアルフォーカス操作には非対応。

AFモード時にMFを使いたい場合はボタンカスタマイズで「押す間(再押し)MFコントロール」を使うことでフォーカスリングの操作が可能となります。

AF-C時にフォーカスリングを操作することで強制的にMFモードへ移行する機能はありません。

カバーエリア

基本的に従来通り。個人的には他社に存在する「縦長」「横長」「菱形」のフォーカスエリアを実装して欲しいところ。フレキシブルスポットとゾーンは統合しちゃえば良いと思っている派です。拡張フレキシブルスポットのエリアが実質「小」サイズしかないのも改善して欲しいポイント。

使わないフォーカスエリアを非表示にする機能が追加されています、使わないエリアを非表示にすることで、素早いモード切替えが可能となりました。

モード切替はボタンカスタマイズに呼び出し機能を登録するか、Fnメニューやメインメニューで変更する必要があります。キヤノンやパナソニックのように、背面ホイールに設定は出来ません。

エリア移動

フレキシブルスポットM

フォーカスエリアの移動方法は基本的に4種類。

  • 「フォーカススタンダード」機能から方向ボタンで操作
  • ファインダー使用時にタッチパッドで操作
  • モニター使用時にタッチ操作
  • コマンドダイヤル操作

初期設定で利用できるのは上3つ。コマンドダイヤル操作は「マイダイヤル」「マイダイヤル呼び出し機能」などと組み合わせて使うことになると思います。

α7 IIIなどのように、AFジョイスティックを搭載しておらず、フォーカスエリアの移動は面倒で、素早い操作には不向き。モニターのタッチ操作は精度の高い操作には不向きで、ファインダー使用時のタッチパッドAFもレスポンスが悪い。

最終的にフォーカススタンダードで方向ボタンを使う人が多いのではと予想しています。

AFメニュー

特にこれと言って過不足のないメニュー機能が揃っています。α7 IIIユーザーにとって「フォーカスエリア枠色」の変更機能は便利と感じるかもしれません。

レンズの最短撮影距離を割り込んでしまった時にフォーカスエリアが紫色に点灯する機能が追加されています。これが地味に便利。

前述したようにフォーカスエリアの移動は面倒なので、「フォーカスエリア登録」「AF枠の移動量」を調整して自分好みの使い勝手にカスタマイズするのがおススメ。

AF時の絞り駆動

α7C メニュー

ライブビュー時の絞り駆動の特性を変化させる重要な機能です。

  • フォーカス優先:基本的にライブビューが絞り開放状態で固定される。AF-SモードではAF後に実絞りへと移行。AF-Cモードは「標準」と比べてAF中の絞りが大きく開きます。このため、撮影時に絞り動作が大きくなるので連写速度の低下や絞り駆動の動作音が発生する可能性あり。
  • 標準:基本的にライブビューは実絞り。AF時に絞りが開き、合焦後に再度絞りを閉じる。AF-Cモードは「フォーカス優先」と似たような挙動ですが、絞り羽根が比較的開きにくくなっています。通常はこれでOK。
  • サイレント優先:対応レンズは限定的。おそらく絞り羽根を閉じた状態でAFを動作し続ける機能なのかなと。当然、AF速度は低下すると思われます。

レンズや撮影環境によって動作に変化がある模様。低照度で絞り駆動に変化があるのかと思いきや、高輝度で絞りを開いたりするので、動作の条件がイマイチよく分からない。

ハッキリと言えることはライブビューの待機状態で絞りの状態が変化すること。AF-Sなら「フォーカス優先」で絞り開放、「標準」なら実絞り。AF-Cであれば、「フォーカス優先」がF11までの実絞り、「標準」ならば実絞り状態となります。

ピント補助

MF系の機能はAFとは別ページに存在。拡大機能とピーキングの調整が可能です。

ピーキング

ピーキングは色と強度を変更可能。色は「赤・黄・青・白」の4種類から、強度は「低・中・高」の3種類から選択可能です。ピーキングはMFのみ利用可能ですが、「DMF」モードではピーキング表示をしたままAFを利用することが可能です。

ライブビュー拡大

拡大時間や拡大倍率、拡大中のAFの機能に対応。拡大時のAF機能をオンにすると、拡大中にシャッターボタン半押しで拡大が解除されなくなります(たとえMFモードだったとしても)。

フォーカス速度・追従性

AF-S

純正レンズを使う限り、非常に迷いの少ない非常に高速なAFを期待できます。特にXDリニアモーターを使った最新設計のレンズが凄い。ピント精度も良好。

その一方で、サードパーティ製レンズは純正と比べて合焦までの速度が低下します。特にタムロンのOSD駆動などは影響を受けやすい。合焦速度が極端に低下する場合はAF-Cを積極的に使うことをおススメします。

AF-C

純正レンズではAF-Sと同じく、非常に高速で快適なAFを利用可能。サードパーティ製レンズでもAF-Sより動作が改善するケースが多いです。精度も非常に良好なため、AF-Sを使用せずに常時AF-Cでも良いくらい。

追従感度は5段階で調整可能。他社のように「速度変化」や「乗り移り耐性」などと言った項目はありません。個人的にはこのくらいシンプルなほうが使いやすいと感じています。

トラッキング

α7 IIIと比べて遥かに改善したと感じるポイント。ソニー最新の「リアルタイムトラッキング」に対応しており、追従開始した被写体を粘り強く捕捉し続けます。顔や瞳の検出精度は競合他社と比べて差は無いものの、追従性に関して言えば頭一つ抜きんでたパフォーマンスを発揮。

キヤノンやパナソニックが「被写体認識」で特定の被写体における検出速度と精度を高める一方、ソニーは被写体に関係なく追従性を高めているのがGood。どちらも良い点・悪い点が存在するものの、ソニーのような方式も悪くないと思います。(個人的にはキヤノンやパナソニックのほうが使いやすいと感じますが)

完璧な追従性とは言い難く、特に奥行方向に前後する被写体を追従し続ける場合には注意が必要。顔検出や瞳検出で追従位置を補正しながら使えない場合、ピント位置が後方へずれる場合が多かったです。

検出機能

手持ちのテスト環境に限って言うと、検出精度や速度はα7 IIIと比べて大きな違いがありません。最新ファームウェアアップデート後のα7 IIIであればリアルタイム瞳AFも利用できるので不便とは感じないはず。

ただし、顔検出や瞳検出が途切れてしまうと、ピント位置が不安定となります。基本的に手前側にピントを合わせる傾向があるので、徐々にピント位置がずれる可能性が高い。この点で後ろ向きでも被写体を検出するキヤノンの頭部認識やパナソニックの人体認識は強い。

ただしソニーもリアルタイムトラッキングを活用すると、瞳検出が途切れてしまったポイントを粘り強く捕捉し続けます。キヤノンやパナソニックのような被写体認識機能はありませんが、このトラッキング機能を活用することで遜色のない追従性能を発揮する可能性あり。

帽子着用時はソニーが苦手とするシーン。帽子の先にピントを合わせ続けてしまい、顔や瞳を検出するのは正面を向いた僅かなタイミングのみ。このような場合はキヤノンの頭部認識やパナソニックの人体認識のほうが安定します。

前述したように、ソニーでもリアルタイムトラッキング中に瞳を検出出来れば安定して追従可能です。

瞳の検出精度で言えばニコンZカメラがぴか一。実写で使いやすいかどうかは別として、他社では検出しないような状態で検出します。

眼鏡着用時は競合他社と比べて遜色ない性能。敢えて言えば、やはりニコンが強いシーン(検出頻度は良好)。ソニーの検出頻度はぼちぼちで、ピント位置は瞳にしっかりと合うときもあれば、眼鏡に乗り移ってしまう場合もあります。

参考:他社の顔検出

ポートレートやランダムな動きの少ないスポーツではソニーのAFシステムが安定して高い追従性を発揮すると思います。一方で、初動が後ろ向きだったりすると、検出機能が使えないので手動で開始位置を指定する必要あり(リアルタイムトラッキングでも)。この点で、キヤノンやパナソニックは子供や行楽シーン、そして不規則に動くシーンで便利だと感じています。

総評:兎にも角にもリアルタイムトラッキング

肯定的見解

ココがポイント

  • フォーカス枠の色変更
  • 撮影距離割り込み時の紫点灯
  • これと言って不足のないAFメニューシステム
  • AF時の絞り駆動の設定変更に対応
  • 安定感がありレスポンスの良いAF-C
  • 抜群の追従性を発揮するリアルタイムトラッキング
  • 条件が良ければ良好に機能する瞳・顔検出

α7 IIIと比べると特に変わり映えしないと感じる人もいれば、リアルタイムトラッキングが便利と感じる人もいることでしょう。

個人的にリアルタイムトラッキング実装は大きいと感じています。α7 IIIと比べると遥かに使いやすく、子供を追いかけながら写真を撮るカジュアルシーンでソニーを使う機会が明らかに増えました。瞳検出でピント位置が補正できれば、大口径レンズ使用時でも安定感のある追従結果を期待できます。

フォーカス枠の色変更や最短撮影距離割り込み時の紫点灯も便利。

批判的見解

ココに注意

  • AF-S+MFはDMFモード限定
  • AFモードでのプリMFは専用機能の登録が必要
  • AFエリアの柔軟性・操作性に欠ける
  • AFジョイスティックが無い
  • タッチパッドAF・タッチAFのレスポンスがイマイチ
  • 瞳・顔検出が良好に機能する条件が限定的

兎にも角にもリアルタイムトラッキング前提のAFシステムと感じます。数年前であれば絶賛のAF性能だったかもしれませんが、キヤノンEOSシステムが追い付き、追い抜きにかかっています。AF-C時のレスポンスにコンマ秒の高速性を求めなければ、被写体認識機能を備えたキヤノンやパナソニックのほうが便利と感じる人もいることでしょう。
(とは言え、キヤノンEOS iTR AF Xは高価なカメラにしか導入しておらず、この価格帯でのアドバンテージは残されていると思います。)

連写時はリアルタイムトラッキングのピント位置が微妙にずれるのがマイナス。ソニーのAFシステムを最大現活用できるのは、やはりブラックアウトフリーのα9シリーズなのかなと言う印象。

さらにAFジョイスティックが無くなり、シングルエリアの移動操作が面倒になったのはマイナス。タッチパネルのレスポンスを改善せずに、ジョイスティック省略は悪手だったと思うのです。

総合評価

管理人
満足度は85点。
リアルタイムトラッキングは高性能で便利な機能ですが、それを活用しないシーンでは競合他社と比べて長所がグッと薄まってしまい、さらにカメラの操作性でイラっとします。

購入早見表

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