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サムヤン AF 135mm F1.8 FE レンズレビューVol.1 外観・操作性・AF編

サムヤン「AF 135mm F1.8 FE」のレビュー第一弾を公開。今回はレンズの外観や操作性、カメラに装着してAF/MFの使いやすさなどを確認しています。

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まえがき

2022年春に登場したサムヤンのEマウント用望遠単焦点レンズです。サムヤン製AFレンズの中では最も焦点距離が長く、F1.8と大口径を採用。AF 50mm F1.4 IIと同じく「第二世代 AFシリーズ」と言うべきレンズであり、外装のデザインや光学設計は第一世代と比べると洗練されているように見えます。価格も上昇気味ですが、それだけの価値があるかどうか、このレビューでじっくりと検証していきたいと思います。

概要
レンズの仕様
発売日 2022年 5月27日 初値 134,000円
マウント E 最短撮影距離 0.7m
フォーマット 35mm 最大撮影倍率 0.243倍
焦点距離 135mm フィルター径 82mm
レンズ構成 11群13枚 手ぶれ補正 -
開放絞り F1.8-F22 テレコン -
最小絞り F22 コーティング UMC
絞り羽根 11
サイズ・重量など
サイズ φ93.4×129.6mm 防塵防滴 対応
重量 772g AF STM
その他 AFリミッター、カスタムスイッチ、AFLボタン
付属品
レンズフード・ポーチ

ソニーEマウントのAF135mmレンズは現状で4本。サイズは中程度ですが、重量が最も軽く、手持ち撮影に適したレンズに仕上がっています。最短撮影距離や撮影倍率はソニーGMと同程度。フォーカスはステッピングモーター駆動のため、ソニーGMには及ばないかもしれませんが、高い静粛性と滑らかな動作を期待できそう。

レンズ構成は11群13枚で、そのうち3枚にEDガラスを使用し、他に1枚の非球面レンズと2枚の高屈折率レンズを使用しています。SAMYANGが公開しているMTF曲線を見ると、フレームの大部分が絞り開放から非常に高解像であることが分かります。実写でMTF通りの性能を発揮できるのか注目ですねえ。

価格のチェック

価格はおよそ12万円前後。サムヤンAFレンズとしては高めの設定ですが、ソニーGMやツアイスと比べるとはるかに手ごろな価格と言えるでしょう。一眼レフ用設計のシグマも選択肢の一つですが、同価格帯とは言えサイズや重量を考慮するとサムヤンが有利と言えるかもしれません。

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外観・操作性

箱・付属品

レンズデザインは最新ながら、パッケージのデザインは従来通り。価格を考慮すると少し安っぽい見た目です。

レンズ本体の他にレンズフード、レンズポーチ、説明書、保証書が付属。Tinyシリーズのようなジャストフィットのハードケースはありません。

外観

外装は主にプラスチック製で、表面は光沢を抑えたマットな仕上がり。フォーカスリングとAFLボタンのみゴム製です。しっかりとした作りですが、ソニー純正レンズやシグマ製レンズほど高級感はありません。同社のTinyシリーズよりもしっかりとしたプラスチック素材ですが、サムヤン旧世代のF1.4シリーズのような金属外装の質感と比べると少し安っぽいです。また、ゴム製AFLボタンに塵が付きやすいのは大きなマイナスポイント。

意匠はシンプルながらモダンなデザイン。レンズを前方から見ると、フード装着部にブランドカラーの赤いリングが見えるのはなかなかお洒落な作り。外装に施された表示は大部分がプリントですが、レンズ名のみエッチング加工を採用。

製造国は韓国。

ハンズオン

外装の質感は強みとはならないものの、その結果として772gの軽量化を実現。135mmの大口径レンズとしてはぶっちぎりの軽さで、これで防塵防滴にも対応しているのだから凄い。手に取って見ると、135mm F1.8とは思えないほど軽いことがわかる。この軽さは間違いなく強みと言えるでしょう。

前玉・後玉

前面は82mmのフィルター径に対応する前玉と、周囲に反射防止の対策が施されたプラスチックカバーを配置。前面にフッ素コーティングが施されているという主張は見られないので、水滴や汚れが付着しやすい環境であれば、保護フィルターの装着がおススメ。

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(金属製と思われる)レンズマウントは4本のビスで固定。レンズマウントの周囲には防塵防滴用のシーリングが施され、リング周辺やスイッチ付近も防塵防滴用シーリングで耐候性が確保されている模様。

フォーカスリング

個性的なテクスチャの幅広いフォーカスリングを搭載。ミラーレス用のフォーカスリングとしてはトルクがやや強く、重めの操作ですが、出だしから滑らかに操作可能。

フォーカスリングのレスポンスは非リニアですが、それでもストロークが非常に長い。一般的な回転速度で操作した場合、ピント全域のストロークが450度と長い。素早く回転した場合でも180度以上の操作が必要となります。フルマニュアルでのフォーカス操作は現実的とは言えません。

レンズドックを使ったカスタマイズでストロークを調整できると良かったかなと。その一方、後述するカスタムスイッチでリングを絞り制御で使うと、重めの回転操作と長いストロークで思いのほか使いやすく感じました。

コントロール

ソニー純正レンズと同じくボディ側でカスタマイズ可能なAFLボタンがあります。さらに、AF/MFスイッチの代わりに2ポジションに対応したカスタムスイッチを搭載。初期設定ではM1で「フォーカスリング」、M2で「絞りリング」として使うことが可能。ただし、絞りリングの状態でも、カメラ側で「MF」に設定した場合はフォーカスリングとして利用します。絞り制御に設定している場合、カメラのコマンドダイヤル操作を受け付けなくなる点に注意。

レンズフード

プラスチック製の円筒型レンズフードが付属。フィルター操作窓やロックボタンのない、シンプルな作りですが、質感はTinyシリーズよりも良好で、ソニー純正と比べて見劣るものではありません。内側には反射防止のマットな塗装が施され、先端には滑り止めや衝撃吸収の役割があると思われるゴムカバーを採用しています。

レンズ本体にはスムーズに装着でき、しっかりと固定されます。逆さ付けにも対応していますが、その際はフォーカスリングが隠れてしまうので不便。

装着例

α7R IVに装着したところ、大きなレンズながらバランスは非常に良好。大口径135mmと言えばフロントヘビーとなる傾向が強いものの、このレンズでそのような感触はほぼありません。重心はグリップ周辺に抑えられている印象。普段使いできる135mm F1.8と言っても差し支えありません。グリップとレンズの空間も十分に確保されています。

AF・MF

フォーカススピード

フォーカスはリードスクリュータイプのステッピングモーター駆動を使用。滑らかで静かに動作しますが、特に移動距離が長い場合に電光石火のAFとは言い難いパフォーマンスです。ピントが迷わず合えば問題のないフォーカス速度ですが、一度おおきく振り切れると復帰に時間がかかる可能性が高い。また、近距離を素早く動く被写体を追いかけるのは厳しいかもしれません。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指す。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となる。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。
今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離と無限遠で撮影した結果が以下の通り。

スライドショーには JavaScript が必要です。

最短撮影距離では画角が狭く、無限遠側で画角が広い。ピント両端で比べると画角の違いは顕著であり、フォーカス速度によってはズーム操作のような違和感を覚えるかもしれません。

精度

特に大きな問題はありませんが、前述したとおりハイスピード・ハイレスポンスではないので、AF-C使用時は精度が低下する可能性あり。

MF

長いストロークにより精度の高いフォーカス操作が可能です。素早く操作するには不向きですが、135mm F1.8の薄いピント面を操作するには適しています。

今回のまとめ

手ごろな価格ながら、レンズの作りは良好で、防塵防滴仕様や各種コントロールを備えています。フォーカスは動体追従や動画適正を追求しなければ許容範囲内。10万円ちょっとで購入できるミラーレス専用設計の135mm F1.8 AFレンズは今のところ唯一の選択肢ですが、優れた選択肢と言うことができそうです。

レビューに先駆けて数日間使用してみましたが、特にこれと言った問題には遭遇していません。AF-Cで近距離の動体を追いかけると、F1.8の薄い被写界深度に収めるのは難しいかもしれませんが、一般的な撮影であればAFで不満を感じることはほとんどないでしょう。

135mm F1.8としては軽量で、85mm F1.4のような感覚で持ち歩くことができるレンズです。実際、ソニー「FE 85mm F1.4 GM」よりも軽量で、長時間の手持ち撮影でも苦と感じることはありませんでした。お写ん歩やスナップにも利用でき、自然と使用頻度が高くなるはず。

購入早見表

AF 135mm F1.8 FE
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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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