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岩石星 AstrHori 12mm F2.8 Fisheye レンズレビューVol.4 ボケ・減光・逆光編

岩石星「AstrHori 12mm F2.8 Fisheye」のレビュー第四弾を公開。今回は前後のボケ質差や玉ボケの形状と絞り羽根の影響、撮影距離を変化した場合のボケ質、ピント位置による周辺減光の影響や光源の配置で逆光耐性がどのように変化するのかチェックしています。

おことわり

今回は2ndFocusより無償貸与の「AstrHori 12mm F2.8 Fisheye」を使用してレビューしています。提供にあたりレビュー内容の指示や報酬の受け取りはありません。従来通りのレビューを心がけますが、無意識にバイアスがかかることは否定できません。そのあたりをご理解のうえで以下を読み進めてください。

AstrHori 12mm F2.8 Fisheyeのレビュー一覧

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

実写で確認

少なくとも接写時は後ボケのほうが滑らかで綺麗に、前ボケは縁取りのある硬調な描写のようです。とは言え、「12mm F2.8」のレンズでこの質感の差が分かるほど大きなボケを得る機会は少ないはず。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

実写で確認

「12mm F2.8」のレンズでボケを大きくすることは出来ませんが、接写性能が高く、最短撮影距離に近いピント位置では玉ボケを作ることが出来ます。この際の描写は悪くなく、フレーム隅まで口径食の少ない玉ボケを得ることが可能。色収差の影響も少なめ。

ボケ実写

至近距離

シャープなピント面で後ボケは滑らか。玉ボケに色収差や球面収差の影響は少なく、口径食による玉ボケの変形もありません。とても綺麗で使いやすい描写です。F5.6まで絞ると玉ボケが角ばるため、ボケ優先ならF2.8付近の使用をおススメします。

近距離

撮影距離が離れるとボケが急速に小さくなります。この時点で球面収差には変動があり、ボケの縁取りが高く2線ボケの兆候あり。状況によっては色収差の影響が目立つかもしれません。とは言え、全体的にボケが小さいので、悪目立ちすることは無し。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F2.8)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。全身をフレームに入れると背景から分離するのは難しい。近寄るとボケが大きくなるものの、現実的な撮影距離ではないのかなと思います。

周辺減光

周辺減光とは?

フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ち。
中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となります。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象ですが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景や星空の撮影などで高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

実写で確認

ピント全域でわずかな減光が発生するものの、無視できる程度に抑えられています。F4-5.6に絞ると改善しますが、F2.8から大きな問題はありません。

逆光耐性・光条

中央

点光源付近にやや目立つフレアが発生しますが、全体的なコントラストは良好。絞るとフレアが抑えられ、適度な数とサイズのゴーストが発生します。この価格帯の広角レンズとしては健闘しているほう。

中央と比べてフレアの影響が抑えられ、ゴーストもわずか。

光条

5枚の絞り羽根で10本の光条が発生。シャープな描写ですが、先細りせず分散するタイプで好みは分かれるかもしれません。

F16

まとめ

広角レンズとしてのボケ質はまずまず。最短撮影距離に近い接写時は滑らかで綺麗ですが、一般的な撮影距離では球面収差の変動で2線ボケの兆候あり。とは言え、ボケが小さいので質感が悪さをすることはまずありません。ボケを大きくしようと近寄ると、必然的に自信や機材の影が写りこみやすいので、離れて撮影することになると思います。周辺減光に関して大きな問題はありません。F2.8の絞り開放から快適に使うことができるはず。コマ収差などもよく補正されているので、夜景や天体撮影に使いやすいレンズ。(ただし、中央から隅に向かって解像性能が低下しますが……)逆光耐性はまずまず良好で、極端な逆光シーンでもフレアの影響をよく抑えています。風景シーンやスナップシーンで光条を演出しつつ、フレアやゴーストを抑えた結果を得るのも容易。この価格帯の広角レンズとしては使い勝手が良好。

購入早見表

作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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