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岩石星 AstrHori 12mm F2.8 Fisheye レンズレビューVol.3 諸収差編

岩石星「AstrHori 12mm F2.8 Fisheye」のレビュー第三弾を公開。今回は色収差や歪曲収差など各収差を恒例のテスト環境でチェックしています。

おことわり

今回は2ndFocusより無償貸与の「AstrHori 12mm F2.8 Fisheye」を使用してレビューしています。提供にあたりレビュー内容の指示や報酬の受け取りはありません。従来通りのレビューを心がけますが、無意識にバイアスがかかることは否定できません。そのあたりをご理解のうえで以下を読み進めてください。

AstrHori 12mm F2.8 Fisheyeのレビュー一覧

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

フレーム端を拡大すると僅かに倍率色収差の影響が残っています。心配するほどの量ではなく、カメラ内や現像ソフトで簡単に処理できる範囲内。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

軽微な影響で絞り開放からほとんど問題ありません。ただし、水面の照り返しなど極端な状況ではF2.8-4あたりで色づきが発生する可能性あり。F5.6以降はそのような状況でも問題と感じることは少ないでしょう。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

実写で確認

絞り開放からフレーム隅までほとんど問題ありません。

球面収差

前後のボケ質には僅かに違いが見られるものの、これが実写に大きな影響を与えることは無いと思われます。

まとめ

魚眼レンズとして無視できる歪曲収差を除き、諸収差はほぼ良好に補正されています。完璧とは言えないものの、問題と感じるシーンはそう多く無いはず。球面収差は撮影距離によって変動しますが、ボケ質の僅かな変化以外で影響はほとんどありません。F2.8の絞り開放から大きな問題はありませんが、(おそらく非点収差と思われる)周辺部の解像性能低下は注意が必要。風景撮影などパンフォーカスで全体の解像性能を重視する場合はF5.6-8まで絞って使うのがおススメです。

購入早見表

作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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