トキナーatx-m 85mm F1.8 FE 交換レンズレビュー【接写解像・軸上色収差編】

このページではトキナーのミラーレス用交換レンズ「atx-m 85mm F1.8 FE」のレビューを掲載しています。今回は接写解像・軸上色収差のテストを実施。

レンズのおさらい

概要

メーカー：株式会社ケンコー・トキナー
商品ページ
仕様表
発売日：2020年2月7日
対応マウント：ソニーEマウント
初値：?49,320?(税込)
備考
・AF対応（ステッピングモーター）
・防塵防滴非対応
・フッ素コーティング
・atx-mシリーズ1本目のレンズ
・金属鏡筒

atx-m 85mm F1.8 FE
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焦点距離	85mm
明るさ	F1.8
フォーマット	35mmフルフォーマット
最小絞り	F16
レンズ構成	7群10枚
コーティング	マルチコーティング
画角	28.5°
フォーカス方式	インナーフォーカス
絞り羽根枚数	9枚
フィルターサイズ	72mm
最短撮影距離	0.8m
マクロ最大倍率	1.8
絞り羽根枚数	9枚
最大径	80.0mm
全長	93.0mm
重量/th>	645g
付属品	バヨネットフード（BH-727）、レンズキャップ

2020年2月発売のトキナー製ミラーレス用単焦点レンズ。
「FíRIN」かと思いきや、「atx-m」という新シリーズ。トキナーのミラーレス用レンズは数が少ないにも関わらず「FíRIN」「atx-i」「atx-m」と3シリーズ存在します。このネーミングセンスにはいささか迷走感を拭い得ない。

シリーズの意味

「FíRIN」＝「高性能なフルサイズミラーレス用レンズ」
「atx-m」＝「motif（動機・創作行為）」
「atx-i」＝「interactive（撮影者とレンズの双方向の対話）」

風呂敷広げすぎだと思うので、少し畳んだ方が良いと思うのです。

ちなみにこのレンズ、「VILTROX PFU RBMH 85mm F1.8」とレンズ構成・スペックが全く同じ。このためどちらかがOEMである可能性が高い。おそらくViltrox製であり、それでFíRINシリーズとならなかったのではと邪推。

出自はさておき、実売5万円未満とフルサイズ対応「85mm F1.8」としてはリーズナブル。ただし、ソニー純正「FE 85mm F1.8」と比べて大きな価格差はありません。描写性能や携帯性などを考慮しつつ選択したいところ。

価格はViltroxと変わらないので日本で買うならトキナー買っておけば良いはず。トキナーは正式にライセンス契約を結んでおり、おそらくボディ側からファームウェアアップデートが可能となっているはず。（ViltroxはマウントのUSB端子と接続してパソコン経由でアップデートする必要がある）

撮影倍率

撮影倍率は「1:8＝0.125倍」、最短撮影距離は「0.8m」。
85mmの単焦点レンズとしては一般的な仕様であり、小さな被写体をクローズアップして撮影するにはやや不向き。被写体に集中していると最短撮影距離より距離を詰めてしまいピントが合わないなんてこともしばしば…。

接写解像

メモ

中央領域
・絞り開放から良好な解像性能を発揮。抜群とは言えないものの、回折の影響が出る小絞りまでパフォーマンスが持続します。
周辺領域
・絞り開放は中央領域ほどでは無いものの、F2.8以降はほぼ同等のパフォーマンスを発揮。ピークはF5.6前後となり、F11以降は回折の影響で少し低下する。
端領域
・倍率色収差の影響はあるものの、解像性能はまずまず安定しています。開放付近は周辺と同じく少し甘いので、少なくとも1段は絞りたいところ。ピークはF4~F8となり、色収差を後処理することで周辺領域と似たような解像感を得ることが出来る。
像面湾曲
・影響は非常に軽微で特に大きな問題はありません。

*α7 IIIのセンサーが原因で一部に偽色が発生しています。

軸上色収差

メモ

軸上色収差の補正は完璧では無く、コントラストの高い領域で色ずれが目に付く。F2.8まで絞っても状況によっては残存収差が目に付く可能性あり。気になる場合はF4まで絞って撮影すると良いでしょう。

近接撮影において顕著なフォーカスシフトはありません。

近接解像・軸上色収差の雑感

満足度：80点

接写時の解像性能はまずまず良好。特に像高5割までは色収差も少なく安定した画質を楽しむことが出来ます。撮影距離や倍率は平凡ですが、APS-Cクロップ・APS-Cボディで使うのも一つの手。
フルサイズ領域のフレーム端は倍率色収差を補正しておきたいところ。後処理次第でF4~F8で全く問題無い画質と感じるはず。

軸上色収差は完璧な補正と言えないのでコントラストが高いシチュエーションでは注意が必要。色濃く見える訳では無いものの、薄っすらと広範囲に影響があります。「味付け」と呼べる場合もあれば、明らかに「収差」と感じる場合がもあります。絞りによる改善速度が遅いのは悩ましいところ。

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