キヤノン「EOS R8」のレビュー第六弾を公開。今回はカメラの解像性能について、回折やISO感度の影響、モアレや偽色の発生についてチェックしています。
EOS R8のレビュー一覧
- キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.8 JPEG 編
- キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.7 メニュー・カスタマイズ 編
- キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.6 解像性能 編
- キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.5 AF編
- キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.4 ドライブ・連写編
- キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.3 ダイナミックレンジ編
- キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.2 ISO感度編
- キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.1 外観・操作編
- キヤノン EOS R8 Hands-on 外観と起動時間やシャッター音の確認
解像性能
仕様の確認
- センサータイプ:約36.0×24.0mmフルサイズCMOSセンサー
- 有効画素数:最大約2420万画素
- 画像サイズ(3:2):6000×4000
- ローパスフィルター:あり
(海外スペックシートに記載あり) - プロセッサ:DIGIC X
RAWの影響
EOS R8は通常のRAW出力に加えて圧縮率の高いC-RAWに対応しています。ダイナミックレンジには差が発生するものの、解像性能には顕著な差は見られません。少なくとも適正露出で大幅な調整をしない限りでは同程度の解像度が得られると思います。
絞りの影響
当ブログではお馴染みの解像力チャートと70mm F2.8 DG HSMを用いてテスト。同じ2400万画素でもローパスフィルターの効果が弱いα7 IIIと比べるとピークの解像度は見劣りしますが、回折の影響が発生し始める小絞りでは同程度の結果が得られます。
絞り開放付近はAPS-CのEOS R10(2400万画素)と同程度で、3000万画素のEOS Rと比べると少し見劣りします。ただし、EOS R10は回折による性能低下が顕著であり、特にF8以降で大きな差が発生する模様。
絞りの影響実写
チャートテスト・遠景解像テストで70mm F2.8 DG HSMを使用。チャートテストの結果通り、F8まで同程度のパフォーマンスを発揮し、F11以降に画質の低下が始まります。ただし、画質低下は緩やかで、F16くらいまでは許容できる画質を維持しているように見えます。F22はパッと見ても少しソフトな画質となるのでケースバイケースで使っていきたいところ。後述しますが、ローパスフィルターを搭載しているため、ディテールのエッジが立たず、細部まで自然な描写。
ISO感度の影響
ノイズ補正オフ
Adobe Lightroom Classic CCにて補正やシャープネスを全てオフにして現像。ISO 1600-3200からカラーノイズが目立ち始め、ISO 12800付近からディテールに影響お及ぼしているように見えます。ISO 25600までは健闘しているものの、ISO 51200以降は出来れば回避したい設定。
カラーノイズ補正
カラーノイズは補正しやすいのでLightroom Classic CCで補正(+10)した結果が以下の通り。やはりISO 25600まで悪くない結果が得られていますが、ISO 51200以降は状況によりけり。
AIノイズ補正
Lightroom Classic CCに実装されているAIノイズ処理を使用したところ、ISO 51200も使えないこともない画質に改善しています。ISO 25600まではかなり良好。
モアレ・偽色の影響
横線
ローパスフィルター搭載モデルながら、2400万画素と低解像ということもあり解像限界周辺には目立つモアレ・偽色が発生しています。このあたりの性能は3000万画素センサーを使用しているEOS Rのほうが良好な結果を得られています。また、1500~2000本あたりでも微妙に偽色が発生しているのが気になるところ。それでもローパスフィルターの効果が薄いα7 IIIほど酷くはありません。
縦線
縦線でも同じような傾向。4000本あたりの部分で目立つ影響が発生し、2000本周辺にも僅かな影響があります。
まとめ
2023年の最新モデルとして解像度が高いカメラではないものの、一般的な撮影には十分な解像度の結果が得られます。トリミング・クロップ耐性を重視しなければ、特に大きな問題はないはず。ローパスフィルター搭載モデルのため細部のディテール再現性は見劣りしますが、そのぶんモアレや偽色は抑えられています。
高ISO感度のパフォーマンスが良好であるため、ダイナミックレンジの縛りが無ければ積極的に感度高めで撮影すれば良いのかなと。シャッタースピードを抑えて手ぶれ・被写体ぶれするくらいなら、感度を上げてしっかりと止めたほうがシャープな結果が得られます。ISO 12800くらいまではそのまま利用することができ、AIノイズ処理も考慮するとISO 25600くらいまでは耐用出来ます。
参考情報
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