ソニー「FE 24-50mm F2.8 G」のレビュー第三弾を公開。F2.8から隅までシャープとはいきませんが、広い範囲でシャープな結果が得られ、2段ほど絞れば全体的にとても良好な結果が得られる模様。
FE 24-50mm F2.8 Gのレビュー一覧
- ソニー FE 24-50mm F2.8 G レンズレビュー完全版
- ソニー FE 24-50mm F2.8 G レンズレビューVol.6 周辺減光・逆光編
- ソニー FE 24-50mm F2.8 G レンズレビューVol.5 ボケ編
- ソニー FE 24-50mm F2.8 G レンズレビューVol.4 諸収差編
- ソニー FE 24-50mm F2.8 G レンズレビューVol.3 解像チャート編
- ソニー FE 24-50mm F2.8 G レンズレビューVol.2 遠景解像編
- ソニー FE 24-50mm F2.8 G レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
Index
解像力チャート
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:α7R V
- 交換レンズ:FE 24-50mm F2.8 G
- パール光学工業株式会社
「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」 - オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- RAW出力
- ISO 100 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ
・格納されたレンズプロファイルオフ - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
24mm
中央はF2.8から非常にシャープ。手持ちのチャートテストでは上限に突き当たっており、本来ならば、さらに高い数値を期待できます。
広角域の焦点距離は、像倍率を一定にするため解像チャートへ近寄る必要があります。広角レンズの接写時は周辺や隅の解像性能が低下する傾向があり、このレンズに限ったことではありません。あくまでも参考程度の数値とお考え下さい。
それでも、周辺や隅も絞ると急速に改善します。F8のピークの向かって解像性能は伸び続け、最終的に中央に近い数値まで到達。全体的に優れた解像性能となります。
中央
周辺
四隅
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F2.8 | 4568 | 2616 | 1884 |
F4.0 | 4555 | 3936 | 2685 |
F5.6 | 4586 | 4488 | 3390 |
F8.0 | 4506 | 4932 | 4143 |
F11 | 4337 | 3935 | 4157 |
F16 | 4027 | 3752 | 3576 |
F22 | 3053 | 2977 | 2984 |
28mm
基本的に24mmと同じ傾向ですが、絞った際の周辺や隅の改善速度は24mmよりもはやい。F5.6まで絞れば、全体的に均質性の高い結果を得ることができます。歪曲収差の補正時に多少の性能低下があるかもしれませんが、解像性能が高いので心配するほどのソフトな画質とはならないはず。
中央
周辺
四隅
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F2.8 | 4521 | 2934 | 1998 |
F4.0 | 4506 | 3687 | 3273 |
F5.6 | 4586 | 4491 | 4480 |
F8.0 | 4521 | 4563 | 4674 |
F11 | 4475 | 4581 | 4168 |
F16 | 3854 | 3697 | 3908 |
F22 | 2882 | 3009 | 2920 |
35mm
引き続き中央はとても良好な解像性能を発揮。広角域と比べると絞り開放における周辺・隅の性能低下が目立たず実用的な画質。さらにF5.6まで絞れば非常にシャープな結果を得ることができます。
中央
周辺
四隅
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F2.8 | 4530 | 2968 | 2868 |
F4.0 | 4661 | 3723 | 3337 |
F5.6 | 4642 | 4525 | 3953 |
F8.0 | 4562 | 4560 | 4219 |
F11 | 4513 | 4130 | 3929 |
F16 | 3985 | 3604 | 3585 |
F22 | 3013 | 3046 | 2640 |
50mm
望遠端では絞り開放における中央の解像性能が少し低下するようです。ただし、F4まで絞ると周辺と共に急速に改善。隅は絞っても伸び悩みますが、それでも良好な結果と言えるでしょう。
中央
周辺
四隅
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F2.8 | 3547 | 3890 | 3191 |
F4.0 | 4642 | 4438 | 3025 |
F5.6 | 4648 | 4686 | 3450 |
F8.0 | 4632 | 4703 | 3807 |
F11 | 4569 | 4045 | 3927 |
F16 | 3996 | 3416 | 3491 |
F22 | 3333 | 2997 | 2792 |
FE 20-70mm F4 Gとの比較
全体的によく似た結果が得られます。あえて言えば広角側はFE 20-70mm F4 Gのほうが良好で、標準機はFE 24-50mm F2.8 Gのほうが良好。ズームレンジの広さか、F2.8の大口径で検討するといいでしょう。
FE 40mm F2.5 Gとの比較
参考までにGシリーズの単焦点レンズと比較。24-50mmもF4まで絞れば広い範囲で単焦点に近い結果を得ることができます。ただし、隅まで抜群の解像性能が必要な場合は40mm F2.5 Gに分があります。
まとめ
小型軽量なF2.8ズームレンズですが、ショートズームが功を奏しているのか広い範囲で良好な解像性能を発揮しています。ただし、フレーム隅に向かって切れ味が鈍る領域があり、「単焦点並みの性能」とは言えません。(「並の単焦点」よりは優れた性能だと思いますが)
特にフレーム隅はF2.8でわずかにソフトさがあるので、できる事ならF4~F5.6まで絞ってしまいたいところ。FE 20-70mm F4 Gとどちらが良いのか?
「F2.8」が必要であれば24-50mm F2.8を選べば良く、それ以外であれば20-70mm F4 Gでも問題ないと思います。
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作例
関連レンズ
- FE 24-70mm F2.8 GM II
- FE 24-70mm F2.8 GM
- 24-70mm F2.8 DG DN
- 28-70mm F2.8 DG DN
- 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
- 28-75mm F/2.8 Di III RXD
- AF 24-70mm F2.8 FE
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