このページではソニー製フルサイズ対応交換レンズ「FE 35mm F1.8」の近接解像・軸上色収差・実写ボケのレビューを公開しています。
FE 35mm F1.8 テスト
近接解像性能
最短撮影距離は0.22m、最大撮影倍率は0.24倍。同じ焦点距離の「Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA」「Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA」と比べると接写性能の高いレンズであることが分かります。
同じミラーレス用レンズの「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」と比べても良好な接写性能ですね。35mm F1.8でこれ以上の接写性能を備えているのはハーフマクロの「RF35mm F1.8 Macro IS STM」くらいでしょう。
大口径レンズは近接時の収差変動が大きくなるものですが、このレンズは”そこそこ良好な”解像性能を維持しているように見えます。中央はF2.0まで絞ればシャープに、F4~F16まではピークの解像性能を維持。フレーム端はF1.8~F2.8でやや甘く見えるものの、F4?F5.6まで絞ればまずまず安定、F8~F16でシャープな描写となります。
軸上色収差
軸上色収差による色ズレは一昔前のF1.8レンズと比べて良好だと思いますが、完璧な補正とは言えません。特に輝度差の激しいシーンで絞り開放付近を使うと目に付くことでしょう。F2.8まで絞るとほぼ収束し、F4まで絞れば解消します。
前後のボケに顕著な差はありませんが、比較的後ボケのほうが滑らかな描写に見えます。その結果、後ボケの色付きは目立ちにくくなりますが、前ボケが少し硬くなっているのでマゼンダの色づきは目に付くシーンが多いかも。
ボケ
距離
やや後ボケ重視の味付けが施されているものの、基本的には前後ニュートラルなボケ描写。騒がしく感じるシーンは少ないですが、背景のコントラストが高いとザワザワ感じることがあるかもしれません。接写することで小ボケ領域の騒がしさは少なくなります。
作例1(中央クロップ)
軸上色収差により後ボケはグリーンの色ずれが発生します。背景が緑であれば全く目に付きませんが、コントラストが付きやすい背景の場合にはボケの縁取りが気になります。やはりF2.8まで絞ると色ずれが緩和するため、目に付くシーンでは少し絞って撮影すると良いでしょう。
作例2(水平はフル画角)
雑感
「FE 28mm F2」よりも後ボケが硬いと感じますが、近寄った際の解像性能はより良好。軸上色収差の補正は完璧では無く、やや硬い前ボケと相まってパープルフリンジが目に付く場合があるのはマイナス。個人的にはもう少しボケ重視のレンズが好みでしたが、バランスの取れた35mmであることには違いありません。
今回使用した機材
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α7 III ILCE-7M3K | |||
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