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LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH. 徹底レビュー Vol.5 ボケ編

パナソニック「LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH.」のレビュー第五弾を公開。今回は前後のボケ質差や玉ボケの形状と絞り羽根の影響、撮影距離を変化した場合のボケ質などをチェックしています。

LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH.のレビュー一覧

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがち。個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくないと感じる。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人がいてもおかしくない。
参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルを以下に示す。

描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によって変化し、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向がある。
特殊な方法として「アポダイゼーション光学素子」などを使って強制的に滑らかなボケ描写を実現しているレンズも存在する。

実写で確認

僅かに前ボケに重心があるようなボケ質だが、基本的にはニュートラルで前後のボケ質に大きな変化は見られない。軸上色収差による色づきも見られず、悪目立ちすることは少ないと思われる。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

ここで言う「口径食」とはレンズ口径がボケへ影響していることを指す。
口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまったりする。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法が無い。しかし、絞ると羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じてF値を変化させる必要あり。

逆に口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが出来る。これは玉ボケに限った話ではなく、一般的な四隅のボケ描写の質感にも繋がる。口径食が強いと、ボケが小さく感じたり、場合によってはボケが荒れてしまう場合もある。
できれば口径食の小さいレンズが好ましいが、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要がある。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生する(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまう。

実写で確認

コンパクトな超広角レンズだが、思っていたよりも口径食は強くない。絞り開放から十分満足のいく描写が得られる。作例のようなハイコントラストな状況ではボケの縁取りに色づきが見られる。中央で色ずれが目立たず、隅に向かって影響が大きくなることを考慮すると残存する倍率色収差だと思われる(このような場合は自動補正されない)。

色付きは残念だが、玉ボケの内側は広角レンズとしては滑らかだ。F2.8まで絞るとボケが角ばってしまうので、玉ボケを意識する場合は絞り過ぎに注意。

ボケ実写

至近距離

被写体に近寄りやすいレンズであり、マイクロフォーサーズの広角レンズながら「接写+F1.7」を活かすことで後ボケを大きくすることが可能だ。この際のボケは極上とは言えないが、広角レンズとしては滑らかなボケ質であり、大部分は心地よい描写が得られる。ハイコントラストな領域で僅かに騒がしくなる兆候が見られるが、接写時は特に問題を感じない。接写時は絞っても十分なボケが得られるので、パンフォーカスを優先して絞るのもアリ。

近距離

撮影距離が長くなるとボケが小さくなり、ハイコントラストな領域のボケ質が少し騒がしくなる。色付きが少ないのが幸いして悪目立ちはしないが、状況によっては少し気になるかもしれない。この影響は絞っても大きく改善しないように見える。

中距離

さらに撮影距離が長くなると、必然的にボケが小さくなる。決して滑らかなボケではないが、全体的にボケが小さく目立たない。

撮影距離ごとの比較

全高170cmの三脚を人物に見立て、全身~顔のアップを想定した撮影距離で絞り開放を使って撮影した。

フレームに全身を入れるとF1.7の絞り開放を使っても背景をぼかすのは難しい。背景は僅かにピントが外れているものの、背景から被写体を切り離すには不十分だ。膝上くらいまで近寄ると背景が少しボケるが、浮かび上がってくるのはバストアップくらいからだ。顔のクローズアップであれば十分なボケが得られるだろう。

今回のまとめ

APS-Cやフルサイズと比べて、被写界深度が深くなりやすいマイクロフォーサーズシステム、それも超広角レンズで大きなボケを期待することなかれ。とは言え、F1.7の開放F値と優れた接写性能を活かすことで背景を十分にぼかすことは可能だ。パースの影響はもちろんあるが、ダイナミックな構図にボケを取り入れることができる面白いレンズだと感じた。

このレンズの強みはフルサイズ換算でハーフマクロに相当する撮影倍率を有しながら、フォーカスブリージングを良く抑えていることだ。一般的に、マクロ時は画角が狭くなってしまうレンズが多いのだが、このレンズはそうではない。広い画角そのままで、被写体にグッと近寄ることが出来る。接写時でも十分良好な解像性能を維持しており、大きなボケとシャープなピント面の両立が可能である。

ボケ質は必ずしも完璧と言えないものの、ボケを大きくすることで騒がしさを緩和することが出来る。撮影距離が長くなるとボケが小さくなり、自然とボケの騒がしさも抑えられる。悪目立ちするシーンは極僅かだ。

このレンズは風景・星景用と言うよりも、テーブルフォトやマクロ、自撮り程度の撮影距離でボケを含めた撮影が適しているようだ。気張らず、携帯性のよいボディと組み合わせて被写体にグッと近寄ることで面白い写真を撮れるレンズなのだと思う。

購入早見表

LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH.
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作例

オリジナルデーはFlickrにて公開

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