パナソニック「LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH.」のレビュー第三弾を公開。今回は恒例の解像力チャートを使った測定結果と実写作例を公開。
LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH.のレビュー一覧
- LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH. 徹底レビュー 完全版
- LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH. 徹底レビュー Vol.6 周辺減光・逆光編
- LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH. 徹底レビュー Vol.5 ボケ編
- LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH. 徹底レビュー Vol.4 諸収差編
- LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH. 徹底レビュー Vol.3 解像チャート編
- LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH. 徹底レビュー Vol.2 遠景解像編
- LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH. 徹底レビュー Vol.1 外観・AF編
解像力チャート
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:LUMIX G9 PRO
- 交換レンズ:LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH.
- パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」
- オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- RAW出力
- ISO 200 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ
・格納されたレンズプロファイル(外せない) - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
テスト結果
中央
絞り開放から3500に近い非常に良好な結果だ。絞ってもこれ以上の向上はなく、F5.6まで同程度のパフォーマンスが維持される。F8以降は回折の影響によって性能が徐々に低下するが、最小絞りであるF16でも周辺部や隅のパフォーマンスと同程度である。
周辺
実写作例を見ると絞り開放から安定しているように見えるが、細部の解像性能は中央と比べて2ランクほど低下する。F4まで絞ると全体的に少し改善するが、解像性能が劇的に向上することはない。
四隅
中央や周辺部と比べるとコントラストが低下し、解像性能さらに低下する。これは本来の光学性能と共に歪曲収差の強い補正が強制的に適用されていることも原因として挙げることが出来るだろう。また、ISO 200にも関わらずカラーノイズが発生しているので、周辺減光を強めに補正している可能性も考えられる。複数の要素が合わさって画質低下に繋がっている。
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F1.4 | 3407 | 2385 | 2199 |
F2.0 | 3228 | 2412 | 2226 |
F2.8 | 3177 | 2622 | 2599 |
F4.0 | 3279 | 2569 | 2625 |
F5.6 | 3407 | 2679 | 2710 |
F8.0 | 3177 | 2652 | 2599 |
F11 | 2837 | 2545 | 2278 |
F16 | 2509 | 2228 | 2039 |
実写確認
中央から隅に向かって解像性能が低下していると共に、コントラストが低下していることが分かる。ただし、9mmの超広角レンズで定型の解像力チャートを撮影した時の結果としては安定した解像性能と言える。少なくとも隅に向かって顕著な描写の粗は見られず、細部の解像性能に妥協すると良好な結果とさえ言えるだろう。実写では十分に満足のいく結果が得られると思う。
注意点として、フレーム隅の端はさらに描写が甘くなる。
競合レンズ比較
厳密にはこのレンズと競合する製品は存在しない。しかし、焦点距離やF値が少し異なるズームレンズ、単焦点などが存在するので見比べてみたい。
ご覧のように、9mm F1.7は中央が抜群の性能を発揮する一方、中央と隅の性能の均質性で見劣りする。これは絞っても改善しないので、パンフォーカス時の解像性能を重視する人には少し気になる画質となるかもしれない。ズームレンズと比べると良好だが、最高の結果を得たい場合はMFレンズのLAOWA 10mmがおススメだ。
今回のまとめ
小型軽量で明るい超広角レンズながら、近距離でも安定感のある描写だ。接写時も広い画角を維持しているので、被写体を周辺部に配置して広角マクロを楽しむのに適している。周辺部であれば十分に良好な解像性能を維持しており、F1.7を活かしやすいレンズと言えるだろう。
細部について抜群のコントラストとは言えないが、実写では十分良好であると感じ、特に不満は無かった。周辺減光は自動補正されるので、場合によってノイズ増を警戒する必要があるものの、F1.7を活かしてISO感度を抑えられるのであれば特に大きな問題は無い。
遠景も基本的には同傾向だが、フレーム隅に向かって高周波成分の解像不足やコントラスト低下が気になることが多い。絞って風景も撮れなくはないが、Vlogやテーブルフォト、マクロに適した超広角レンズなのだと思う。
購入早見表
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作例
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