このページではオリンパス製マイクロフォーサーズ対応交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」の解像力テスト結果とレビューを公開しています。
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro 解像性能 検証
撮影環境
イメージ図です。マイクロフォーサーズのRAWアスペクト比は「4:3」であり、測定時は4:3に合わせてフレーミングしています。このため、「3:2」イメージセンサーよりも四隅領域の判定が厳しめとなる傾向があります
テスト環境
- カメラボディ:OM-D E-M1X
- 交換レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
- パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」
- オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- OM-D E-M1XのRAWファイルを使用
- ISO 64 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ
・格納されたレンズプロファイル(外せない) - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェックしています) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証しています。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性があります。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
解像力テスト
マクロレンズらしく全体的に良好な解像性能を発揮。
絞り開放では僅かに四隅領域で低下が見られるものの、1段絞ると非常に均質的な画質となります。
ピークの性能はM.ZUIKO 12-100mm F4 IS PROとほぼ同じですが僅かに有利。このレンズの強みは実用的な絞り値F2.8~F11付近まで画質の変化が少なく、気軽に被写界深度の調整をすることが出来ます。マクロレンズとしては重要な特性と言えるのでは無いでしょうか。
F16-F22は回折の影響でソフトな描写となりますが、F16は処理次第でシャープになるはず。F22は少し厳しい。
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
とても良好 | F2.8-F8 | F2.8-F8 | F4-F8 |
良好 | F11 | F11 | F2.8,F11 |
まずまず | F16-F22 | F16-F22 | F16-F22 |
F2.8 | 3222 | 3034 | 2629 |
F4 | 3425 | 3535 | 3134 |
F5.6 | 3234 | 3115 | 3162 |
F8 | 3152 | 3015 | 3015 |
F11 | 2737 | 2714 | 2659 |
F16 | 2119 | 2249 | 2222 |
F22 | 1720 | 1702 | 1637 |
F2.8 サンプル
ハイレゾモード
中央領域は絞り開放から高解像となり、この解像力チャートの限界に近い数値を記録しています。絞ってもあまり性能は変化しません。
周辺部や四隅はさすがにF2.8だと伸び悩むようです。絞ると徐々に改善しますが、特に四隅は改善速度が遅い。
周辺部まで高解像がイメージが欲しければF5.6、フレーム全域で均質な解像性能を目指すならF8まで絞るべきでしょう。ただし、中央と周辺領域の解像性能は若干スポイルされてしまうので注意が必要。
F値 | 中央 | 周辺部 | 四隅 |
F2.8 | 4599 | 3222 | 3061 |
F4 | 4696 | 3986 | 3061 |
F5.6 | 4504 | 4465 | 3309 |
F8 | 3857 | 3863 | 3639 |
F2.8 サンプル
雑感
2000万画素センサーで普通に使う限り、フレーム全域で均質な解像性能を発揮。特にこれと言ったスウィートスポットはないのでシンプルに被写界深度の調整でF値を決定すれば良さそう。
前述したように、小絞り時の解像性能低下が小さいので、(被写界深度のために)思い切って絞り込むのは大いにアリ。ただしF22は出来れば避けたいところ。
ハイレゾモードでも中央領域は抜群の解像性能を発揮。マクロ撮影からさらに中央クロップしたい時は重宝することでしょう。ただし、フレーム全体で見ると周辺部や四隅が置いてけぼりを食らうので均質的なマクロ性能とは言えません。
ハイレゾ時は12-100mm F4 IS PROのほうが安定した解像性能。ただし、中央?周辺領域におけるピークの解像性能は60mm F2.8 Macroのほうが上。
今回使用した機材
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