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OM SYSTEM ED 90mm F3.5 Macro IS PROレンズレビュー Vol.1 解像チャート編

OMデジタル「M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」のレビュー第一弾を公開。今回は恒例の解像力チャートを使い、OM-1/G9と組み合わせた際の近距離解像性能をチェックしています。

90mm F3.5 Macro IS PROのレビュー一覧

まえがき

オリンパス時代からレンズロードマップに記載されていた「望遠マクロ」がついに登場しました。2023年2月に正式リリースされ、「オリンパス」の映像事業が「OMデジタル」に移ってからリリースされた5本目のレンズとなります。マイクロフォーサーズ用のマクロレンズとしては焦点距離が最も長く、最近では他社のフォーマットでも見無くなった換算180mmの望遠域をカバーするマクロレンズです。

概要
レンズの仕様
発売日 2023年2月24日 初値 166,320円
マウント MFT 最短撮影距離 0.224m
フォーマット 4/3 最大撮影倍率 2.0倍
焦点距離 90mm フィルター径 62mm
レンズ構成 13群18枚 手ぶれ補正 搭載
開放絞り F2.8 テレコン 対応
最小絞り F22 コーティング Zero
絞り羽根 7枚
サイズ・重量など
サイズ φ69.8×136mm 防塵防滴 対応
重量 453g AF STM
その他 S Macro・AFリミッター・L-Fn
付属品
レンズフード

2倍の撮影倍率までAFに対応しており、35mm判換算で4倍となるクローズアップ性能を備えています。これまで他社を含めて多くのAFマクロレンズが1.0倍、それ以上でも1.4倍止まりだったことを考慮すると、驚くべき撮影倍率と言えるでしょう。ただし、AFリミッターによる制限があり、通常は等倍(換算2倍)まで。「S-MACRO」モードに切り替えることで、2倍(換算4倍)まで利用可能。

一般的なマクロレンズと同じく、接写時は実効F値はかなり暗くなるので注意が必要です。0.5倍(換算1倍)では通常でF4、S-MACROモード時はF5.6が絞り開放となります。1.0倍ではF4.5/F6.3、2.0倍ではF8まで実効F値が上昇します。シャッタースピードを維持するのが難しくなるので、マクロフラッシュやマクロライトを用意しておいたほうが良いでしょう。

テレコンバージョンレンズに対応していることも魅力の一つ。開放F値や実効F値の上昇は理解する必要があるものの、焦点距離や撮影倍率を拡張することができ、クローズアップ性能を高めることが出来ます。ミラーレス用マクロレンズでテレコンバージョンレンズに対応している製品は珍しい。

PROシリーズのレンズらしく、鏡筒は防塵防滴仕様で、IP53の規格に準拠しています。レンズ交換式カメラシステムでIP53に対応と明言しているのはOMデジタル製品のみ。

価格のチェック

売り出し価格は安いところで166,320円。マイクロフォーサーズ用のマクロレンズとしては非常に高価ですが、今のところミラーレス用の「望遠マクロ」を探すと本レンズ一択となります。フルサイズ用の100mm F2.8 マクロのほうが安かったりしますが、その多くは等倍までで、4/3センサーサイズのクロップに耐えることができる製品は少ないはず。

同システムの「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」は4-5万円台で入手することができ、大部分のマクロユーザーは60mm F2.8で事足りると思います。ただし、ワーキングディスタンスやより高い撮影倍率、高度な防塵防滴が必要な場合は90mm F3.5を選ぶしかありません。

M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
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解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:OM-1 / LUMIX G9 PRO
  • 交換レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 200 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイル
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

テスト結果

通常モード

マクロレンズらしく中央から隅まで非常に均質性の高い結果を得ることができます。少なくとも2000万画素の通常撮影では隅までほとんど画質差がありません。絞りによる改善はありませんが、F3.5からピークの性能がF8まで持続し、F11もいつ用的な結果を得ることが可能。F16以降は回折の影響で急速に低下するので、被写界深度が必要な場合を除いて避けたほうが良いでしょう。

ハイレゾモード

LightroomのRAW現像と相性の良いLUMIX G9 PROでテスト。中央は絞り開放から良好な性能を発揮し、F8まで安定した結果を得ることができます。周辺部と隅は中央と比べると数値が低いものの、2段絞ることで残存収差が収束し、画質の向上が可能。

ピークの性能は他のPROレンズ(ズーム・単焦点)と比べて大きな差はありません。PROマクロレンズに他のPROレンズを圧倒する切れ味を求めていた場合は少しがっかりする可能性あり。とは言え、フローティング構造による近接能力や2倍マクロ、テレコンバージョンレンズとの互換性など機能的なレンズに仕上がっている点を考慮する必要があります。

中央

LUMIX G9 PROの80MハイレゾモードのRAWをLightroomで現像した結果が下のとおり。

F3.5の絞り開放からF8まで一貫した解像性能を発揮。絞ることで細部のコントラストが僅かに改善しますが、等倍で見比べてみないと判断できない程度の差です。一部の超高解像レンズほどではありませんが、「普通に良好」と言えるレベル。

周辺

F3.5-F4では若干のソフトさが見られるものの、全体的には安定感のある結果が得られます。絞りを調整する余裕があるのなら、F5.6まで絞ると細部のコントラストが改善。中央に近いシャープな結果を得ることが可能。

四隅

フレーム隅でも画質の顕著な低下はありません。傾向は周辺部と全く同じで、F5.6まで絞ると中央に近い解像性能を得ることができます。ただし、通常モードでは見られなかった倍率色収差の影響が僅かに残っているように見えます。

数値確認

通常モード

中央 周辺部 四隅
F3.5 3131 2818 2838
F4.0 3168 3034 3115
F5.6 3141 3384 3168
F8.0 3141 3179 3115
F11 2899 2818 2683
F16 2251 2278 2304
F22 1781 1792 1873

ハイレゾモード

OM-1 中央 周辺部 四隅
F3.5 3704 3492 3209
F4.0 3512 3699 3438
F5.6 3908 3935 3803
F8.0 3722 3637 3632
G9 PRO 中央 周辺部 四隅
F3.5 4116 3573 3664
F4.0 4196 3774 3672
F5.6 4289 4248 4032
F8.0 4032 4088 3870

実写確認

ハイレゾショットのピークはF5.6付近ですが、通常の2000万画素であればF3.5から最小絞りまで、隅から隅まで一貫したパフォーマンスの結果を得ることができます。これぞマクロレンズ。

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroとの比較

おそらく、マイクロフォーサーズユーザーの本格的なマクロレンズとして重宝されているであろう「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」のテスト結果と比較したのが以下の通り。60mmのテストはE-M1Xを使用していますが、同じ2000万画素センサーであり、OM-1のテスト結果と大きな違いはありません。

どちらも通常の撮影では均質性が高く、マクロレンズとしては優れた光学性能に仕上がっています。60mmの画角で問題なければ「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」のコストパフォーマンスは良好。ただし、ハイレゾモード使用時は周辺部の立ち上がりが遅く、隅に至っては絞っても大幅な改善は期待できません。

まとめ

優れたマクロレンズですが、手ごろな価格で小型軽量なマイクロフォーサーズらしいマクロレンズと比べて、解像性能が顕著に異なるわけではありません。周辺部の均質性はハイレゾショット時に有利となるものの、2000万画素であれば安価なマクロレンズやPROズームレンズも十分良好。ハイレゾショット時のピーク性能が高い訳でもないので、「キレッキレ」を求めている人からすると少し肩透かしとなる可能性あり。

とは言え、このレンズは従来と比べて焦点距離が長く、ワーキングディスタンスを取りやすいうえに、2倍の撮影倍率にまで対応しています。さらに光学手振れ補正を搭載し、IP53の防塵防滴やフォーカスクラッチ構造など、機能的で汎用性の高いレンズに仕上がっています。また、テレコンバージョンレンズとも互換性があるので、いざと言うときは4倍マクロで撮影できるのも魅力的。オールインワンの望遠マクロレンズを探しているのであれば、おススメの一本と言うことができるでしょう。

購入早見表

M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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