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OM SYSTEM「OM-1」徹底レビュー Vol.5 ダイナミックレンジ編

OM SYSTEM「OM-1」のレビュー第五弾を公開。今回はISO感度やハイレゾショットを使用した際のダイナミックレンジについてチェックしています。

OM-1のレビュー一覧

ダイナミックレンジ

ISO 200 通常

フルサイズやAPS-Cと比べるとダイナミックレンジが狭いのは間違いなく、特にシャドウを強めに持ち上げると強めのカラーノイズが発生する。カラーノイズは比較的処理しやすいので、RAW現像時はカラーノイズの補正をオンにしておくのがおススメだ。

OM-1はのシャドウは普通に使うとPEN E-P7の2000万画素センサーよりもダイナミックレンジが狭い。ISO 200で諧調オートなどを使用してシャドウを自動的に持ち上げると、場合によってカラーノイズや色被りに悩まされる可能性あり。逆にハイライトはフルサイズ並みに粘り強く、全体的に白飛びを回避するための実効ISO感度を採用しているように見える。もしもシャドウの諧調を重視する場合は拡張ISO感度「80」「100」で撮影後のRAW編集で露出の増感などを検討してみよう。

ISO 200 三脚ハイレゾショット

驚いたことに、三脚ハイレゾショットを使用すると同じ露出でも実効ISO感度が変化しているように見える。通常では白飛びしなかった+5EVで白飛びが発生し、影響は+4EVの回復でも見られる。その一方でシャドウはカラーノイズが大幅に低減し、-4EVまで実用的な復元が可能となり、-5EVもカラーノイズの処理次第で許容範囲内となる。もちろんモノクロで出力するのであれば問題無いだろう。

ISO 80

ISO 80で露出をISO200の場合と揃えると、白飛びしやすくなる一方でシャドウのノイズは良く抑えられている。このことから、拡張の低ISO感度は常用ISO感度よりも実効ISO感度の基準が低くなっていると思われる。もしも白飛びを気にしない環境で、シャドウの諧調を重視する場合は拡張ISO感度の使用がおススメだ。流石に-5EVの復元は難しいが、-4EV程度までの復元は良好な結果を期待できる。

ISO 80 三脚ハイレゾショット

ISO 200のハイレゾショットと同じく、ハイライト側のダイナミックレンジが狭くなっているように見える。ただし、シャドウ側が広がっているか?と言うとそうでもなく、全体的に見てダイナミックレンジが狭い印象を受ける。ハイレゾショットを使うのであれば、拡張ISO感度は避けたほうが良いかもしれない。

まとめ

OM-1はマイクロフォーサーズでは初となる積層型の裏面照射型CMOSセンサーを使用している。しかし、ダイナミックレンジで奇跡は起きなかった。基本的にダイナミックレンジは従来通りで、良くもなければ悪くもない。ただし、TruePic VIII・TruePic IX世代と比べると常用ISO感度におけるダイナミックレンジの使い方がハイライト寄りとなっている。例えば、直近で登場した「PEN E-P7」は同じテストシーンで、OM-1よりもシャドウ諧調が豊かだが、ハイライトは白飛びしやすい。

この傾向は「E-M1 Mark II」などでも見られた。比較してE-M1XやE-M1 Mark IIIはシャドウ寄りとなっていので、OM-1に乗り換えた際はRAW現像における白飛びに強いが、シャドウの持ち上げ耐性が悪くなったと感じるかもしれない。特に撮影時の(意図しない)露出アンダーは避けたほうが良い。適正露出でシャドウの諧調を重視する場合は拡張ISO感度「80」「100」を使うのがおススメだ。

三脚ハイレゾショット時は何故かシャドウ寄りとるのでベースISO感度でもOK。ただし、白飛びしやすくなるので、ハイライトが重要であれば1EVほど露出アンダーで撮影しておくと良いだろう。ISO 80の拡張感度でハイレゾショットを使用すると、何故かダイナミックレンジが狭くなったように見えるので注意が必要である。今回のテストが実写でどのような差となるのか、別の機会で紹介したい。

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