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OM SYSTEM「OM-1」徹底レビュー Vol.3 連写・ドライブ編

OM SYSTEM「OM-1」のレビュー第三弾を公開。今回はOM-1の各種ドライブモードや機能性、そして連写時のバッファ性能についてチェックしています。

OM-1のレビュー一覧

連写・ドライブ

連写速度

各連写モードに対応している連写速度は以下の通りだ。
(★は連写時のブラックアウトあり)

フラッシュ AF/AE 連写速度
メカニカル★ 可能 可能 1-10fps
静音撮影★ 可能 可能 5-20fps
SH1 不可 固定 60/100120fps
SH2  不可 可能 25/50fps
ProCap 不可 可能 5-20fps
ProCapSH1 不可 固定 60/100120fp
ProCapSH2 不可 可能 25/50fps

メカニカルシャッターの最高速度は「10fps」で、E-M1 Mark IIIのような「15fps」には対応していない。フラッシュ同調時のメカニカルシャッターを使った高速連写では不利となるが、それ以外でメカニカルシャッターの「AF/AE固定15fps」が有利となるシーンはそう多くないと思われる。

大きく変わったのは静音連写モードで、最高120fpsでRAW出力に対応している。シングルショットと変わらない画質で120fpsまでRAW出力に対応しているカメラは非常に珍しい。

従来機に近い追従連写は「静音連写」で利用でき(ただしブラックアウトあり)、OM-1固有の連写速度が必要な場合は「SH1」「SH2」を使用する。ただし、フラッシュが利用できるのは「静音連写」のみで、SH1/2は非対応となる。また、「SH2」の50fpsで追従連写時は対応しているレンズが限られているので注意が必要だ。対応するレンズは以下の通りである。

PROレンズでも「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO」は非対応であり、「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」もSH2 50fpsを利用することが出来ない。ただし、AF/AE固定であればSH1の120fpsまで利用可能だ。

バッファ・バッファクリア

OM-1のスペックシートでは最大撮影コマ数が以下のようになる。

連写速度 RAW
10fps 139枚
20fps 108枚
120fps 92枚
50fps 96枚

一時的にメモリに貯めることができるRAWは約90枚で、それ以上の連写撮影時はSDカードへの書き込み速度が重要となる。今回はSD UHS-IIの中では最も書き込み速度が速いSONY TOUGH Gシリーズを使用してテストした。測定するのは一定時間内で撮り続けた際の撮影枚数をチェックした。

5秒 10秒 15秒
10コマ秒 49 100 153
20コマ秒 101 186 235
60コマ秒 139 197 251
100コマ秒 140 197 249
120コマ秒 140 194 248
  • 10コマ秒
    公称値通りの連写速度で撮影することができ、その後もバッファが詰まることなく撮影を続けることが可能だ。バッファクリア時間はほぼゼロである。
  • 20コマ秒
    5秒間の撮影であれば公称値通りの撮影枚数を稼ぐことが出来る。ただし、5秒を超えるとバッファが詰まりはじめ、最終的に10コマ秒程度までパフォーマンスが低下する。
  • 60コマ秒
    5秒までにバッファが詰まり(おそらく2秒前後)、公称値通りの撮影枚数は記録できない。以降は10コマ秒までパフォーマンスが低下する。
  • 100コマ秒
    やはり5秒までにバッファが詰まり、結果的に撮影枚数は60コマ秒と変わらない。
  • 120コマ秒
    100コマ秒と比べてさらにバッファが詰まりやすい。そして最終的な撮影枚数は60/100コマと同程度だ。

以上のテスト結果から、20コマを超えると明らかにSDカードへの書き込み速度がボトルネックとなっていることが分かる。RAWのファイルサイズから想定される書き込み速度は約200MB/sで、これは各所で測定されているSDカードの書き込み速度とほぼ一致する。さらに高速書き込みに対応するSDカードが登場するかどうか不明だが、今のところ最善の選択肢でもバッファクリアは10コマ秒が限界だ。

ちなみに、各メーカーのSD UHS-IIをテスト(120fps RAW)したところ、以下のような結果となった。

5秒 10秒 15秒
Sony 140 194 248
Kingston 134 186 240
Transend 128 177 222
Lexer 110 126 154
Cobalt 141 197 252

ベストを尽くすのであればProGrade DigitalのCOBALTやSONYのTough G Seriesがおススメだ。とは言え、手ごろな価格のKingstonやTranscendと大きな違いがないので、コストパフォーマンスを求めるのであればKingstonやTranscendで良いと思う。

静音撮影モード

従来通り「静音撮影モード」で電子音や補助光、フラッシュの設定連動が可能だ。

オートISO

従来通りISOオート時の上限・下限を設定可能だ。OM-1は高ISO感度の性能が向上したためか、上限値の初期設定が「25600」となっている。これはE-M1 Mark IIIの初期設定「6400」と比べて2段分高い数値だ。それだけ高ISO感度耐性に自信があるのだろう。

さらに従来通りISOオート時の低速限界設定を利用可能だ。

システムは従来通りで、パナソニックのようにFnボタンに割り当てることは出来ない。ただし、従来機と異なり、「ISOオート低速限界」設定をマイメニューに設定可能となっている。より素早く設定値を変更できるようになった。個人的に多用する機能なので地味に嬉しい。(とは言え、パナソニックのようにFnボタンとして登録できると良かった)

プロキャプチャーモード

E-M1 Mark IIから実装しているプロキャプチャーモード(シャッター全押しから半押しまで一定時間を遡って記録することが可能)はOM-1で大きな進化を遂げた。機能的には従来通りだが、従来機で35枚までだった遡及枚数が70枚まで倍増している。一瞬のシャッターチャンスを捕捉するための撮影枚数が倍となったのは非常に大きい。

ただし、前述した通りバッファは倍増したと言えず、70コマを使いきると次の撮影までにバッファクリアの時間が必要な点には注意が必要だ(最速SD UHS-IIカードでも90コマ分のバッファを処理するのに9秒間かかる)
状況に応じて連写速度とプリ連写枚数を調整する必要がある。

ローリングシャッター

CMOSセンサー全体を一度に露光出来るのが理想的だが、現在は発熱やノイズなど、様々な問題から実現に至っていない。現在はイメージセンサーの上ラインから下ラインまで段階的に読みだしていく「ローリングシャッター」方式が一般的だ。言葉で説明しても難しいので、下部の動画で分かりやすい。

動画のように、コンシューマー向けのデジタルカメラは大部分がローリングシャッター方式を採用したイメージセンサーを使用している。海外企業で「PIXII」のようなカメラがグローバルシャッターを採用しているが、国産ミラーレスでこの方式を採用しているカメラは存在しない。(キヤノンの業務用向けカムコーダーくらい)
実際にこのカメラのローリングシャッターの影響を調べた結果が以下の通りだ。

ご覧のように扇風機の羽根が不自然な描写となってしまっている。ローリングシャッター方式では、このように高速移動する被写体を撮影する際に問題が発生する。それでも電子シャッターとしては非常に良好な結果であり、従来のマイクロフォーサーズカメラの中ではトップクラスだ。
他のカメラではどのような影響があるのか?は以下の通り。

非積層型CMOSセンサーでもE-M1 Mark IIIの4/3 20MPセンサーやEOS R5の45MPセンサーも健闘している。E-M1 Mark IIIの時点で多くの被写体は十分良好と感じていたので、OM-1の幕速はほぼ完璧と言えるだろう。特に20万円台でこのようなパフォーマンスのミラーレスが手に入るのは魅力的だ。

参考

電子シャッター利用時に蛍光灯下で高速シャッターを使うと以下のような影響が見られる。

蛍光灯は1秒間に120回点滅(西日本)を繰り返している。毎秒120回の点滅中、撮像時に1回の点滅がフレームに写りこんでいるため、単純計算で8.3msと言ったところである。E-M1 Mark IIIやE-M1Xが16.6msだったことを考えると約2倍の速度である。これはフラッシュ同調速度が1/50秒から1/100秒まで改善している点と一致する結果だ。

ちなみにISO12800を超えると蛍光灯の点滅が2回写りこむようになる。これは16.6msであり、E-M1 Mark IIIの通常時と同程度のパフォーマンスだ。ISO感度を上げすぎるとローリングシャッターの幕速が低下する点に留意しておこう。と言っても、マイクロフォーサーズでISO12800以降を(画質の観点から)積極的に使う気はしない。

まとめ

2022年3月現在、ミラーレスの中では最も高速にRAW出力を連続撮影できるカメラだ。被写体が動き始める瞬間を捉えるのであれば120fpsを、動き回る被写体を追いかけながら撮影するのであれば50fpsを利用可能である。ただし、追従撮影時は対応するレンズがかなり限定的である点に注意が必要だ。とは言え、OM-1を購入する層であれば、対応するレンズの一つ二つを所有していたとしてもおかしくないはず。

個人的な見解として、ブラックアウトフリーの50fps追従連写は状況によって強力な武器となる。特に近距離での打率が高く、フルサイズやAPS-Cシステムでは難しいようなシチュエーションでも思いのほか良好な結果を期待できる。これはOM-1のAF性能・連写性能に加え、PROレンズの接写性能やAF性能が活かされているのだと思う。特にデュアルVCM駆動でAFが動作するM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROが真価を発揮するのでおススメだ。

その一方でバッファの管理はシビアになった。最速のSD UHS-IIを使ったとしてもバッファが一瞬で詰まり、その後は10コマ秒まで低下する。連写時はバッファが詰まっているのか余裕があるのか判断し辛いのも悩ましいところである。この辺りはご自身の撮影環境と照らし合わせながら、「連写速度」「枚数リミッター」などを調整する必要がある。

積層型CMOSセンサーとしてはローリングシャッターの幕速が遅いものの、E-M1 Mark III比で2倍となっているため、大部分の撮影環境で大きな問題は見られない。フラッシュ同調速度がもう少し速く、電子シャッター時のアンチフリッカーに対応していると尚良かった。

前述した通り、50/120fpsでRAW連写が可能な積層型CMOSセンサー搭載モデルが20万円ちょっとと言うのは魅力的だ。おまけに70コマのプリ連写モードも搭載している。これほどのスピードが必要無ければE-M1 Mark IIIやE-M1Xのほうがコストパフォーマンス良好だ。しかし、マイクロフォーサーズの高速性や機動力を活かすのであれば、今のところベストな選択肢である。

参考情報

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