キヤノン「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」のレビュー第二弾を公開。今回は恒例の撮影地点からレンズの遠景解像性能をチェックしています。
RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STMのレビュー一覧
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- RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM 徹底レビュー Vol.5 周辺減光・逆光編
- RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM 徹底レビュー Vol.4 諸収差編
- RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM 徹底レビュー Vol.3 解像チャート編
- RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM 徹底レビュー Vol.2 遠景解像編
- RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM 徹底レビュー Vol.1 外観・操作性・AF編
遠景解像力
テスト環境
- 撮影日:2022-08-01
- カメラ:EOS R7
- 三脚:Leofoto LS-365C
- 雲台:Leofoto G4
- 露出:ISO 100 絞り優先AE
- RAW:Lightroom Classic CC
・シャープネスオフ
・レンズ補正オフ
・その他初期設定
18mm
中央
絞り開放から良好な解像性能だが、絞ることでコントラストが僅かに改善する。ピークはF5.6で、F8で僅かな低下が見られ、F11以降は回折の影響で急速に画質が低下する。EOS R7の解像性能を活かすのであれば許容範囲はF11付近のように見える。
周辺
基本的に中央と同程度のパフォーマンスを維持している。解像性能の低下やコントラストの低下は見られない。絞ると僅かに改善するが、絞り開放から十分に実用的な画質だ。
四隅
中央や周辺部と比べると非点収差や色収差が僅かに増加するが、顕著な画質低下は見られない。実質1.5万円のキットレンズとしては非常に良好な性能だ。絞ると僅かに画質が向上するが、F4.5から実用的な画質である。ピークはF8前後となる。
24mmm
中央
全体的な傾向は18mmと同じだ。絞り開放は僅かにコントラストが低く、少し絞ると改善する。解像性能はF5から良好で絞りによる改善は期待できない。
周辺
細部の解像性能は中央と比べると少し見劣りするものの(陽炎の可能性もある)、ぱっと見は非常に良好だ。絞っても改善傾向は見られない。
四隅
中央や周辺部と比べて極端な画質の低下は見られず、18mmよりも周辺減光の影響が少ない。絞り開放から非常に良好な画質だ。絞っても画質に大きな変化は無いので、被写界深度の調整で絞りを使えば良いだろう。
28mm
中央
これまでと同じく絞り開放はコントラストが僅かに低下する。少し絞ると改善するが、解像性能は絞り開放からピークの状態が続く。
周辺
中央と同じ傾向、性能に見える。単焦点レンズに迫る切れ味ではないかもしれないが、キットレンズの中間域の性能としては非常に良好だ。
四隅
驚いたことにパフォーマンスの低下は見られない。絞っても画質に大きな改善は無いが、絞り開放から良好だ。
35mm
中央
これまでと同じく絞り開放はコントラストが僅かに低い。F8でピークの結果が得られるが、それ以上絞ると回折の影響を受ける。
周辺
広角側と比べると解像性能がワンランク低下する。極端な画質の乱れでは無いが、非点収差のような影響で細部の切れ味が低下している。
四隅
周辺部と同じく、28mmまでと比べるとパフォーマンスがワンランク低下する。
45mm
中央
望遠端でも良好に見えるが、よく見ると細部の解像性能はやや低下している。
周辺
基本的には35mmと同じ傾向だ。F11まで絞ると若干の改善が見られる。
四隅
キットレンズの望遠端における隅の画質と考えると良好だが、決して抜群の性能ではない。
まとめ
実質1.5万円程度で入手できるキットレンズとしては良好な解像性能のレンズだ。抜群の切れ味とは言えないかもしれないが、ズーム全域で弱点と呼べるほど画質が低下するポイントは存在しない。35mm以降の周辺部や隅で非点収差のような画質の甘さがあるものの、RAW現像時にデジタルレンズオプティマイザを適用することで若干の改善を期待できるかもしれない。(やや強めに絞って回折を補正したほうが良いかも)
RF-S18-150mmと見比べてみると、そう顕著な違いはない。どちらも35mm付近から周辺部や隅の画質が低下するので、絞るなり、DLOを適用するなり対策が必要となる。RF-S18-45mmはショートズームであることが光学性能の観点でメリットになっているとは感じない。広角側の画質が少し安定しているようにも見えるが、どちらかと言えば小型化の恩恵が大きいように見える。ただ、よりコンパクトなニコン「NIKKOR Z DX 16-50mm F3.5-6.3 VR」と見比べてみると、35mm以降の周辺部はニコンのほうが良好だ。
競合他社も優れたキットレンズを投入しているので霞みやすいが、RF-S18-45mmも最初のレンズとしては悪くない性能だと思う。一昔前のキットレンズと見比べると、弱点となるようなポイントが見られず、全体的に良好な性能を実現している。ただ、個人的に価格やサイズを許容できるのであればRF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMのほうが利便性が良く、おススメしやすい。
購入早見表
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