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TTArtisan 100mm F2.8 2X Macro レンズレビューVol.1 外観・操作編

銘匠光学「TTArtisan 100mm F2.8 2X Macro」のレビュー第一弾 外観・操作編を公開。基本的にはティルトシフト付きと同じですが、一眼レフに対応しました。一眼レフでは貴重で手頃な価格の2倍マクロレンズと言えそうです。

簡易的なまとめ

製品提供を受けている

このレビューは焦点工房より無償提供された製品を使用しています。金銭の授受やレビュー内容の指示は一切ないことを最初に明言しておきます。無料であること、購入した製品ではないことに対する無意識のバイアスは否定できませんが、できるだけ客観的な評価を心がけています。

簡易的なまとめ

一眼レフでも利用できる手頃な価格の2倍マクロレンズ。各種アダプターでGFX・フルサイズ・APS-C・マイクロフォーサーズ各種マウントに適合可能と汎用性が高い。電子接点が無いので基本的に完全マニュアル操作ですが、マクロレンズで問題を感じることは少ないかもしれません。もちろん、もちろん、AFレンズと比べると不便ではありますが、マニュアル操作に慣れていれば大きな問題は感じませんでした。

Product supplied by.

This review uses products provided free of charge by SHOTEN KOBO. I would like to state clearly at the outset that there was no exchange of money or instructions regarding the content of the review. Although it is impossible to deny the unconscious bias of the fact that the products are free and not purchased, I have tried to give as objective an evaluation as possible.

Brief summary

A reasonably priced 2x macro lens that can also be used with SLR cameras. It is highly versatile, as it can be adapted to GFX, full-size, APS-C, and Micro Four Thirds mounts using various adapters. As it has no electronic contacts, it is basically a fully manual lens, but you may not find it too problematic to use as a macro lens. Of course, it is more inconvenient than an AF lens, but if you are used to manual operation, you won't find it a big problem.

TTArtisan 100mm F2.8 2X Macroのレビュー一覧

TTArtisan 100mm F2.8 2X Macroのおさらい

2024年夏に銘匠光学が発表した一眼レフ・ミラーレス用の2倍マクロレンズ。既存の「TTArtisan TS 100mm F2.8 2X Macro」からティルト・シフト機能を取り除くことでフランジバックを確保し、一眼レフにも対応したと思われます(少なくとも光学系は同じ)。

ティルトシフト構造が無くなったことで100gほど軽量化され、鏡筒はシンプルなデザインでマクロ撮影に集中できるものとなっています。

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  • 最新情報まとめ
  • フォーマット:フルサイズ
  • マウント:E / X / Z / RF / L / GFX / EF / F
  • 焦点距離:100mm
  • 絞り値:F2.8-F22
  • 絞り羽根:12枚
  • レンズ構成:10群14枚
  • 最短撮影距離:0.25m
  • 最大撮影倍率:2.0倍
  • フィルター径:67mm
  • サイズ:不明
  • 重量:700-748g
  • 防塵防滴:-
  • AF:MF限定
  • 手ぶれ補正:-
  • その他機能:
    ・シューアダプター対応

ティルト・シフト機能付きと異なり、一眼レフの2マウントにも対応していることが強み。一眼レフで利用できるほか、各種アダプターでミラーレス用としても使用することが出来ます。

10群14枚のレンズ構成でリアフォーカス方式を採用。フレームの広い範囲で非点収差が良好に補正されていますが、フレーム隅のみ急激な落ち込みがある模様。このあたりが実写でどのような結果となるのか、これから見ていきたいと思います。

価格のチェック

販売価格は5万9400円。ティルト・シフト機能付きが6万2820円で売り出されていたことを考慮すると少し高く感じるかもしれません。また、ミラーレスの一部マウントではシグマ「105mm F2.8 DG DN MACRO」を8万円台で入手可能となっています。電子接点無しのマクロレンズに6万円近い金額出せるかどうか悩ましいところ。

とはいえ、2倍マクロに対応する一眼レフ用レンズは選択肢が少なく、「LAOWA 100mmF2.8 2xUltra Macro APO」と比べると手頃な選択肢となっています。

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外観・操作性

箱・付属品

シンプルなデザインですが、銘匠光学らしいファブリック調のカバーで装飾されています。高級感があるとは言えませんが、他社と差別化は出来ているように見えます。レンズ本体はウレタン製の緩衝材で保護されています。

説明書などを除くと、レンズ本体の他にキャップとコールドシューアダプタが付属。レンズケースやレンズポーチはありません。

外観

外装は総金属製のしっかりとした作り。無駄な装飾はなく、表面にはピント距離や被写界深度、撮影倍率など必要な表示があるのみ。全ての表示は外装にプリントしただけではなく、刻印したうえで塗装が施されています。

ティルトシフトレンズのように、側面に突出したノブがありません。このため、他のレンズを(硬い金属製の)ノブで傷つけることがありません。

レンズキャップは金属製のかぶせ式が付属。内側には滑り止め用のフェルト生地が張り付けられ、程よい抵抗感で脱着が可能。簡単に脱落しない程度には固いです。

ハンズオン

総金属製の100mm F2.8 2倍マクロと言うこともあり、重くて大きなレンズです。ティルトシフト機能を省略したことで多少の軽量化を実現していますが、それでもキヤノンのEF100mm F2.8よりも100gほど重い。ただし、ニコンAF-S105mm F2.8と同程度。ミラーレスで使用する際はアダプターの重量を加味する必要があります。

前玉・後玉

67mm径のねじ込み式フィルターに対応。接写性能が高く、フッ素コーティング未処理であることを考慮するとプロテクトフィルターの必要性は高い。また、お世辞にも逆光耐性が良好とは言えないため、社外製のレンズフードもおススメ。リアフォーカス式のため全長の変化はりませんが、後玉はフォーカシングで前後に移動します。

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レンズマウントは金属製。電子接点はなく、カメラ側に情報が全く伝達されないフルマニュアルレンズです。内部は反射を抑えるためのマットブラックの塗装が施されています。

フォーカスリング

金属製の幅広いフォーカスリングを搭載。マクロ撮影に適した少し重めの抵抗感で滑らかに回転します。安いレンズに多い、緩々のフォーカスリングとは雲泥の差。

ただし、フォーカスリングのストロークは180度で2倍マクロレンズとしては短め。ストロークの半分は2倍マクロから1/2マクロのピント距離となっています。また、無限遠側のストロークが非常に短く、微調整が難しい。幸いにも良好な抵抗感と滑らかさでストレスを感じることはありませんでした。

絞りリング

クリック付きの絞りリングを搭載。絞りの範囲は「F2.8」から「F22」まで。F2.8からF11までは1/2段刻みでクリックストップがあり、以降は1段刻みとなります。フォーカスリングと同じく適度な抵抗感で滑らかに操作可能。クリックストップがない中間でも絞りを保持することが出来ます。

ケラレ耐性

もともと±6mmのシフト撮影に対応できる広いイメージサークルを備えているためケラレ耐性は高め。ただし、イメージセンサーが大きなGFXでは気を付けたほうが良いかもしれません。

装着例

EFマウント版をアダプター経由でLUMIX S9に装着。全長が長く見えますが、100mmマクロレンズとしては一般的なサイズに見えます。今回はライカLマウントカメラに装着しましたが、アダプター経由でニコンZやキヤノンEOS Rにも装着可能。

 

ティルトシフトレンズよりもすっきりとした外観で調整用ノブがグリップと干渉することがありません。

アダプター経由でマイクロフォーサーズカメラに装着することも可能。この際、200mm相当の画角で換算4倍のマクロレンズとして利用することが出来ます。ボディが小さく取り回しやすいため、顕微鏡のように使うのであれば面白い選択肢となりそうです。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・1m・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

スライドショーには JavaScript が必要です。

マクロレンズらしく、撮影距離によって画角が大きく変化します。

まとめ

一眼レフでも利用できる手頃な価格の2倍マクロレンズ。各種アダプターでGFX・フルサイズ・APS-C・マイクロフォーサーズ各種マウントに適合可能と汎用性が高い。電子接点が無いので基本的に完全マニュアル操作ですが、マクロレンズで問題を感じることは少ないかもしれません。もちろん、AFレンズと比べると不便ではありますが、マニュアル操作に慣れていれば大きな問題は感じませんでした。肝心の光学性能はと言うと、ティルトシフト付きと同じく概ね良好な結果が得られています。MTF通り、フレーム隅に落ち込みが見られるものの、絞ることで改善可能。ボケは滑らかで綺麗と感じる場合が多く、特に近距離では満足のいく結果。色収差も良く抑えられています。

ミラーレス用のマクロレンズは選択肢が多いので本レンズに固執する必然性はありません。しかし、一眼レフでも使えるマクロレンズを探しているのであれば、面白い選択肢となることでしょう。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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