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マイクロフォーサーズの高いレンズとフルサイズの安いレンズはどちらが良いか?【比較検証】

投稿日:

マイクロフォーサーズ用の高価な単焦点レンズが揃い始めましたね。

しかしマイクロフォーサーズユーザーにとって「ボケが大きいフルサイズ用の安いレンズを買ったほうが安上がりなのでは…」と考える人も多いはず。そこで今回はオリンパスのハイグレードレンズとキヤノンの撒き餌レンズの描写を比較してみました。

スペック確認

25mm F1.2 PRO 50mm F1.8 STM
対応センサー マイクロフォーサーズ フルサイズ
画角  47° 46°
絞り  F1.2-F16 F1.8-F22
最短撮影距離  0.3m 0.35m
最大撮影倍率  35mm判換算0.22倍相当 0.21倍
レンズ構成 14群19枚 5群6枚
絞り羽枚数  9枚 7枚
フィルター径   62mm 49mm
大きさ 最大径×全長 70mm x 87mm 69.2mm × 39.3mm
質量 410g 160g
防塵防滴 対応 非対応
材質 金属 プラスチック
フォーカス駆動 ステッピングモーター ステッピングモーター
フォーカス方式 電子制御
インナーフォーカス
電子制御
繰り出し式
価格(Amazon) 123,000円 14,630円

どちらも似た画角をカバーする標準単焦点レンズですが、レンズ構成や駆動方式、外装の仕様が大きく異なっています。

より大きなイメージサークルを備えているにも関わらっず、50mm STMは重量160gと非常に軽量。フィルター径が49mmと小さいのでNDやC-PLを揃えやすい点もメリットと言えるでしょう。

一方でマイクロフォーサーズ用イメージサークルを備える25mm PROは大きくて重いレンズです。しかし、F1.2と大口径を実現し金属鏡筒、防塵防滴など充実した機能性と言えるでしょう。

最も分かりやすい差は価格

25mm F1.2 PROは50mm STMと比べて価格が9倍と非常に高価。むしろ50mm STMがとても安いと言うべきでしょうか?

特に描写にこだわりが無ければ、以下を読み進めるまでも無く安価なEF50mm F1.8 STMで決まりと言っても過言ではないはず。

しかし、このページを読んでいるアナタはそう思っていないはず。

実写でボケを確かめる

状況

  • OM-D E-M1 Mark II+M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
  • α7 III ILCE-7M3+MC-11+EF50mm F1.8 STM
  • 手持ち撮影
  • F値は被写界深度を優先的に合わして比較(例:フルサイズ F2.4= マイクロフォーサーズ F1.2)
  • 絞り開放の比較は別枠で設置

EF50mm F1.8 STMはレンズ補正が自動適用されていないため、周辺減光や倍率色収差の差は無視してください。

また、管理人の手違いによりα7 IIIとOM-D E-M1 Mark IIの異なる仕上がり設定から彩度やコントラストに差があります。「なぜRAW現像で仕上がり揃えなかったし?」と言うご指摘はごもっともであり、私自身も画像をアップロードしながら「しまった…しまった…」と後悔しているのです。今後の課題と言うことで勘弁してください。

自然風景

インプレッション

M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROのボケは縁取りが無い滑らかな描写。背景の輪郭が綺麗に溶けていますね。

一方でEF50mm F1.8 STMはボケが非常に強張っています。ハイライトの玉ボケで特に固さが目立つように感じます。

被写界深度を同程度に揃えた場合、25mm F1.2 PROはシャッタースピードが1/1000秒、EF50mm F1.8 STM(F2.5)は1/200秒となりました。カメラによる適正露出の違いがあるとしても約2段分の差があるようです。暗いシーンで低感度を維持しやすいのはマイクロフォーサーズと言えるでしょう。

メモ

  • 綺麗なボケのレンズは”輪郭の縁撮り”がとても滑らか
  • 被写界深度を揃える場合、シャッタースピードはマイクロフォーサーズが2段分有利

デジタルな「色収差補正」に差があるとしても、EF50mmのピント面手前における色づきが顕著。

Lightroomなど現像ソフトで色抜き可能ですが、被写体によっては色味やディテールに影響が出るかもしれません。

25mm PROの色づきはゼロで無いものの、実写で問題となるシーンはごく僅かと感じます。F1.2大口径レンズとしてはとても優秀です。

ボケが固かった50mm STMですが、F1.8から2段ほど絞る(F4)とボケ質がマイルドになる。細かいことを言うと、25mm F1.2 PROほど滑らかではありませんが差はかなり縮まっていると言えるでしょう。

メモ

絞り開放から2~3段絞ると”レンズの味”が薄まる

全景

*このケースでは撮影する角度に少し差があるため、奥行方向の被写界深度差が正確ではありません。

拡大

絞り開放

ボケのグラデーション

インプレッション

ボケ始めの領域で描写が大きく異なっている。

M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROの滲む量が段階的に強くなる一方で、EF50mm F1.8 STMはピント面とボケの境目がハッキリとしています。

被写体を浮き上がらせるには50mm STMの描写が効果的かもしれませんが、奥行方向の立体感が損失しています。

一方で25PROは小ボケ領域までの”空間”が繊細に描写されています。それ以降の大ボケ領域も情報量が多く奥行をしっかり表現しています。

メモ

滲む描写は小ボケ領域の情報量が多く、立体的な表現

後述しますが、ボケが綺麗だとコントラストやディテールの情報量が多いのです。

例えば、25PROは道を照らす木漏れ日をしっかり表現し、側壁の輪郭を自然に描写しています。

全景

拡大

絞り開放

アウトフォーカスのコントラストとディテール(近景+遠景)

インプレッション

近景(ピント面)描写の違いは大きくありませんが、後ボケの遠景に違いが発生。

ボケが固い50mm F1.8は後ボケにおける細部のコントラストが潰れてしまい”平面的な描写”となっています。仕上がり設定で元のコントラストが高いにも関わらず、コントラストの付き方は25PROが良好。

50mm STMはいわゆる「2線ボケ」の傾向があるようです。

メモ

ボケ量は同じだが、”綺麗なボケ”はコントラストやディテールを繊細に描写する

ちなみに、絞り開放の50mm STMの描写がコチラ。

25mm F1.2 PROの絞り開放よりボケ量は多いですが、荒ぶる描写で何が写っているのかサッパリ分かりません。

小絞り撮影時の差は僅か

一方で小絞りを使ったパンフォーカス撮影では描写の差が少ない。

若干、25PROのマイクロコントラストが強いかな?と感じるものの、仕上がり設定のコントラストや彩度の違いかも。OM-D E-M1 Mark IIが2000万画素、α7 IIIが2400万画素であることを考慮すると25PROがやや良好と言えそうです。

パンフォーカス撮影はどちらかと言えばレンズの解像性能やレンズコーティングによる色乗りで差が付きそうです。

メモ

小絞りのパンフォーカス撮影ではボケが綺麗なレンズの優位性は低い

全景

拡大

絞り開放

ポートレート(のようなシーン)

撮影目的が「被写体メインでシチュエーションは二の次」であれば、被写体が浮き出るような描写の50mm STMもアリ。ピント面と後ボケの分離が強いのでポートレートや心象風景などなら25PROよりハマる描写となるかもしれません。当たり外れは大きく、背景はしっかり吟味して撮影に臨みたいところ。

一方で25PROはシチュエーションも大事にしたい場合や”背景の状況に依るハズレ”が無い安定した描写が得意。

全景

*ピント距離がやや異なります。ボケ量の違いに注意

カメラバッグの場所に人が座っている感じで撮影。

拡大

絞り開放

フルサイズで”ボケが綺麗”なレンズ

今回はボケ量の小さいマイクロフォーサーズ用の高価な単焦点レンズとボケ量が大きいフルサイズ用の安価な単焦点レンズを比べました。

では、フルサイズ用で綺麗なボケ描写の単焦点レンズはどうなのか?

私がボケ描写でソニーFEレンズを買うとしたら「Planar T* FE 50mm F1.4 ZA」。各所の作例を見る限り、25mm F1.2 PROと遜色ない滑らかなボケ描写のレンズ(僅かに縁どりが硬いかも)。

価格は25mm F1.2 PROとそこまで変わらないので手が届かない値付けではありません。

問題はサイズと重量。

個人的に「取り回しが良いレンズ」から一線を越えているのです。また、レンズが大きいのでフォーカス速度が比較的遅い。

「FE50mm F2 ZA」なんてレンズがあれば使いやすそうなのですけどねえ…。

実際に使ったことがある組み合わせだと「Nikon D850」と「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」。

近接撮影時の滲みは25mm F1.2 PRO以上。ピント面まで滲むので、よく言えば柔らかく悪く言えば甘い描写。2~3mほど離れると滲みが少なくなり、無限遠側は開放からシャープ。

描写の癖も含めて好きなレンズですが、この価格帯のレンズとしてはプラスチック鏡筒だったり、繰り出し式フォーカシング(駆動は外筒内で完結)だったりと気になる部分も…。

25mm F1.2 PROよりボケが大きく滲みも強いレンズですが、口径食が強くF2まで絞らないと場合によって四隅の描写が荒れる点がネック。

似たような描写傾向のフジフイルム「XF35mmF1.4 R」(APS-C)もおススメ。小さくて軽量ながら「ミニNIKKOR 58G」のような描写、58Gほど滲みませんが…。

欠点はオートフォーカスが前時代的でレンズは繰り出し式。リニューアルする日を待ち焦がれつつ防湿庫で永眠中。

今回のおさらい

今回の検証で分かったこと

  • 防塵防滴仕様やオートフォーカス駆動に差があり
  • ”綺麗なボケ”は縁取りが滑らかで2線ボケにならない
  • ”滲むボケ”は小ボケ領域の情報量が多く”空間”を表現できる
  • ”滑らかなボケ”のレンズは背景ボケの立体感を生み出す
  • ”騒がしいボケ”はピント面を平面的に浮き立たせる場合に効果的
  • 被写界深度を揃えるとシャッタースピードはMFTが2段分高速
  • 安価なレンズはパープルフリンジが出やすい
  • 2~3段絞って使う or 小絞りなら安価なレンズのコスパが光る

「結局どちらが良いの?」と言うと…

特にこだわりが無ければEF50mm F1.8 STMで十分。騒がしくなりやすい背景のシチュエーションに気を付ければコストパフォーマンスは良好。そして絞れば解像性能も良好。

とは言え、オートフォーカスが遅く、F1.8のボケは場合によって荒ぶり、四隅の解像性能は絞らないと微妙だったりと欠点は多いです。

色々なレンズを使って「レンズの味」を体感すると、高価なレンズの描写にジワリジワリ物欲が高まる…みたいな。

初めから25mm F1.2 PROなど高価なレンズに突撃すると「何が良いのかサッパリわからない」と言う状況になりそうです。いや、むしろそっちのほうが経済的とも言えるかもしれません。

私は25mm F1.2 PROのようなボケ質じゃないと満足できない体質となってしまいました。

  1. 大きなボケが好き!…とりあえず安価なEF50mm F1.8 STMでOK!
  2. 兎に角携帯性重視M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.とかどうでしょう?
  3. 兎に角ボケ表現重視Planar T* FE 50mm F1.4 ZAEF50mm F1.2L USMAF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
  4. ボケ質重視だが機能・携帯性も大事M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
  5. マニュアル操作でも良いLoxia 2/50VoightLander NOKTON 25mm F0.95 Type IISPEEDMASTER 0.95/25mm MFT

ボケや携帯性に加えて、レンズ鏡筒の堅牢性や防塵防滴仕様にこだわるとM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROは貴重な選択肢であることが分かります。APS-Cやフルサイズ用レンズで同程度の被写界深度を備え、綺麗なボケと高機能なスペックを備えるレンズは少ないはず。

メモ

オリンパス F1.2 PROシリーズをフルサイズ用レンズに例えるとするならば「携帯性ソコソコでF2.4と比較的口径が小さいながら、ボケが綺麗で隅から隅まで安定した解像性能を持ち、防塵防滴+高速オートフォーカス対応し、シャッタースピードが2段速くなる(低感度を維持しやすい)レンズ

もし、フルサイズ用で上記に該当するレンズがあればぜひ試してみたいところ。

購入早見表

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