キヤノン「RF24-105mm F4L IS USM」、ニコン「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」、ソニー「FE 24-105mm F4 G OSS」の比較テスト第三弾。今回は焦点距離別の微ボケの質感をチェックしています。
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微ボケ比較テスト
綺麗なボケ・騒がしいボケとは?
ボケの評価は主観的となりがち。個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写を綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくないと感じる。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人がいてもおかしくない。
参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルを以下に示す。
描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によって変化し、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向がある。
特殊な方法として「アポダイゼーション光学素子」などを使って強制的に滑らかなボケ描写を実現しているレンズも存在する。
24mm
後ボケ
3本ともニュートラルな描写で前後に目立つボケ質の偏りは見られない。あえて言えばニコンとキヤノンは後ボケが少し滑らかで、前ボケが少し硬調である。と言っても全体的に見ると3本とも滑らかで綺麗だ。
前ボケ
ソニーは前ボケが少し滑らかで、後ボケに色収差が伴い0少し硬調に見える。どちらにせよ、驚くような差は見られない。
50mm
後ボケ
ソニーとキヤノンの後ボケは少し騒がしく見える。ボケが硬いというよりは非点収差が悪さをしているのかもしれない。後ボケが大きい=ピント位置が近いので、近接時の収差が変動で非点収差が目立つのか?
ここではニコンのみ安定感のある描写で、近距離解像性能の結果とよく似ている。
前ボケ
前ボケに顕著な差は見られないが、あえて言えばニコンの描写に安定感がある。
70mm
後ボケ
そう大きな違いはないが、ニコンの描写が綺麗に見える。キヤノンも柔らかい描写で捨てがたいが、少し芯が残る描写だ。それに色収差の影響も僅かに見られる。ソニーも同じような傾向で、さらに色収差の影響が僅かに残っている。
前ボケ
大きな違いはないが、敢えて言えばキヤノンが少し柔らかいボケに見える。
105mm
後ボケ
ここではキヤノンの後ボケが(色収差は少し伴うものの)柔らかい描写で、ソニーとニコンは同程度だが、ソニーは色収差の影響が少しある。
前ボケ
後ボケ寄りのキヤノンは前ボケが少し硬く見える。比較してソニーやニコンはニュートラルな描写だ。前ボケに関してはソニーの色収差が目立たない。
今回のまとめ
ポイント
- 全体的に安定感のある描写
- 望遠側の後ボケが良い感じ
- ズーム中間域が少し騒がしい
- ズーム中間域が少し騒がしい
最初に断っておくと、今回の比較で驚くような差は見られなかった。重箱の隅を楊枝でほじくるような見方をすれば、キヤノンRFレンズの105mmで得られる後ボケが好感触だ。全体的に卒なくこなしているのはニコンである。単焦点レンズのように綺麗なボケは期待できないが、敢えて言えばニコンの50mmが単焦点に最も近いように見える。とは言え、どのレンズにしても極端に騒がしいボケは見られず、実写では扱いやすいボケに仕上がると思う。
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