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キヤノン EOS R5を実際に使って感じた外観・操作性の良いところ・悪いところ

このページではキヤノン「EOS R5」を実際に使ってみて感じたカメラの外観・操作性で気が付いたポイントをレビューしています。各ボタンに登録できるカスタマイズ機能の数も掲載。

外観・操作性レビュー

Rシリーズでお馴染み、黒を基調としたシンプルなデザイン。個人的にごちゃごちゃしたビジュアルより好み。

ここ最近の傾向として、箱の中は段ボールによる仕切りが無く、一体型プラスチック製の容器で仕切られた状態となっています。これがコストダウンのためなのか、他に理由があるのかは不明。

どちらにせよ、段ボールの仕切りと比べるとカメラや小物の固定が甘い感じがします。特に小物は入れ方を覚えておかないと、再梱包したときにズレやすいので注意が必要。

付属品

  • EOS R5 本体
  • バッテリーチャージャー LC-E6
  • バッテリーパック LP-E6NH
  • IFCケーブル IFC-100Uプロテクター
  • IFCケーブル IFC-100U
  • ストラップ ER-EOSR5
  • 説明書
  • 保証書

EOS R5はUSB-PD対応製品によるボディ内充電・給電に対応しています。環境が整っているのであれば、充電器は箱から出す必要は無いでしょう。(バッテリーグリップや予備バッテリーを充電する場合には必要)

USBケーブルが付属しているものの、PD対応アダプターは付属していません。純正「USB充電アダプター PD-E1」を購入するか、他の手段を用意する必要があります。私の環境ではAnker製USB-PD対応アダプタで充電・給電を確認。

キヤノンユーザーならお馴染みですが、相変わらずホットシューカバーは付属していません。特に無くて困ることは無いのですが、カメラバッグに収納した際、稀にホットシューの角に紐やケーブルが引っかかってしまうことがあります。

デザイン

基本的なフォルムやデザインは初代「EOS R」を踏襲しています。実際、EOS Rと比べてボディサイズの寸法はミリ単位でしか差が無いはず。
ソニーα7シリーズやニコンZシリーズと異なり、ファインダー・軍艦部が丸みを帯びた形状。パッと見て「ああ、キヤノンだね」と分かるアイデンティティがどこからともなく醸し出されています。

ボディは高剛性と放熱に有利な、マグネシウム合金を採用。EOS Rと同じ頑丈な質感です。ポリカーボネイト素材を使ったEOS R6と比べると良くできていると感じるはず。

先鋭的なコントロールデザインだったEOS Rと比べると、少し角が取れて万人受けしやすいカメラとなっています。
背面右側の操作性は大きく変化していますが、それ以外のボタンレイアウトはEOS Rとほぼ同じ。

外観・コントロールレイアウト

前述したようにベースとなるデザインはEOS Rを踏襲していますが、全体的に精悍な体つきとなり、洗練されたコントロールレイアウトが機能美を醸し出しているように見えます。

細かい解説は後述、所々はEOS Rと同じボタン配置となっているものの、操作性は全く別物。EOS Rの操作性に慣れている人は一から覚えなおす必要があります。

サイズ・重量

ボディサイズが138×97.5×88mm、重量が738gと、ミラーレスカメラとしてはやや大きめのボディデザイン。ただし、一眼レフ「5D」と比べると軽く感じます。どのカメラから乗り換えるかでEOS R5の印象が変わるはず。

従来機「EOS R」と比べて劇的な差はありませんが、僅かに大きく、重くなっています。ボディ内手ぶれ補正や12コマ秒の高速メカシャッターに対応したと考えると許容できる重量増。

グリップ

EOS Rと比べて形状に大きな変化はありません。フルサイズミラーレスの中では大きなカメラグリップで握りやすいと感じます。

とは言え、一眼レフと比べるとグリップが少し小さく、特に大型一眼レフと比べると小指があまりがち。EOS RPのように、エクステンショングリップがあると良かったです。

EOS Rと異なる部分があるとすれば、フロントに赤外線受光部が備わっていること。これで「RC-6」のようなワイヤレスリモコンを使うことが出来ます。

グリップ表面のカバー素材が変化しているのか、少し摩擦が高まっているように感じます。握りやすい反面、EOS Rより劣化が早いそうな印象。長期間使ってみないと断言できませんが、第一印象はそんな感じ。個人的にはEOS Rで使っている素材が好みでした。(少しツルツルしていますが…)

絞りプレビュー

一眼レフでお馴染み、絞りプレビューボタンを搭載。もちろんボタンカスタマイズに対応しており、多用する機能を割り当てることが出来ます。
登録出来る機能は全部で50種類。レンズボタン・AEL・AF-ONボタンと共に、カメラで最も自由度の高いカスタマイズが可能です。自由度の低いボタンからカスタマイズして、他で補うことが出来ない機能があれなココに登録するのがおススメ。

R5のグリップが大きく、指が短い私は少し押し辛いのが悩みの種。

レリーズケーブル端子

5Dシリーズでお馴染みE3端子のレリーズケーブルに対応。側面のアクセサリポートから前面へ独立したことで防塵防滴性を確保しやすく、悪天候でも使いやすい仕様となっています。

CFexpress対応デュアルカードスロット

次世代メディアであるCFexpressに対応。SDカードと比べると書き込み速度が段違いで、4500万画素のRAWファイルも一瞬で書き込みが終了します。対応する高価なCFexpressカードが必要となりますが、連写が必要な人にとって、投資する価値は十分にあると感じました。

兎に角バッファクリアが早い。
20コマ秒でバッファが詰まるまでに100コマの撮影が可能。そしてバッファが詰まってから完全にクリアとなるまで10秒もかかりません。(ProGrade Gidital Cobalt 325GB・C-RAW使用)
RAWでも50枚ほど撮影でき、バッファクリアは数秒。これに慣れてしまうとSDカードには戻れません。

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カードスロットのドアには防塵防滴用のシーリングが施されています。(ボディ側)

マルチコントローラー

EOS Rで物議を醸し、困惑と批判が大半だったM-Fnバーが無くなりました。個人的にアレはアレで良かったと思いますが、45万円のカメラにジョイスティックではなく、アレを搭載していたらR5を買うことは無かったでしょう。

ジョイスティック搭載により、EOS Rで出来なかった「サーボAF中のAFエリア移動」に対応しています。ただし、サーボAF中はジョイスティック操作による連続移動が出来なくなっており、一度の操作で1ポジションしか移動できない仕様。つまり素早いエリア操作には対応していません。なぜこのような仕様となっているのかは不明。

ミラーレスでもジョイスティック搭載が主流となってきましたが、中でもEOS R5はかなり高い位置に配置されています。カメラをグリップすると、自然に親指を置く場所に配置されており、個人的には操作しやすいと感じます。人によっては場所が少し高すぎると感じるかもしれません。

いつも通り、初期設定では「ダイレクト操作(レバー操作で即移動)」がオフとなっているでボタンカスタマイズで設定を変更する必要があります。

背面ホイール

一眼レフでお馴染みの背面ホイールが導入されました。その代わり、EOS Rのような方向ボタンが無くなっています。私は方向ボタンを積極的にボタンカスタマイズで利用していので、操作性は大きく変化しました。幸いにも、絞りプレビューや拡大ボタンが追加され、SET・Qボタンが分離してSETボタンはカスタマイズ可能となっています。操作に慣れればボタン数に問題はありません。

ホイールには露出補正や露出設定のほか、AFモードやピクチャースタイル、ホワイトバランスなどを割り当てることが出来ます。私はAFエリアを割り当てて、顔追従とピンポイントを素早く切り替えられるようにしています。

背面操作

EOS Rから大きく変化しているポイント。正直に言って別物です。

前述したように背面ホイールの搭載で方向ボタンが無くなっています。方向ボタンの操作はジョイスティックを使うか、3つのコマンドダイヤルを使用。特にメニューシステムで方向ボタンが無くなったのが痛いと感じました。
ただし、3つのコマンドダイヤルを使う操作方法に慣れると、思いのほか快適。むしろ以前より素早くメニュー画面を行き来出来るようになりました。

さらにQボタンがSETボタンと分離し、新しく拡大ボタンが追加され、M-Fnバーの代わりにジョイスティック(マルチコントローラー)が追加。従来のAF-ONやAELボタンは場所がズレているので、やはり慣れが必要です。

ボタンカスタマイズはそれぞれ…
AF-ON:50種類
・AEL:50種類
・測距選択:49種類
・SET:35種類
と豊富な機能群から選択可能。SETボタンに登録できる機能数が少ないので先にSETボタンからカスタマイズすると整理しやすいと思います。

全体的に優れたエルゴノミクスデザインとなっており、馴染めば使いやすいボタンレイアウト。

電子ファインダー

EOS Rの369万ドットパネルから576万ドットのOLEDパネルに切り替わっています。解像度は上昇していますが、正直なところ大きく改善したとは感じていません。もちろん見やすいファインダーですが、特に大きな感動は無し。EOS Rと同じ光学系(0.76倍・アイポイント23mm)を採用しているのか、四隅を含めた見え具合はニコンZカメラの0.8倍ファインダーに及ばない感じ。

アイカップは従来通り底面でビス止めされています。誤って脱落することが無いものの、簡単な交換が出来ず、接眼レンズの手入れもしづらいです。対応する大型アイカップが存在しないのも残念。
パッと見た限り、他社で採用しているフッ素コーティングは施されていないように見えます。硬いものでこするとコーティングがはがれる可能性あり。

ファインダー下部にはアイセンサーがあり、ファインダー使用時は自動的にモニターからファインダーへ切り替わります。バリアングルモニタを側方へ展開中はアイセンサーが自動的にオフとなり、モニターが消灯する誤操作(ストラップや腕でアイセンサーを動作させてしまう)を予防できるようになっています。この点、EOS Rはアイセンサーがオフとならず、アイセンサーの誤動作でイライラした記憶があります。地味な改良点ですが、嬉しいポイント。

バリアングルモニタ

210万ドットでEOS Rから大きな変化がないポイント。特にこれと言って違いはありません。

右上部

カメラ右上のボタンレイアウトはEOS Rと同じ。特に大きな変化は無いはず。相変わらず、カメラを自然にグリップした状態で自然とシャッターボタンに指が掛かるのはGood。

LOCKボタン以外はボタンカスタマイズに対応しており、登録できる機能は以下の通り。
・シャッター:3種類
・M-Fnボタン:46種類
・REC:49種類
・MODE:44種類
・点灯:46種類
どのボタンも自由が高いので自身の撮影スタイルに合わせてボタンをカスタマイズできます。ただし、カメラをグリップした状態で点灯ボタンとMODEボタンは推し辛いので優先度は低め。

表示パネル

EOS Rから引き続きドットマトリクス表示パネルを搭載。様々な設定や機能、状態の表示に対応しており、一般的な液晶表示と比べて非常に便利と感じます。充電状態やセルフタイマー、録画時間の表示などにも対応しており、絞り・SS・ISO感度の操作も視覚的に誤操作なく実施できます。
マルチコントローラーを搭載したR5はバリアングルモニタを裏返しにしてもAFエリアを操作しやすく、表示パネルで重要な設定値は確認・操作が可能。個人的に「これぞミラーレス時代の表示パネル」と感じます。

左上部

カメラ背面左上に「RATE」ボタンが追加されていますが、正直なところ私は使っていません。ボタンカスタマイズにも対応していないので完全に要らないボタンとなっているのが残念。できればボタンカスタマイズに対応して欲しいところ。

音声メモ機能に対応しており、撮影した画像データに連動したメモを添付することが可能。例えば、EXIFを残せないMFレンズの絞り値をメモしたり、撮影地に関する備考を残せるのは便利だと思います。

電源スイッチはお馴染みのポジションですが、形状に少し変化があり、指にかかりやすくなっています。
MENUボタンの配置も相変わらずですが、ボタンカスタマイズで右手操作のボタンに配置することが可能。

アクセサリポート

マイク・ヘッドホン・HDMI・USB端子・シンクロの5端子を搭載。EOS Rからの変更点は「HDMI D(以前はC端子)」と新しく「シンクロ端子」を搭載。
EOS Rのリモコン端子「N3」は無くなり、カメラ前面に「E3」端子を搭載しています。レリーズケーブルの種類が変わるの注意が必要。ただし、変換アダプターもあるので要検討。

HDMI出力はEOS Rの「C端子」から何故かサイズダウンして「D端子」に変更されています。
Micro HDMI端子とも呼ばれているこの端子、壊れやすいのですよね。我が家ではオリンパス・富士フイルム・ソニー機でD端子を使用していますが、既に何回か買い替えています。
せめてC端子のままか、A端子を搭載して欲しかったところ。ボディサイズの問題でしょうか?
バリアングルモニタとも干渉しやく、モニタを展開した拍子にぽきっと壊してしまいそうで怖い。EOS R5の仕様も考慮すると基本は内部記録がメインと意図した設計なのかもしれませんね。

バッテリー

新型バッテリー「LP-E6NH」を使用しています。容量が増えたこのバッテリーを使用しても、ファインダーのリフレッシュレート120fps時はCIPA準拠で220枚、60fps駆動で320枚とのこと。実際に使ってみるとそこまでバッテリー消費が早いとは感じません。前述したように、起動が早いので小まめに電源を切るのもアリ。

ボタンカスタマイズ

  • シャッター:3種類
  • REC:49種類
  • MODE:44種類
  • AF-ON:50種類
  • AEL:50種類
  • 測距選択:49種類
  • 絞りプレビュー:50種類
  • レンズ:50種類
  • M-Fn:46種類
  • 点灯:46種類
  • SET:35種類

基本的に40種類以上の登録可能な機能を備えており、SETボタンのみ対応する機能がやや少なめ。

まとめ

ココがおすすめ

  • キヤノンRシリーズらしいフォルム
  • マグネシウム合金製のしっかりとした外装
  • 洗練されたコントロールレイアウト
  • ミラーレスとしては充実したグリップ
  • 絞りプレビューボタン
  • 多機能で実用的な表示パネル
  • CFexpress対応デュアルカードスロット
  • マルチコントローラー搭載
  • 背面ホイール搭載
  • 充実したボタン数とカスタマイズ機能
  • 高解像OLEDパネルを使用した電子ファインダー
  • アイセンサーがバリアングルモニタ展開で自動的にオフ
  • 音声メモ機能
  • シンクロ接点搭載
  • USB給電に対応

EOS Rの不満点を文字通り、しらみつぶしに解消したRFシステム第2世代。初代の奇抜なカメラデザインは鳴りを潜め、EOS一眼レフシステムに通じるエルゴノミクスを取り入れた安定のカメラデザインと言えるでしょう。

ユーザーからの要望が多かったと思われるデュアルカードスロット・次世代メディアへの対応、マルチコントローラー搭載、絞りプレビューボタン、USB給電機能など、全体的に評価できる改善点が多いです。

ココに注意

  • 箱の安っぽい仕切り
  • USB充電・給電用アダプターが別売り
  • EOS Rと操作性が大きく異なる
  • ミラーレスとしてはやや大きめ
  • サーボAF中にマルコンの動きが制限される
  • 方向ボタンが無い
  • アイカップは固定
  • Micro HDMI端子

改善点を考慮すると妥協できるポイントが多いです。とは言え、Micro HDMI端子やサーボ中のマルコンに関する動作は気になる人もいるはず。HDMI端子はどうしようも無いですが、ファームウェアアップデートで対応できるところは改善して欲しいですねえ。

参考情報

購入早見表

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EOS R6・ボディー
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