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シグマ100-400mm F5-6.3 DG DN OS 交換レンズ徹底レビュー

このページではシグマのミラーレス用交換レンズ「100-400mm F5-6.3 DG DN OS」のレビューを掲載しています。同クラスとしては軽量で扱いやすく、際立った性能では無いものの、ズームレンジ全域で安定した画質のレンズ。

更新情報・目次

  • 2020-08-27:まとめを追加しました。
  • 2020-08-12:玉ボケの作例を追加しました。
  • 2020-07-10:シグマ「100-400mm F5-6.3 DG DN OS」ソニーEマウント用が手元に到着しました。さっそくレビューページを作成、手初めに外観・操作性・AF・解像力チャート・遠景解像の項目を公開しました。

ここがポイント

ココがポイント

  • やや暗いが軽くて携帯性良好
  • ズームレンジ全域で一貫した解像性能
  • ミラーレス専用設計で一部収差は要補正
  • 一眼レフ版より良好な操作性・機能性
管理人
管理人

Artレンズほどキレッキレの光学性能では無いものの、扱いやすくバランスの取れたパフォーマンスに仕上がっています。

レンズのおさらい

レンズ概要

  • 2020-07-10 発売
  • 商品ページ
  • データベース
  • 管理人のFlickrアルバム
  • レンズ構成:16群22枚(完全新規設計)
  • 開放絞り:F5-6.3
  • 最小絞り:F22-29
  • 絞り羽根:9枚 円形絞り
  • 最短撮影距離:112cm(Wide)ー160cm(Tere)
  • 最大撮影倍率:1:4.1(400mm)
  • フィルター径:67mm
  • レンズサイズ:φ86.0mm × 199.2mm
  • 重量:1,140g
  • AF:ステッピングモーター駆動
  • Lマウントのみテレコンバージョンレンズ対応
  • 手ぶれ補正:約4段分
  • 三脚座対応
  • 簡易防塵防滴

シグマ製レンズとしては5本目となるフルサイズミラーレス対応レンズ。100-400mmをカバーする望遠ズームレンズであり、コンセプトは一眼レフ用レンズ「100-400mm F5-6.3 DG OS HSM」と同じく小口径で小型軽量、いわゆる「ライトバズーカ」仕様となっています。

競合する「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」の重量 約1,400gと比べて軽量で、携帯性に優れたレンズと言えるでしょう。ただしレンズ全長に大きな違いは無いので収納性のアドバンテージは高くありません。

レンズ光学系はミラーレス仕様の完全新規設計。従来はSLDレンズ4枚だった特殊レンズに加え、FLDレンズを1枚加えた16群22枚構成となっています。外装も進化しており、「(別売)三脚座対応」「フォーカスホールドボタン」に対応し、よりスタイリッシュなデザインへ変化。

ソニーEマウントのライセンス契約上の問題でソニーEマウント用のテレコンバージョンレンズが存在しない点には注意が必要。×1.4・×2.0テレコンを使いたい場合はライカLマウント版を利用する必要があります。

100-400mm F5-6.3 DG DN OS Sony E
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徹底レビュー

外観・操作性の確認

箱・付属品

外箱はシグマSGV(SIGMA Global Vision)シリーズらしいシンプルでスタイリッシュなモダンデザイン。100-400mm用の外箱としては比較的小さく、同梱品が最小限であることを窺い知ることが出来ます。

同梱品

  • フード LH770-05
  • 説明書
  • 保証書
  • 前後レンズキャップ

三脚座やレンズケースは付属していません。必要な場合は追加投資が必要と考えておきましょう。

外観

一眼レフ用「100-400mm F5-6.3 DG OS HSM」と比べるといくらか意匠に変化が見られます。どことなく漂っていた「安っぽさ」は雲散霧消し、一皮むけたスタイリッシュな外観。

レンズマウント付近の外装パーツは金属製となり、しっかりとした作り。おそらくマグネシウム合金製の三脚リングに耐えうる素材を選んだ結果なのでしょう。さらにくびれを帯びた形状となり、全体的にスレンダーな印象を受けます。(実際には鏡筒の太さに変化がありません)

三脚リング以降の鏡筒はエンジニアリングプラスチックなどの複合素材を使用していますが、全体的な質感はとても良好です。レンズはもちろん日本製。

ハンズオン

重量は1,140g。
100-400mmズームと考えると軽いレンズですが、絶対的に見るとやや重いレンズに違いありません。手持ち撮影で問題となることは無いものの、長時間の撮影ならばしっかりとしたストラップを装着して使用したいところ。

前玉・後玉

従来通り67mmフィルターを採用。400mmをカバーするズームレンズとしては非常に小さなフィルター径なので懐に優しい。特に67mmはタムロンDi IIIシリーズと共通しているので便利。

Contemporaryシリーズのためか、フッ素コーティング処理が施されていない(商品ページに記載が無い)ので、汚れが付着しそうなシーンではプロテクトフィルター推奨。

真鍮製のバヨネットマウント周囲には簡易防塵用のシーリングが施されています。他の可動部にシーリングが施されているかどうかは不明。マウントは4本のビスで固定されています。

後玉はテレコンバージョンレンズの互換性を確保するため、(ミラーレス用レンズとしては)バックフォーカスが長め。
鏡筒内部は反射防止のため、しっかりとマットブラックの塗装が施されています。

ズーム操作により後玉の位置は前後に移動します。当然、空気の移動があると思われ、レンズ内への塵や小ゴミが混入する可能性はあると思います。

フォーカスリング

プラスチック製のフォーカスリング。
一眼レフ用と比べると幅広いフォーカスリング(約25mm)となり、僅かな抵抗量で滑らかに動作します。
回転速度ではなく、回転量に応じたリニアなピント移動が可能。最短撮影距離から無限遠まではおよそ200度ほど操作が必要となり、高精度なMF操作に適している反面、素早いフルマニュアル操作には不向きと言えるでしょう。DMFで利用するのが良いかも。

ズームリング

フォーカスリングと異なり、こちらはゴム製リング。
60mm幅のズームリングはやや重めの抵抗量で滑らかに動作します。抵抗量はズームレンジ全域で一貫しており、特にこれと言った引っ掛かりは感じません。
広角端から望遠端までの回転量は約100度。問題なく操作可能ですが、純正レンズと比べて回転方向が逆となっているので違和感があるかもしれません。

広角端でレンズが最も短くなり、望遠端で最も長くなります。望遠端における伸長量は約80mm。携帯性の良いレンズですが、400mmのまま持ち歩くのはあまりおススメできません。

内筒はプラスチック製の1段式。望遠端まで伸ばしてもガタツキは一切なし。直進ズームのように内筒を掴んで引き延ばしたり短くしたりすることも出来ます。レンズフードが掴みやすい形状となっているので便利。

焦点距離によりF値の変動

  • 100mm~112mm:F5.0~F22
  • 113mm~237mm:F5.6~F25
  • 238mm~400mm:F6.3~F29

開放F値「F5.0」を維持しているのは広角端におけるわずかな領域のみ。基本的に「F5.6-6.3」のレンズと考えておいたほうが良いでしょう。

SGIMA SONY
F4.5 - 100-115mm
F5.0 100-112mm 116-161mm
F5.6 113-237mm 162-400mm
F6.3 238-400mm

広角端・望遠端はソニーGMと比べて1/3段暗いものの、中間域は同じF5.6となっています。どちらにせよ、高感度に強いソニーα7シリーズで大きな差とは感じないはず(よほど低照度・高スピードで撮影しない限り)。

レンズフード

プラスチック製円筒型レンズフード「LH770-05」が付属します。一眼レフ用レンズ「100-400mm F5-6.3 DG OS HSM」の「レンズフードLH770?-04」と似ていますが、型番が異なるので追加注文時に注意が必要。本当によく似たレンズフードですが、装着時の互換性が維持されているのか不明。素直に「05」を買うべき。
直進ズームに対応しているため、レンズフードに指をかけて引っ張りだしやすくなっています。

装着例

コンパクトなα7シリーズと相性の良い望遠ズームレンズ。マウント付近がくびれているので、グリップ周辺のクリアランスがしっかり確保されています。とても快適。

AF

爆速とは言えないものの、まずまず良好なフォーカス速度です。少なくとも激しく動く野生動物やスポーツ選手を撮影しようと思わない限り、快適に利用できるはず。
近距離から無限遠へ大きくピントが移動する際は「70-180mm F/2.8 Di III VXD」のようなデュアルフォーカス駆動と比べて違いが顕著となります(悪い意味で)。ピントが迷うと復帰が遅い可能性があるため、必要であればフォーカスリミッターを活用すると良いでしょう。

サードパーティ製レンズでよく見る「AF-SとAF-Cフォーカス速度差」はあまり見られず、どちらも高速フォーカスを利用可能。少なくともタムロンで発生しているAF-Sの精度不良(対応ファームウェアアップデートが用意されています)は見られません。

解像力チャートテスト

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:α7 III
  • 交換レンズ:100-400mm F5-6.3 DG DN OS
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • α7 IIIのRAWファイルを使用
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェックしています)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証しています。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性があります。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

100mm

正直に言うと、シグマに期待している解像性能としてはやや低め。全体的に安定したパフォーマンスですが、高周波成分をキッチリ解像させようと思うと、不満を感じるかもしれません。
とは言え、中央領域は絞り開放から「3000」を超える良好な性能を発揮し、周辺・四隅も良像と言える「2500」前後となっています。中央以外は絞ってもあまり改善しません。

中央 周辺部 四隅
F5.0 3076 2604 2424
F5.6 3508 2758 2572
F8 3547 2604 2148
F11 3508 3014 2373
F16 3265 2659 2758
F22 2613 2737 2525

画質的に見ると、「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD」と同程度のパフォーマンスであり、「70-180mm F/2.8 Di III VXD」と比べると周辺や四隅の画質がワンランク低下する印象。中央画質に限って言えば遜色ない結果です。

数値では分かりませんでしたが、実写を確認するとF16まで絞れば四隅まで安定していることが分かります。風景撮影であればしっかり絞るのがおススメ。

135mm

中央領域・周辺解像は100mmよりも良好。特にF5.6からF11までは快適に利用できると思います。このレンズにおけるピークの性能。
一方で四隅は伸び悩み、基本的に100mmと同じ傾向となります。全体的に絞っても大きな改善が見られない点も100mmと同じ。

中央 周辺部 四隅
F5.6 3467 2835 2323
F8 3573 2886 2323
F11 3520 2630 2474
F16 2960 2685 2747
F22 2768 2426 2447
F25 2505 2527 2525

やはり「70-180mm F/2.8 Di III VXD」と比べると周辺や四隅までの一貫性で見劣りします。「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD」と似た傾向なのは面白いですね。

やはりF11~F16まで絞ると四隅のコントラストが向上し、画質がワンランク向上しているように見えます。

200mm

135mmと比べるとパフォーマンスは低下しますが、全体的に悪く無い解像度を維持しています。絞り開放の周辺・四隅が甘いと感じる場合は1~2段絞るのがおススメ。

中央 周辺部 四隅
F5.6 3010 2267 2348
F8 3288 2773 2374
F11 3510 3040 2633
F16 2849 2832 2581
F22 2201 2507 2271
F25 2126 2347 2036

300mm

依然として中央画質はとても良好、周辺と四隅はやはり伸び悩むものの、広角側と比べて悪く無い性能。特に四隅まで安定したパフォーマンスを維持しているので、ディテールの解像感を追求しなければ風景撮影でも使いやすいと感じるはず。

中央 周辺部 四隅
F6.3 3605 2558 2452
F8 3167 2400 2322
F11 3057 2693 2732
F16 2455 2847 2452
F22 2454 1984 2297
F29 2317 1900 2092

FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」との差は一目瞭然。中央画質こそ僅差ではありますが、周辺・四隅の画質には大きな差があります。レンズのサイズ・価格差を考慮すると妥協すべきポイント。シグマも決して悪い画質ではありませんが、結果を追求するのであればSEL200600Gも一つの選択肢。

400mm

中央のパフォーマンスが低下するものの、まだ良好と言える画質を維持しています。10万円以下の400mmズームレンズとしては健闘しています。

中央 周辺部 四隅
F6.3 2939 3021 2453
F8 3225 3139 2763
F11 3054 2994 2477
F16 2825 2697 2707
F22 2623 2347 2140
F29 2197 2043 2010

300mmと同様。比較するのは酷だと思いますが参考までに。正直なところ、この画質差でもシグマの携帯性にはメリットがあると思うのです。(SEL200600Gはうんざりするほど重くて大きい)

中央

ズームレンジ全域で一貫したパフォーマンスを発揮。300?400mmで少し低下するものの、絞り開放から良像を期待できます。絞っても解像のピークは単焦点や高級ズームレンズほど高くありません。

周辺

中央と同じくズームレンジ全域で安定したパフォーマンスを発揮。広角側・望遠側で顕著な落ち込みが無いのはプラスと捉えるべきでしょう。

四隅

驚いたことにフレーム四隅でもパフォーマンスは安定しています。もちろん中央画質との差はありますが、良像と感じる「2500」前後は維持しています。2400万画素のα7 IIIであれば満足のいく画質となることでしょう。

遠景解像力

テスト環境

撮影環境

  • α7 III:2400万画素
  • Leofoto G4+Leofoto LS-365C
  • RAW
  • Lightroom Classic CC
  • シャープネス 0設定

100mm

解像力チャートのテスト結果と似ており、絞り開放からシャープな中央画質と比べると、周辺や四隅は少し甘く、コントラストも低め。絞っても劇的に改善することはありません。(少し良くなります)
ただし、ピントの芯はしっかりと判断できるほどにはシャープさが残っています。画像処理次第で四隅まで満足のいく結果を得ることが可能。

135mm

基本的に100mmと同じ。全体的に安定感のある画質ですが「細部までカリカリシャープ」と言うには物足りません。やはり画像処理次第で化けそうな印象。

200mm

中間域でも印象は広角側と同じ。解像力チャート通り、ズームレンジ全域で安定した画質と言うことが出来ます。
やはり絞っても大きな画質改善が無いので、基本的には絞り開放でもOK。

300mm

望遠側でも画質に変動はありません。際立った性能ではありませんが、この安定感は評価すべき特性。

400mm

四隅が少し苦しいかな?という気がしないでもないですが、やはり安定した解像性能です。小型軽量な100-400mmとしては大いにアリ。

撮影倍率

最短撮影距離は広角側で112cm、望遠側で160cm。当然ながら望遠端で最も撮影倍率が高くなります。この際の撮影倍率は約0.24倍となり、マクロレンズのようなクローズアップ性能を期待しなければ、まずまず良好と言ったところ。
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」は望遠端で0.35倍とさらに高い撮影倍率を備えています。クローズアップの撮影が多いのであれば要検討。

軸上色収差

100mm

絞り開放から特に大きな問題はありません。ただし完璧では無いので、極度にハイコントラストな領域で稀に色収差が目に付く場合があるかも。

135mm

100mmと同様。

200mm

広角側で僅かに残存していた色収差が解消しています。ハイコントラストな領域でも全く問題無いはず。

300mm

200mmと同じく良好な色収差補正です。

400mm

300mmと同じく良好な色収差補正です。

前後ボケ

基本的にニュートラルなボケで前後の描写に差はありません。あるとすれば完全に補正しきれていない軸上色収差による色づきが見られる程度。大きな問題は無いと言えるでしょう。

後ボケ 前ボケ
100mm
135mm
200mm
300mm
400mm

玉ボケ

僅かに縁取りがあるものの、綺麗な描写に見えます。非球面レンズは使っていないと思いますが、内側の描写にムラがあるのは何故か?周辺減光と同じく、ズーム両端の絞り開放で口径食の影響が少し強まる傾向あり。特に無限遠側にピント合わせた時に発生する前ボケは影響が目立つので気を付けたいところ。

Front Rear
100mm
135mm
200mm
300mm
400mm

歪曲収差

100mm

僅かな糸巻き型歪曲。補正しなくても大きな問題とは感じませんが、フレーム周辺部に直線が入る場合は補正をオンにしておくのがおススメ。

135mm

100mmと同じく僅かな糸巻き型。補正後は綺麗な直線となります。

200mm

100mm・135mmと比べると僅かに強めの糸巻き型歪曲。多少目立つ場合があると思うのでレンズ補正はオン推奨。

300mm

100?200mmと比べると強めの糸巻き型歪曲。一部ミラーレス用レンズの歪曲収差と比べると些細な影響ですが、直線的な被写体では明らかに影響が出る為補正必須。

400mm

300mmと比べるとやや弱めに見えますが、やはり補正は適用しておいたほうが良いでしょう。

周辺減光

ズームレンジ全域で絞り開放の四隅に減光の影響が見られます。減光は無限遠側で強くなり、中央から四隅にかけて徐々に減光。
どちらかと言えば望遠側で減光が強く、開放F値が「6.3」という点も考慮すると低照度のおける光量確保は思いのほか厳しい。

100mm

135mm

200mm

300mm

400mm

コマ収差

広角側100?135mmでは特に問題ありませんが、200mm?400mmで四隅のコマ収差が目立つようになります。

100mm

135mm

200mm

300mm

400mm

逆光耐性・光条

Coming soon

総評

ココがおすすめ

  • 良好なビルドクオリティ
  • このクラスとしては軽量
  • 別売り三脚座対応
  • 直進ズーム操作対応デザイン
  • テレコンバージョンレンズ対応
  • リニア操作のマニュアルフォーカスリング
  • 完璧な機能群(AF/MF・AFL・リミッター・OS mode)
  • まずまず良好なフォーカス速度
  • ズームレンジ全域で一貫した解像性能
  • 広角側のコマ収差補正

一眼レフ版と比べて少し高価なレンズとなりましたが、ビルドクオリティや機能性が向上しているので理解できる値上がり幅かなと感じます。ズームレンジ全域で一貫した解像性能を発揮し、望遠側で顕著な画質低下は見られません。際立った性能とは言えないものの、特に中央領域で安定したパフォーマンスはGood。

ココがダメ

  • 純正と比べてズーム両端の開放F値が1/3段暗い
  • ピント移動量が多いとフォーカス速度がやや遅い
  • 四隅の解像性能が伸び悩む
  • 広角側の接写性能
  • 軸上色収差が広角側で目に付く
    (大きな問題とはならない)
  • 望遠側・無限遠側で口径食が強い
  • 望遠側の糸巻き型歪曲
  • 望遠側のコマ収差補正
  • 逆光耐性

光学系はミラーレス向けに完全新規設計となっており、歪曲収差や周辺減光は補正前提となっているので注意が必要。レンズプロファイルで補正可能ですが、玉ボケの口径食までは修正できません。もちろん、減光を補正することでノイズが増加する可能性もあります。
さらに四隅の解像性能は全体的に伸び悩み、近距離・遠距離に関わらず風景撮影で使うにはイマイチ。決して悪い性能では無いものの、キレを求めるとあと一歩及ばず。この辺りはArtシリーズとの差でしょうか。

管理人
管理人
満足度は85点。

光学性能・レンズの作り・操作性・機能性がバランス良くまとまっており、価格も手ごろ。四隅の画質やAF性能を追求するならば純正GMも要検討ですが、妥協できるのであれば満足の高いレンズとなるはず。

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作例

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