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ソニー α7 IV 徹底レビューVol.5 連続撮影・ドライブ編

ソニー「α7 IV」のレビュー第五弾を公開。今回は連続撮影時の連写速度やバッファの確認、ドライブモードのチェックや電子シャッター時のローリングシャッター歪みなどをテストしています。

α7 IV レビュー一覧

連写・ドライブ

シャッター方式

α7 IVは撮影メニューの「シャッター/サイレント」タブにある「シャッター方式」からシャッターの種類を選ぶことが可能。厄介なことに「電子先幕シャッター」の有無は設定項目が別枠で設けられている。電子シャッターからメカニカルシャッター(電子先幕)に切り替える場合は2段階の操作が必要となる可能性あり。他社のように「メカニカル・電子先幕・電子」でまとめてしまったほうがスマートだと思う。

サイレントモード

メカニカルシャッターから電子シャッターを使うもう一つの操作がある。それは同じタブに存在する「サイレントモード」だ。サイレントモードは適用時に各種機能を個別にオンオフすることが出来る。調整できるのは「AF時の絞り駆動」「電源OFF時のシャッター」「オートピクセルマッピング」の3種類。

特にこだわりが無い場合は「シャッター方式」「サイレントモード」どちらを使用しても問題無いと思う。ただし、初期設定でサイレントモード使用時は「電源オフ時のシャッター」「ピクセルマッピング」がオフになっている。これを切り替えておかないとサイレントモードでシャッター幕によるセンサー保護機能が有効とならないので気を付けたいところ。

アンチフリッカー

フリッカーとはなんぞや?というのはソニーがα9 IIのサポートページで解説しているので要チェック。
人工灯などでフリッカーを低減するための機能を搭載。これも「シャッター/サイレント」タブにフリッカーレス設定を呼び出す項目がある。フリッカーレス撮影はα1と異なり電子シャッター時は有効とならないので気を付けよう。

さらに、従来機には無かった「高分解シャッター」にも対応している。これは従来よりもシャッタースピードを細かく調整することでフリッカーを回避できる機能だ。自分自身でシャッタースピードの最適地を見つける必要があるものの、従来機では全く対応できなかったので、あるだけ便利な機能である。通常のフリッカーレス撮影はメカニカルシャッター限定(α1は電子シャッターでも可能)だが、高分解フリッカーレス撮影は仕組みが異なるので電子シャッターでも利用することが可能だ。

ドライブモード

ドライブモードは「1枚撮影」の他に「連続撮影Hi+・Hi・Mid・Lo」「セルフタイマー」「セルフタイマー(連続)」「連続ブラケット」「1枚ブラケット」「WBブラケット」「DROブラケット」で構成している。連続ブラケットはシャッターボタン全押しで連写撮影、1枚ブラケットは1枚撮影と同じように必要ぶんのシャッターボタンを押す必要がある。このあたりは従来機通りだ。インターフェースにも大きな改善点は見られない。

従来機と異なる点として、メニュー画面の「ドライブモード」タブからインターバル撮影機能を呼び出すことが可能だ。撮影開始までの時間や撮影間隔、回数、AE追従、シャッター方式、撮影間隔優先を調整することができる。メニュー下部に撮影に必要な時間が表示されるのは便利と感じる。

連続撮影の仕様の確認

まずは公式のスペックシートを確認しよう。

連写速度

  • 連写 Hi+:最高10コマ秒
  • 連写 Hi:最高8コマ秒
  • 連写 Mid:最高6コマ秒
  • 連写 Lo:最高3コマ秒

連続撮影枚数

  • JPEG L ExFine:1000枚以上
  • JPEG L Fine:1000枚以上
  • JPEG L STD:1000枚以上
  • RAW:1000枚以上
  • RAW+JPEG:1000枚以上
  • ロスレス圧縮RAW:1000枚以上
  • ロスレス圧縮RAW+JPEG:1000枚以上
  • 非圧縮RAW:1000枚以上
  • 非圧縮RAW+JPEG:828枚以上

これを見る限り、最高連続撮影速度はα7 IIIと同等で、連続撮影枚数は飛躍的に向上しているように見える。ただし、これには注意点がいくつかある。

SONY:ILCE-7M4:特長 : 進化したオートフォーカスとAF・AE追随高速撮影性能

新画像処理エンジン BIONZ XRの高い処理性能とバッファメモリーの高容量化、メモリーカードへの書き込み速度の向上により、非圧縮RAW+JPEG撮影時(*1)で約828枚、圧縮RAW+JPEG撮影時(*1)などのそれ以外の設定時では、1000枚以上(*2)撮影可能になるなど、撮影を妨げない圧倒的な連写持続性能を誇ります(*3)。新システムの高速処理性能により、連続撮影後のメモリーカードへの書き込み中でも、Fnメニュー上から撮影設定の変更が可能。さらに、メニュー画面と設定変更、再生画面へのアクセスにも対応(*4)しています。

*1 CFexpress Type Aメモリーカードが必要です
*2 メモリーカードの容量によって異なります
*3 非圧縮RAW/ロスレス圧縮RAWが選ばれている時は、連写速度が遅くなります
*4 データ書込み中にメニュー画面から変更可能な設定項目には制限があります

まず第一に高価なCFexpress Type Aカードが必要となる。スペックシートの結果はCFexpress Aカードの結果であり、SD UHS-IIの場合は結果が異なる。ただし安心して欲しい、SD UHS-IIでもまずまず良好な結果を得ることが可能だ。(検証結果は以下に掲載)

さらに10コマ秒に対応しているのは「圧縮RAW」のみであり、「ロスレス圧縮RAW」「非圧縮RAW」の場合は連写速度が低下する。公式で言及していないが、海外の情報サイトでは6コマ秒まで低下するそうだ。当ブログでのテストでも6コマ秒になるのを確認している。つまりスペックシート上の「非圧縮RAW:1000枚」は6コマ秒を使用した際の枚数である可能性が高い。「圧縮RAW:1000枚」が10コマ秒の場合なのかどうか記載はないが、おそらく10コマ秒で間違いない。(検証結果は以下に掲載)

非圧縮RAWでも10コマ秒連写が可能なα7 IIIと比べてパフォーマンスが大きく低下する点には注意が必要である。とは言え、RAW現像時にシャドウを大きく持ち上げるような編集作業を必要としないのであれば圧縮RAWでも気にする必要は無い。要はダイナミックレンジが少し狭くなるだけである。
圧縮RAWで問題なければ、10コマ秒の高速連写とカード容量が一杯なるまで撮影することができるバッファ深度を備えている。
3300万画素のフルサイズセンサーで10コマ秒をほぼ無限に連写可能。一昔前の一眼カメラならば夢のような世界である。もちろん、2021年現在はα7 IV以上の連写性能を備えたカメラがそれなりに存在する。

バッファ・バッファクリアテスト

いつも通り、ストップウォッチを使用して「Hi+」を5秒・10秒・15秒間で連写し続け、撮影できた結果をカウントする。CFexpress Type AカードとSD UHS-IIカードを使用した結果は以下の通りだ。

CFexpress Type A

ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 160GBを使用

5秒 10秒 15秒
圧縮RAW 51 101 150
ロスレス圧縮RAW 30 60 91
非圧縮RAW 29 61 90

CFexpressカード使用時はおよそスペックシート通りの性能だ。ロスレスRAW・非圧縮RAW時は連写速度が6コマ秒となり、バッファが詰まることなく枚数制限なしで連続撮影が可能だ。連続撮影を止めた後、数秒もせずにバッファは全てクリアされる。CFexpress側は書き込み速度にかなり余裕があるように見えるので、6コマ秒の速度低下はカメラ側の問題だと思われる。

圧縮RAW時は間違いなく10コマ秒の連続撮影速度となり、15秒の連写でも速度が低下する傾向は見られない。試しにスペックシートの「RAW:1000枚」=「100秒」の長時間連写を試みた所、正確に1000枚を撮影することが出来た。全く問題のない連写性能だと思うが、これで非圧縮RAW・ロスレスRAWで10コマ秒の連写ができるとなお良かった。

SD UHS-II

SONY SD UHS-II Tough G-Series 32GBを使用

5秒 10秒 15秒
圧縮RAW 52 92 129
ロスレス圧縮RAW 30 62 90
非圧縮RAW 29 48 67

それじゃあ書き込み速度が遥かに遅いSD UHS-IIではどうか?結果は思っていたよりも良好で、10コマ秒の圧縮RAWだと連続70~80枚くらいならバッファが詰まることなく連写が可能だ。それ以降も秒間8コマ程度で連続撮影が可能である。

ロスレス圧縮RAWの場合はCFexpress Type Aカードと遜色ない連写が可能だ(もちろん6コマ秒だが)。バッファが詰まる様子は少なくとも15秒までは見られない。非圧縮RAWの場合は5秒を超えた付近で詰まりはじめ、10秒、15秒でロスレス圧縮RAWと取れ高に差が出始める。画質に大差ないので、SD UHS-IIカードを使う場合はロスレス圧縮RAWを積極的に使うと良いだろう。

以上の結果から、よほど連写を重視しない限りではCFexpress Type Aカードは必要ないと思われる。もちろんバッファクリア中に一部のメニュー画面にアクセスできなくなるので、快適さを追求するならCFexpressカードを使う意義はあると思う。(SD UHS-IIカードの場合はバッファクリアに数秒以上かかる)

オートISO低速限界

メニュー画面の露出項目にあるISOオート機能の一つに「低速限界」がある。これは絞り優先AEモードなどで自動制御のシャッタースピードが指定したシャッタースピードを下回る場合、ISO感度を上げてシャッタースピードが下がり過ぎないように自動調整する機能だ。例えば絞りを維持したまま露出が変化しやすい環境(暗くなったり、明るくなったり)で役に立つ。

指定するシャッタースピードは1/8000秒から1段ごとに調整でき、レンズの焦点距離に応じて(1/焦点距離 秒)自動的に低速限界を調整する場合は5段階(前後1~2段)で設定することも可能だ。
この機能はボタンカスタマイズで割り当てた好きなボタンで呼び出すことが出来る。

ローリングシャッター

「ローリングシャッター」とは電子シャッター使用時にセンサーが撮像する方式を指す。センサー全体を一度に露光出来るのが理想的だが、現在多くのデジタルカメラはイメージセンサーの上から下まで段階的に読み出す方式「ローリングシャッター」を使用している。言葉で説明しても難しいので、以下の動画で分かりやすく解説されている。

現在、コンシューマー向けのデジタルカメラでローリングシャッター方式を採用していないモデルは非常に少ない。海外企業が「PIXII(最新機種は非グローバルシャッター)」のようなカメラでグローバルシャッターを採用しているものの、国産ミラーレスでこの方式を採用しているカメラは存在しない。(キヤノンの業務用向けカムコーダーくらい)
実際にα7 IVの電子シャッターを使って扇風機を撮影したのが以下の画像だ。

ご覧のように扇風機の羽根が不自然な描写となってしまう。ローリングシャッター方式では、このように高速移動する被写体を撮影する際に問題が発生する。「カメラで扇風機など撮らない」という人もいると思うが、例えばレーシングカーで高速回転するホイール、飛行機やヘリコプターのプロペラ、鉄道のパンニング撮影など、ローリングシャッターが影響するシチュエーションは数多い。もちろん高速移動する被写体がフレーム上に小さく写るほど、この問題は小さくなる。しかし、フレーム一杯に被写体を撮影する場合は注意が必要だ。では他のカメラではどのような影響があるのか?と言うのは以下の通り。

ローリングシャッターの影響度はα7 IIIやα7Cで使用している2400万画素センサーと比べて大差は見られない。高画素化しているぶん、改善していると見るべきか、進歩がないと見るべきかは人によると思う。2016年に登場した3000万画素センサーを搭載する「EOS R」と同程度と考えると、あまり改善していないと言えるかもしれない。

どちらにせよ、被写体によってはローリングシャッターの影響が大きいことは確かだ。個人的な経験則として、EOS R5やE-M1Xくらいまでローリングシャッターが速くなると使えるジャンルは増えると思う。理想を言えば積層型CMOSセンサーだが、スタンダードモデルに積層型CMOSセンサーを搭載するのはまだ先のように見える。

蛍光灯でフリッカーを確認

電子シャッター利用時に蛍光灯下で高速シャッターを使うと以下のような影響がある。

蛍光灯は1秒間に120回点滅(西日本)を繰り返しており、カメラの電子シャッターによる読み出し速度は蛍光灯一回の点滅と比べると遥かに遅い。このため、蛍光灯の点滅が撮像時に写りこんでしまう。毎秒120回の点滅し、撮像時に8回の点滅がフレームに写りこんでいる。単純計算で66msか?100msのα7R IVと比べると速いが、16msのEOS R5と比べると遥かに遅い。

ちなみに、α7 IVは圧縮RAW時にダイナミックレンジが狭くなるものの、ローリングシャッターの速度に変化は見られない。

今回のまとめ

圧縮RAW限定ではあるものの、10コマ秒の速度で1000枚以上の3300万画素RAWを連続撮影できるのは魅力的だ。6コマ秒で問題なければ目詰まりすることなくロスレスRAWや非圧縮RAWで連写することもできる。SD UHS-IIカードを使っても10コマ秒で70~80枚までは快適に連写が可能である。

連写にこだわらなければ、遥かに手ごろな価格のSD UHS-IIカードでも十分満足のいく連写性能を得ることができる。バッファクリアが少し長くなるが、それでも不満と言うほどではない。今回はSONY Tough SD UHS-IIを使用したが、KingstonやTranscendなど安めのSD UHS-IIカードでも十分なパフォーマンスを発揮できると思う。(他のカメラで撮り比べた経験あり)

残念だったのはローリングシャッターの幕速。新型3300万画素センサーとしては期待外れで、α7 IIIやα7Cと比べて全く改善が見られない。当然ながら、ローリングシャッター歪みで影響が出てしまう被写体が多く、動画でも影響はあるだろう。電子シャッターを有効利用できるシーンは限られてくる。
電子シャッターをフル活用したいのであれば積層型CMOSセンサーを搭載したα1やα9 IIを導入する必要がある。しかし、キヤノンやニコンは下位機種でもダイナミックレンジを狭くすることで読み出し速度の改善が可能(キヤノンは自動的・ニコンは12bit RAWへ切り替える必要あり)。少なくともα7 IVよりは良好であり、ローリングシャッターの影響を受けにくい被写体が多い。

個人的に少し気になったのはシャッター方式の切替方法。ソニーは電子先幕シャッターとメカニカルシャッターを自動で切り替える手段がない。このためメニュー画面で操作するか、ボタンカスタマイズやファンクションメニューに登録する必要がある。コントロールのレスポンスが良くなったとはいえ面倒な操作だ。他社と同様にメカニカルシャッター・電子先幕シャッター・電子シャッターを一括で切り替えることが出来るようになったら良いのにと思う。とは言え、ソニーα7シリーズはメカニカルシャッターと電子先幕シャッターでレスポンスが異なる(メカニカルシャッターは遅い)ので、電子先幕シャッターはオンが基本なのだろう。

購入早見表

ILCE-7M4
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作例

カメラのおさらい

カメラの特徴

  • 商品ページ/仕様表
  • データベース
  • 管理人のFlickrアルバム
  • 発売日:2021-12-17
  • 売り出し価格:296,010円
  • イメージセンサー:
    ー有効画素数:約3270万画素
    ーローパスフィルタ:あり?
    ー裏面照射型:対応
    ー手ぶれ補正:5.5段分
  • プロセッサ:BIONZ XR
  • AF:
    ーAF方式:ハイブリッド
    ー測距点:759点
    ーカバーエリア:約94%
    ー検出機能:瞳AF(人間・動物・鳥)
  • 動画:
    ー4K:~60p(Super35mm)
    ーFull HD:~120p
  • ファインダー:0.5型 369万ドット OLEDパネル
  • モニター:3.0型 104万ドット バリアングルモニタ
  • 通信機能:2.4/5GHz Wi-Fi・Bluetooth 4.1 LE
  • 対応メディア:CFexpress A・SD UHS-II
  • バッテリー:NP-FZ100
  • サイズ:131.3×96.4×79.8mm
  • 重量:658g

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