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ソニー α7 IV 徹底レビューVol.7 カスタマイズ編

ソニー「α7 IV」のレビュー第八弾を公開。今回はBIONZ XR世代で新しくなったメニューシステムのカスタマイズ機能についてレビューしています。

α7 IV レビュー一覧

カスタマイズ

ボタンカスタマイズ

カスタマイズ設定ページのレイアウトに変更があり、従来は左右にページ移動する形式だったが、このカメラでは上下に図付きのタブが配置され、よりナビゲートしやすくなっている。

α7 IVでは12カ所のボタンカスタマイズに対応し、どのボタンも幅広い選択肢から機能を割り当てることが可能。BIONZ X世代のカメラ(α7 IIIなど)はRECボタンがカスタマイズ不可だったが、α7 IVはカスタム可能だ。前モデルと比べてカスタマイズの自由度が高まっている。

ボタンカスタマイズで登録可能な機能の一覧

参考としてAELボタンにおけるカスタマイズの一覧を掲載する。基本的に従来通りだが、「高分解シャッター」や「押す間トラッキング」「押す間顔/瞳優先OFF」「マイダイヤル」などの新機能が追加。BIONZ X世代の最新モデルと比べて、特に顔/瞳検出に関する設定項目が多く増えている。また、「ズーム」機能が細分化されて便利になっていたり、「押す間設定呼出」などはレスポンスが良くなっているので使いやすい。

大きく改善したと感じるのはカスタマイズ中のメニューレイアウト。BIONZ X世代は30ページ近いカスタマイズ項目をいちいち探す必要があったが、このカメラでは通常のメニューシステムのように第一層→第二層→第三層とナビゲートすることが可能だ。これだけでカスタマイズのしやすさが大幅に改善している。

ダイヤルカスタマイズ

BIONZ X世代は背面ホイールのカスタマイズに対応していたが、前後のコマンドダイヤルは「マイダイヤル機能」に対応するまでカスタマイズすることは出来なかった。当然、α7 IIIでは前後のダイヤルはカスタマイズ不可である。

それがα7 IVでは飛躍的に改善している。マイダイヤルに登録することなく、通常時のダイヤルカスタマイズに対応。さらに露出補正ボタンがコントロールダイヤルへと変化し、計4カ所のダイヤル・ホイールをカスタマイズすることが出来る。非常に自由度の高い操作が可能となった。
また、P/A/Sモード時とMモード時のダイヤル操作を分けることができるのもGood。分かってらっしゃる。(上の写真では前後のダイヤルがどちらも「Tv」で動作するようになっているが、片方を「Av」に割り当てることも可能)

ダイヤルカスタマイズで登録可能な機能の一覧

ボタンカスタマイズと比べると登録できる機能は少なく、BIONZ X世代と比べて追加された機能は「フォーカスエリア」と「シャッタースピード(ステップ)」のみ。

「シャッタースピード(ステップ)」は高分解アンチフリッカー機能で使う特殊な機能だが、「フォーカスエリア」が追加されたのは個人的に大きいと感じている。ボタン操作の必要が無く、状況に応じてシームレスにフォーカスエリアを切り替えることができるのは便利。

マイダイヤル

ボタンカスタマイズで「マイダイヤル」機能を登録することで各ダイヤルの役割を指定した機能に変更することができる。通常時に加えて3種類のマイダイヤルを登録可能だ。登録できる機能は通常のダイヤルカスタマイズとほぼ同じ。

通常時でも4カ所にダイヤルを登録できるのでマイダイヤルの必要性は低下していると思う。とは言え、活用することで登録できる機能が12種類も増やすことが出来るのは便利だ。ダイヤルに登録できる機能がもう少し増えると嬉しい。個人的には活用していないレンズのFnボタンにマイダイヤルの呼び出しを登録している。

ファンクションメニューカスタマイズ

従来通り静止画・動画でそれぞれ10枠のFnメニューをカスタマイズ可能。登録できる機能が多いので10枠が少なく感じてしまう。基本的にBIONZ X世代と同じ感覚で登録できるが、やはり登録時のメニュー画面が見やすいので目的の機能までナビゲートしやすいのがGood。

静止画/動画独立設定

α7 IVは静止画と動画の切替レバーを搭載しており、切り替える際にカメラの設定を引き継ぐかどうか、パラメータごとに選択が可能となっている。例えば静止画と動画で振れ幅の大きいシャッタースピードのみ引き継がない設定にしたり、動画のみピクチャープロファイルを適用したい時に設定を変更しておくと便利。フォーカスエリアの分離設定も可能だ。

モニター・ファインダー表示設定

以前は撮影メニューの「表示/オートレビュー」にあった「DISP」機能がセットアップメニューへ移動している。ほぼ従来通りで、水準器とヒストグラムを同時に表示することはできない。ただし、「情報表示なし」の場合に露出表示をタイムアウトする機能が追加されている。(BIONZ X世代では露出表示を消すことが出来ない)

モニターの明るさ・ファインダーの明るさと色温度

従来通りモニターは輝度を、ファインダーは輝度と色温度の変更が可能。ニコンZカメラのようにモニター・ファインダーをそれぞれカラーカスタイズすることは出来ない。α7 IIIはそれでモニターの色被りに悩まされたものの、α7 IVのモニタは特に問題なく、カラーカスタマイズの必要性は低いように見える。もちろん、カスタマイズできたほうが便利ではある。

アンチダスト機能

セットアップメニューにセンサークリーニングに関する項目あり。従来通り除塵機能はセンサーシフト式で、超音波式の除塵ユニットは搭載していない。電源オン・オフ時の自動センサークリーニング機能も無いので、気になる場合は定期的に手動操作が必要だ。個人的な見解として、30万円に近いカメラで自動的に除塵することができないミラーレスカメラは残念に感じる。結果的に、購入後1週間程度で目に見える小ゴミを見ることとなった。実に惜しいポイント。

ちなみにメカニカルシャッターによる電源OFF時のセンサー面保護が可能となっている。とは言え、カメラ使用時は常時開いているわけで、空気の流入流出が多いズームレンズと組み合わせると無力に近い。

まとめ

カスタマイズできるボタンとダイヤルが一つずつ増え、割り当てる機能も増えており、従来機と比べてカスタマイズの自由度が高まっている点は大いに評価したい。さらに、割り当てる機能を探しやすくなっているのも地味に効いていると感じる。

もともとカスタマイズの自由度が高かったソニーαだが、さらに他社との差が広がったように感じる。ボタンによるカスタマイズの制限がほとんどなく、加えて4つのダイヤルは自由に機能を移動・変更することができる。敢えて言えばダイヤルに割り当てることが出来る機能がもう少し多いと良かったが、それは今後の改善に期待したい。

また、呼出系機能のレスポンスが大幅に改善しているので、積極的に活用したいところ。カメラ前面にFnボタンがあると使いやすかったのだが、残念ながら存在しないので、レンズFnボタンに割り当てて使用している。最近はサードパーティ製レンズでもFnボタンを搭載するモデルが増えている。活用する機会は多いだろう。

全体的に見て、このクラスとしてはカスタマイズ性に優れ、自分好みの操作性に仕上げやすいカメラだ。他社のカメラと比較して操作性が抜群とは言えないが、カスタマイズ次第で自身の撮影スタイルに合わせた直感的な操作性を期待できる。

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作例

カメラのおさらい

カメラの特徴

  • 商品ページ/仕様表
  • データベース
  • 管理人のFlickrアルバム
  • 発売日:2021-12-17
  • 売り出し価格:296,010円
  • イメージセンサー:
    ー有効画素数:約3270万画素
    ーローパスフィルタ:あり?
    ー裏面照射型:対応
    ー手ぶれ補正:5.5段分
  • プロセッサ:BIONZ XR
  • AF:
    ーAF方式:ハイブリッド
    ー測距点:759点
    ーカバーエリア:約94%
    ー検出機能:瞳AF(人間・動物・鳥)
  • 動画:
    ー4K:~60p(Super35mm)
    ーFull HD:~120p
  • ファインダー:0.5型 369万ドット OLEDパネル
  • モニター:3.0型 104万ドット バリアングルモニタ
  • 通信機能:2.4/5GHz Wi-Fi・Bluetooth 4.1 LE
  • 対応メディア:CFexpress A・SD UHS-II
  • バッテリー:NP-FZ100
  • サイズ:131.3×96.4×79.8mm
  • 重量:658g

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