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ソニー α7 IV 徹底レビューVol.7 新メニューシステム編

ソニー「α7 IV」のレビュー第七弾を公開。今回はBIONZ XR世代で新しくなったメニューシステムについてチェックしています。

α7 IV レビュー一覧

メニューシステム

動画で確認

メニューのレイアウト・デザインは旧メニューから大幅に変化しているが、一つ一つの機能は従来通りであることも多い(改善している項目もある)。さらに、第二層や第三層から見えない第四層での操作が必要となる場合もあり、素早く設定変更したい場合はマイメニューへの登録が必須と感じる。新メニューの実装に合わせて、各項目(主に第三層・第四層)の抜本的な改善・統合が見られないのは残念だ。とは言え、従来ユーザーに馴染みやすい改善であるのも確か。

撮影メニュー

第二層で10ページ、第三層は全部で46項目ある。
カテゴリ別に分類されてナビゲートしやすくなったが、まだまだ第三層の項目数が多すぎると感じる。第三層の機能群を見ると分かるように、基本的に旧メニュー(BIONZ X世代)の役割や機能を引き継いでいる。例えば「シャッター方式」と「電子先幕シャッター」は統合して一つにまとめてしまえば良いと思う。

もちろん項目によっては改善が見られる。例えば「画質/画像サイズ設定」は従来の「ファイル形式」「RAW記録方式」「JPEG画質」「JPEGサイズ」が一つに統合されている。一度に複数の設定の項目を調整できるので、作業の効率化に繋がるし、マイメニューに登録する場合は省スペース化にもなる。さらに、この設定項目から「記録メディア設定」へ移行することも可能だ。移行先から画質設定に戻るためのボタンも用意されている。これは他社でもあまり見られない便利な機能だと思う。これは歓迎できる改善点であり、他の諸機能でもこのような取り組みを見てみたい。

記録メディア設定は従来からある機能だが、デザインが一新され、スロットごとの画質設定を確認可能だ。

他の問題点を挙げると、第二層の「画質」カテゴリのように、第二層から第三層の項目が全て見えない場合がある。この場合、隠れた項目を確認するには第三層から、さらに下へスライドさせる必要がある。階層化しているにも関わらず、このひと手間はいただけない。これなら第二層のページ数を増やしたほうが良いと思うし、時間短縮にも繋がる。

露出/色メニュー

第二層で7ページ、第三層に25項目の機能がある。
撮影メニューの「画質」のように第三層が1ページから溢れるほどの項目が無く、比較的見やすい。敢えて言えば、第二層の「露出」は「ISO」に変えたほうが分かりやすい。もともとISO機能が「露出」カテゴリの一部だったので、このようなネーミングとなるのは理解できる。しかし、ISO関連で独立した第三層を手に入れたいま、「露出」と大まかに括る必要性は無いはず。

第三層から個別の設定ページへ移行すると、BIONZ Xから大きな変化が見られないデザインが現れる。特に不便と感じていない設定項目も多いが、例えばパラメータが増えたクリエイティブルックなどは操作性を一新して欲しかったところ。例えば、メニューシステムのようにパラメータを階層化しても良かったはず。ちなみにISO AUTO低速限界設定は地味に見やすくなっていた。

フォーカスメニュー

第二層に5ページ、第三層に35の項目がある。
特に「AF/MF」「フォーカスエリア」は第三層の項目が多すぎるので、統合するなり、ページを分けたほうが見やすかったはず。各カテゴリでピックアップする機能は後述する。

再生メニュー

第二層に7ページ、第三層に25項目だ。相変わらずRAW現像には対応していない。
各カテゴリでピックアップする機能は後述する。

ネットワークメニュー

第二層に6ページ、第三層に25項目だ。
ネットワークオプションだけで25項目もあるカメラメーカーは珍しいが、用途ごとに分かりやすくまとめられているように見える。

セットアップメニュー

第二層で12ページ、第三層に52項目ある。正直に言うと多すぎる。
それだけカメラが高機能で自由度が高いというべきか…。とは言え、相変わらずモニターの色温度を調整することは出来ず、ページによっては1~2項目しかない第二層もある。メニューの省スペース化にもう少し力を入れて欲しかった。

注目メニュー項目

ここではα7 IIIからα7 IVで追加された主な機能を挙げていく。全てを紹介することは出来ないが「これは」と言う機能をピックアップ。

JPEG/HEIF切替

8bitのJPEG出力から10bit HEIF出力に切替可で、カラーサンプリングは「4:2:2」「4:2:0」を選択できる。HEIFは画質を維持したまま効果的にイメージを圧縮できる。例えばJPEGでファイルサイズが22MBとなるところで、HEIFなら10.1MB、HEIF 4:2:2で11.1MBだった。(ファイルサイズは撮影時の輝度差や色情報によって変わる)
JPEGと比べて画像処理の柔軟性が向上しているのかは機会を改めてチェックしたい。

画質・サイズ設定

BIONZ X世代では複数の設定項目で調整する必要だった機能が一つにまとまっている。分かりやすくて大変よろしい。ただし、JPEGとHEIFの切替には対応していない。
さらにここから「記録メディア設定」へ瞬時に移行できるボタンを備えている。新メニューシステムの中では大きく改善されたポイントだ。

メモリーカード関連

機能的には従来通りだが、設定項目に図が挿入され、どちらがスロット1/2なのか見やすくなっている。また、こちらから「画質設定」へ移行することも可能だ。

撮影設定登録

設定の登録と呼び出しは従来通りの使い勝手だが、BIONZ Xプロセッサ搭載モデルと比べて呼び出し速度が非常に速い。このため、スピードが求められるシーンでも実用的と感じる場合が多い。また、撮影モードダイヤルにユーザーモードが1枠追加されているので「3」を利用することが可能となっている。

インターバル撮影・連続再生

α7 IIIはファームウェアアップデートで追加されたインターバル撮影を初期状態で利用可能。さらに再生メニューの「連続再生」でインターバル撮影による一連の画像をタイムラプス風に確認することも可能だ。

サイレントモード

シャッター方式は「メカニカルシャッター・電子シャッター」を切り替えるだけだが、このサイレントモードはオンにすることで「絞り駆動」や「電源OFF時のシャッター」、「ピクセルマッピングを個別」のオンオフを個別に設定することが可能だ。この場合、初期設定で「電源OFF時のシャッター」がオフとなっているので、サイレントモード時にシャッター保護機能が効かなくなる。

高分解シャッター

通常のアンチフリッカー機能に加え、LEDのような高周波フリッカーに対応する機能を搭載。一般的なアンチフリッカーと違い自動検出&自動調整ではないので少し面倒。シャッタースピード優先AEやマニュアルモード限定の機能。

フォーカスエリア枠色

最近の機種ではお馴染みだが、α7 IIIにはなかった機能。従来機で見づらかった灰色のフォーカスエリアを赤色に変更することができる。使ってみると思いのほか重要。

リアルタイム瞳AF・鳥瞳検出AF

α7 IIIはファームウェアアップデートまで瞳検出を使うには専用のボタン操作が必要だったが、α7 IVは初期設定から、通常のフォーカスエリア枠内で自動的に瞳検出できるようになった。(注意:α7 IIIもファームウェア Ver3.00で実装済み)さらにα7 IVは動物瞳AFに加えて鳥瞳AFにも対応している。

2度押しで削除

再生時にゴミ箱ボタンを2度推すことで素早く画像の削除が可能となる。言ってしまえばニコン方式の操作方法だ。通常と比べて操作量が減るので、特に撮影枚数が多い場合に重宝する機能。

電源OFF中のBluetooth接続

α7 IVはαシリーズで初めてBluetooth LEに対応。電源オフ時のスマートフォン常時接続に対応している。カメラを電源オフでバッグに収納した状態でもスマートフォンと接続して画像の閲覧や転送が可能だ。残念ながらそのままリモート撮影はできない。

静止画/動画独立設定

α7 IVで新設された静止画/動画/S&Qに連動してカメラ設定を切り替えるかどうか選択できる機能。絞りを変えずにシャッタースピードを柔軟に対応したい場合などで便利。

マイダイヤル設定

α7 IIIでは使えなかったマイダイヤル機能に対応。通常に加えて3通りの機能群をダイヤルに登録することが可能。ダイヤルによる割り当て機能の制限は無く、好きなダイヤルに好みの機能・設定を登録することが出来る。特にα7 IVはカスタマイズできるダイヤルが4つもあるので、マイダイヤルの重要性はさらに高まっている。詳しくはカスタマイズ編で紹介したい。

まとめ

BIONZ Xまでの使い辛いメニューシステムと比べると間違いなく改善している。特に第二層のカテゴリタブにより、目的の機能へナビゲートが遥かに簡単となった。十数のページを必死にめくっていたBIONZ X世代と比べると遥かに使い勝手が良い。

とは言え、まだまだ煮詰まっていない部分も多い。第三層の機能群がまだまだ多く、第二層から第三層を俯瞰で確認できないのは痛い。第三層の数に合わせて第二層のタブを増やした方が使い勝手が良いと思う。

画質設定のように従来の機能群がまとめられ、1つの画面で多くの設定を変更できるようになったのはGood。さらにメニュー欄・マイメニューの省スペース化にも繋がっている。

ただし、それはごく一部の限定的な改善であり、全体的に見ると操作性・機能性はBIONZ X世代のままであることが多い。このあたりは今後の新世代モデルでさらなる改善を期待したいところ。

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作例

カメラのおさらい

カメラの特徴

  • 商品ページ/仕様表
  • データベース
  • 管理人のFlickrアルバム
  • 発売日:2021-12-17
  • 売り出し価格:296,010円
  • イメージセンサー:
    ー有効画素数:約3270万画素
    ーローパスフィルタ:あり?
    ー裏面照射型:対応
    ー手ぶれ補正:5.5段分
  • プロセッサ:BIONZ XR
  • AF:
    ーAF方式:ハイブリッド
    ー測距点:759点
    ーカバーエリア:約94%
    ー検出機能:瞳AF(人間・動物・鳥)
  • 動画:
    ー4K:~60p(Super35mm)
    ーFull HD:~120p
  • ファインダー:0.5型 369万ドット OLEDパネル
  • モニター:3.0型 104万ドット バリアングルモニタ
  • 通信機能:2.4/5GHz Wi-Fi・Bluetooth 4.1 LE
  • 対応メディア:CFexpress A・SD UHS-II
  • バッテリー:NP-FZ100
  • サイズ:131.3×96.4×79.8mm
  • 重量:658g

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