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シグマ 35mm F1.4 DG II|Art レンズレビュー完全版

このページでは「35mm F1.4 DG II」のレビューを掲載しています。

35mm F1.4 DG IIのレビュー一覧

レンズの評価

ポイント 評価 コメント
価格 前モデルから妥当な値上げ
サイズ 小型と言えるサイズ
重量 軽量と言える重さ
操作性 機能的で豊富
AF性能 高速AF・抑制されたブリージング
解像性能 ほぼ完璧
ボケ 全体的に良好だが口径食が強い
色収差 良好な補正状態
歪曲収差 穏やかな影響
コマ収差・非点収差 無視できる程度
周辺減光 F1.4で強めの影響
逆光耐性 フレアが抑制されている
満足度 小型軽量化と高性能化を両立

評価:

ポイント

小型軽量化と高性能化を両立

携帯性と光学性能を同時に改善した第二世代の35mm F1.4 DG。小型化の影響で口径食は強くなっているものの、懸念材料はそれくらい(ただし、口径食の強度は要確認)。ソニーEマウントではG Masterに対応する選択肢として、ライカLマウントではベストな「35mm F1.4」として活躍することでしょう。

The second-generation 35mm F1.4 DG lens offers improvements in both portability and optical performance. While vignetting has become more pronounced due to the lens’s smaller size, that is the only real concern (though we recommend checking the degree of vignetting). It will likely serve as a strong G Master alternative for Sony E-mount users and as the best “35mm F1.4” option for Leica L-mount users.

まえがき

2021年発売の35mm F1.4 DG DN|Artの後継モデル。前モデルから小型軽量化され、全長は約14%短縮、重量は約20%削減。2013年発売の一眼レフ用モデルから続く伝統を受け継ぎつつ、ミラーレス時代に適応した製品として進化しています。

AFにはHLA方式を採用し、高速かつ静音で正確なピント合わせを実現。動画撮影時のフォーカスブリージングも抑制されており、静止画・動画の両面で高い実用性を備えています。フローティング方式を採用しているので、近距離でのパフォーマンスが向上している可能性あり。

光学設計は15枚12群構成に刷新され、高精度非球面レンズ、SLDガラスを採用。これにより、軸上色収差などの諸収差を効果的に抑制し、開放F1.4から画面全域で高い解像性能を実現しているとのこと。また、新たにAAC(Advanced Amorphous Coating)を採用し、ゴーストやフレアの原因となる内部反射を大幅に低減しています。

主な仕様

レンズマウント E / L
対応センサー フルサイズ
焦点距離 35mm
レンズ構成 12群15枚
開放絞り F1.4
最小絞り F16
絞り羽根 11枚
最短撮影距離 0.28m
最大撮影倍率 1:5.4
フィルター径 67mm
手振れ補正 -
テレコン -
コーティング 防汚コート
AAC
サイズ φ73.0mm x 94.0mm
重量 530g
防塵防滴 対応
AF HLA
絞りリング 搭載
その他のコントロール AF/MF
クリック切替
Fnボタン×2
付属品 レンズフード

価格のチェック

売り出し価格は15万円。前モデルよりもだいぶ高価な製品となってしまいましたが、小型軽量化やHLA駆動、フォーカスブリージングの抑制など改善点が多い。特に携帯性の改善は買い換える一つの契機となりそうです。

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レンズレビュー

外観・操作性

箱・付属品

2025年2月、シグマは10年以上続いていたSGVシリーズ(Sigma Global Vision)のVI(ビジュアルアイデンティティ)を刷新しました。

これに伴い、箱も従来の白を基調としたデザインから一新。環境に配慮して簡素化、フォントが新しいものに置き換わっています。

Contemporaryラインは緑がかった茶色の箱でしたが、Artラインは紺色。

レンズ本体の他に、レンズフード、説明書、保証書が付属。ポーチが付属。
以前のArtラインレンズに付属していたレンズケースはありません。

外観

箱のデザインは大幅に変わりましたが、レンズ筐体は従来通り。Artラインらしく、頑丈な金属製の外装を採用。幅広いフォーカスリングはゴムカバーで覆われ、手前の絞りリングは金属製で触感を区別。

いつも通り、レンズは日本製。マウント付近にはエディションナンバーである西暦下三桁「026」が印字されています。

ハンズオン

サイズ 重量
35mm F1.4 DG II φ73.0mm x 94.0mm 530g
35mm F1.4 DG DN φ75.5mm x 111.5mm 640g
35mm F1.4 GM φ76.0 × 96.0mm 524g
RF35mm F1.4 L φ76.5 × 99.3mm 555g
Z 35mm F1.4 φ74.5mm × 86.5mm 415g

質感を維持しつつ、前モデルと比べて大幅な小型軽量化を実現しています。キヤノンRFよりも軽く、ソニーGMとほぼ同じ。

前玉・後玉

フィルター径はこのクラスで一般的な67mm径を採用。前玉には防汚コートを採用しているので、水滴や軽い汚れであればフィルター不要。とは言え、傷や重めの汚れが想定される場合はプロテクトフィルターを装着しておくのがおススメです。

金属製マウント部は4本のネジで本体に固定。マウント部の周囲は防塵防滴用のシーリングが施されています。後玉はマウント付近に固定、フォーカシングによる前後移動は無さそう。周囲は不要な光の反射を抑えるために黒塗りされています。

フォーカスリング

レンズ先端には2.5cm幅のゴム製フォーカスリングを搭載。ソニー純正品よりは重めの抵抗感で滑らかに回転します。レンズフードを逆さ付けすると部分的に隠れてしまいますが、操作可能。

フォーカスリングのレスポンスは回転速度に依存しません。いわゆるリニアレスポンスで動作します。ピント全域のストロークは約180度と適度な回転量。

絞りリング

レンズマウント付近には金属製の絞りリングを搭載。F1.4からF16まで1/3段刻みで動作します。Aポジションで固定できるほか、1/3段刻みのクリックを無効にすることも可能。

スイッチなど

左側面にはAF/MF切り替えスイッチや絞りリングのクリック有無を操作できるスイッチを搭載。反対側には絞りリングをAポジションで固定するスイッチもあります。

さらに、左側面と上面にFNボタンを搭載。これはカメラ側のボタンカスタマイズで任意の機能を割り当て可能。

レンズフード

プラスチック製の花形レンズフードが付属。付け根付近はグリップ性のあるゴムカバーを装備しています。フィルター操作窓はありません。

装着例

α7R Vに装着。
35mm F1.4 としては少し軽くて軽量な部類。カメラとのバランスが良く、前モデルより携帯性が優れています。

軽いと感じる組み合わせではありませんが、長時間の手持ち撮影で苦になることはないでしょう。バランスは良好で、フロントヘビーとは感じません。

AF・MF

フォーカススピード

HLA駆動で高速かつ静粛な動作。ステッピングモーターのレンズと比べると初速が速く、特にAF-Cモード時に電光石火の合焦速度。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

ピント位置による画角の変化がゼロとは言えないものの、前モデルやソニーGMと比べると遥かに良好。通常の撮影ではほとんど目立ちません。

Before imageAfter image

精度

α7R V・α7 V との組み合わせで大きな問題はありません。

MF

前述した通り、リニアレスポンスで180度の回転量があります。細かい微調整を含めたMF操作に十分な回転量で操作可能。

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:ILCE-7RM5
  • 交換レンズ:35mm F1.4 DG II|Ar
  • パール光学工業株式会社
    【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 64 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイル(外せない)
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

テスト結果

近距離の解像チャートテストでは、F1.4の絞り開放で周辺や隅に若干の低下あり。とはいえ、前モデルほど大幅な画質低下は無く、ソニーGMに近い結果です。F2.8まで絞ると中央に近い性能。

中央

F1.4から非常にシャープであり、球面収差によるコントラスト低下は全くありません。旧モデルよりも絞り開放の性能が優れており、ソニーGMに匹敵する結果。

周辺

F1.4で僅かにソフトですが、F2.8のピークに向かって改善します。F2.8以降はソニーGMに近い結果ですが、細部のコントラストはGMが若干良好。

四隅

周辺と同じ傾向が続きます。前モデルでは性能が大幅に低下するポイントでしたが、今回は良好な水準を維持。F2.8まで絞ると非常に良好な結果が得られています。ソニーGMと比べると細部のコントラストが少し見劣りします。

数値確認

中央 周辺部 四隅
F1.4 4683 3734 3188
F2.0 4618 4020 3332
F2.8 4642 4440 4221
F4.0 4613 4271 3945
F5.6 4664 4423 3915
F8.0 4615 4254 4302
F11 4514 4020 4013
F16 3567 3746 3248

競合製品比較

ソニーGMほどの近接性能ではないものの、それに近い結果が得られています。旧モデルと比べると大幅に改善しています。特に差が大きいのはフレーム隅。とはいえ、接近時にフレーム隅の描写が気になるシーンはそう多くありません。違いに気が付くかどうかは自身の撮影スタイルによると思います。

遠景解像力

テスト環境

  • 撮影日:2026.4.16 快晴 強風(ストーンバッグで対応)
  • カメラ:ILCE-7RM5
  • 三脚:SIRUI AM324
  • 雲台:アルカスイス Z1+
  • 露出:絞り優先AE ISO 100
  • RAW:Adobe Lightroom Classic
    ・シャープネスオフ
    ・ノイズリダクションオフ
    ・レンズ補正オフ
    ・シャドウ+10(周辺減光で結果が見にくいため)

テスト結果

中央

絞り開放からシャープですが、コントラストがやや低め。F2.0まで絞ると全体的にコントラストが改善します。F2.0以降で画質に大きな変化は無く、回折が始まるまでピークの状態が続きます。

周辺

F1.4からとても良好。F2.8まで絞ると、細部のコントラストが少し改善しているように見えます。とはいえ、ブラインドで画質差を見分けられるか怪しいレベルの僅かな改善幅。絞り開放からほぼピークの性能と言えるでしょう。

四隅

絞り開放から非常にシャープで良好な結果。極端なコントラスト低下や像の甘さはありません。F1.4-F2.0は周辺減光の影響がありますが、F2.8まで絞るとほぼ解消します。周辺と同じく、F2.8まで絞るとピークに達します。

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。

ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

F1.4の絞り開放から、中央・周辺・隅に万遍なくピントが合っているように見えます。少なくとも遠景の撮影において、像面湾曲の影響は目立ちません。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

最小絞り付近で色収差が僅かに発生しています。軽微な収差であり許容範囲内。さらにレンズ補正で簡単に修正することができます。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

色収差がゼロではないものの、F1.4から目立たない程度に収差が補正されています。F2.0-2.8でほぼ解消。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

実写で確認

とても軽微な樽型歪曲。直線的な被写体をフレーム端に配置しても無視できる程度まで補正されています。(レンズ補正が適用されている?と疑い、いくつかの現像ソフトで確認しましたが問題ない模様。)

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

実写で確認

フレーム隅で点像に軽微な変形があります。影響度合いは前モデルと同程度、大きな問題ではありません。しかし、点像の再現性を重視する場合はF2.8くらいまで絞ったほうが良さそうです。

球面収差

軸上色収差による色づきの差を除くと、前後ボケ質の差はごく僅か。絞りによるピント位置の移動も目立ちません(軸上色収差テスト参照)。球面収差は良好に補正されています。

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

とてもニュートラルな描写であり、前後のボケ質に大きな違いはありません。

前ボケ

後ボケよりも少し硬いように見えますが、色収差による悪目立ちがなく、煩わしさはほとんどありません。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

実写で確認

玉ボケは滑らかで綺麗な描写。色収差の影響を僅かに受けるものの、非球面レンズの研磨ムラなどはほとんど目立ちません。

ただし、玉ボケはフレーム隅に向かって口径食の影響を強く受けます。円形を維持しているのは中央から像高5割いかないくらいまで。背景との距離や複雑さ、光の条件によっては「ぐるぐる」渦を巻いているように見えるかもしれません。前モデルよりも少し悪化している唯一のポイント。

口径食の影響を回避するためにはF2.8くらいまで絞る必要があります。

F1.4

F2.0

F2.8

ボケ実写

至近距離

至近距離ではボケ質を議論するほど繊細な描写は目立ちません。球面収差は至近距離でも良好に補正されており、滲むように柔らかい描写は得られません。

口径食の強いレンズですが、背景のボケが大きいので悪目立ちすることは少ないはず。

近距離

撮影距離が少し長い場合も問題無し。口径食の影響が目立ち始めますが、この撮影距離では許容範囲内。

中距離

撮影距離がさらに伸びると、強い口径食でフレーム隅のボケが目立ち始めます。色収差の影響がないので極端に酷い描写ではないものの、高級な単焦点レンズとしては少し注意したいところ。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。

フレームに全身が収まるような撮影距離でも背景を滑らかにぼかしています。輪郭が少し残っているため、夢のように柔らかい描写ではありません。最新レンズらしい「綺麗なボケ」です。ただし、口径食の影響が強く、フレーム隅が少し騒がしい印象。

やはり高級な単焦点レンズとしては少し残念です。小型軽量のトレードオフと考える必要あり。

周辺減光

周辺減光とは?

フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ち。
中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となります。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象ですが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景や星空の撮影などで高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

最短撮影距離

絞り開放付近で目立ちますが、コンパクトな35mm F1.4としては想定内。F2.8まで絞るとほぼ解消します。

無限遠

最短撮影距離と比べると少し強めの減光効果が発生します。レンズ補正を適用したくなる場合もありますが、F2.8まで絞ると光学的に軽減可能。

逆光耐性・光条

中央

強い光源を正面から受けた場合でも、フレア・ゴーストを抑制。コントラスト低下は目立たず、ゴーストもごく僅か。良好な逆光耐性です。絞るとゴーストが増加するものの、それでも画質が破綻するような影響ではありません。

光源をフレーム隅に移動した場合、絞りに関わらず影響は軽微。

光条

F5.6で既に目立つ光条が発生しています。F8-F11まで絞るとさらにシャープとなる。F16まで絞っていいことは無いので、ベストな選択肢はF11付近。

まとめ

良かったところ

ココがおすすめ

  • 前モデルより小型軽量
  • HLA駆動による高速AF
  • 豊富なコントロール
  • フォーカスブリージングの抑制
  • 全体的に優れた解像性能
  • 色収差の補正状態が良好
  • 穏やかなコマ収差
  • 球面収差の問題無し
  • 滑らかな後ボケ
  • 逆光耐性が良好
  • 絞ると綺麗な光条

前モデル比で小型軽量化しつつ、解像性能も向上しています。さらにHLA駆動による電光石火のAFや、フォーカスブリージングの抑制なども前モデル比で顕著な改善点。ソニーG Masterに匹敵する水準。

G Master比で接写時の周辺解像や口径食に若干の見劣りがあるものの、抑制されたフォーカスブリージングは動画撮影などで強みと感じるはず。

悪かったところ

ココに注意

  • 口径食の影響が強いボケ
  • 周辺減光が強い
  • 前モデルより高価

前モデルの欠点をほとんど克服していますが、悪化している唯一のポイントが口径食。周辺部のボケが楕円上に変形したり、絞り開放付近の周辺光量低下の原因となっています。小型軽量化とトレードオフではあるものの、気になる場合は他の選択肢を検討する必要があリます。

価格は高くなっているものの、改善点を考慮すると妥当な値上げかなと。価格重視であれば、市場に残る旧モデルを検討するのもアリ。

欠点は少ないものの、大口径レンズに求めるものが「ボケ」である場合、口径食の強さで”ご破算”となる可能性があります。様々なサイトのサンプルを確認しておいたほうが良いでしょう。

結論

携帯性と光学性能を同時に改善した第二世代の35mm F1.4 DG。小型化の影響で口径食は強くなっているものの、懸念材料はそれくらい(ただし、口径食の強度は要確認)。ソニーEマウントではG Masterに対応する選択肢として、ライカLマウントではベストな「35mm F1.4」として活躍することでしょう。

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購入を悩んでいる人

35mm F1.4 DG DN

前モデル。
ソニーGMやDG II ほどではないものの、優れた光学性能を実現した35mm F1.4。10万円を切るてごろな価格を考慮するとコストパフォーマンスは非常に高い。

欠点は(GMと同じく)目立つフォーカスブリージング、近接時の周辺解像低下、比較して大きなレンズサイズ・重量など。しかし欠点を考慮してもコスパが良いので、検討する価値があります。

ただし、現在は既に生産完了品。新品在庫は残っていますが、これから徐々に少なくなっていくと思われます。

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35mm F1.4 DG DN Leica L
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FE 35mm F1.4 GM

ソニー純正の35mm F1.4。Eマウントなら真っ先に検討すべきレンズ。
ほぼ互角のシグマDG IIを選ぶ理由を挙げるとすると「フォーカスブリージング抑制」「少し安い」と言ったところ。

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AF 35mm F1.4 P

使ったことが無いので参考までに。
携帯性を重視した「P」モデルで、コントロールは必要最低限。35mm F1.4 DG DN と同じ価格帯のため、携帯性を重視しない限りシグマ初期型が有利。

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購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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