2022年9月26日付けでシグマの気になる特許出願が公開。既に実用化されているAPS-Cミラーレス用のズームレンズ「18-50mm F2.8 DC DN」に関する光学系の特許のようですね。
概要
- 【公開番号】P2022138408
- 【公開日】2022-09-26
- 【発明の名称】結像光学系
- 【出願日】2021-03-10
- 【出願人】
【識別番号】000131326
【氏名又は名称】株式会社シグマ- 【課題】ズーム全域で開放F値が小さく小型な結像光学系を提供する。
- 【0002】
近年、結像光学系と撮像素子の間に配置され、光線をファインダー光学系に導くクイックリターンミラーを廃した、所謂ミラーレスカメラが普及している。ミラーレスカメラはミラーを廃したことにより筐体が小型化されているため、それに伴い結像光学系の小型化が求められている。また、ズーム全域で開放F値の小さい大口径ズームレンズが求められている。- 【0004】
特許文献1では、開放F値が2.8程度の明るいポジティブリード型のズームレンズが開示されている。しかし、結像光学系のサイズが大きいという問題がある。また、特許文献2では、結像光学系が小型化されたポジティブリード型のズームレンズが開示されている。しかし、望遠端での開放F値が6.3程度と暗いという問題がある。- 【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ズーム全域で開放F値が小さく小型な結像光学系を提供することを目的とする。実施例1
- 焦点距離:18.60-48.50
- F値:2.92
- 画角:79.10-31.20
- 像高:14.20
- 全長:91.81-114.15
実施例7
- 焦点距離:28.50-72.80
- F値:2.92
- 画角:79.31-31.60
- 像高:21.63
- 全長:130.86-159.59
既に製品化しているAPS-Cミラーレス用の大口径ズームレンズ「18-50mm F2.8 DC DN」用の特許と思われます。大部分の実施例が18-50mm F2.8を示しており、レンズ構成もほぼ同じ。収差図を見ると、歪曲収差のみ後処理を前提とした残し方の設計に見えます。実際、18-50mm F2.8 DC DNも無補正のRAWでは大きな歪曲収差が残っています。ただし、球面収差や非点収差はかなり良好に補正されているみたいですね。実施例7のみフルサイズ対応の28-70mm F2.8ですが、製品化されている「28-70mm F2.8 DG DN」とは異なる光学設計です。18-50mm F2.8と同じコンセプトの光学設計でフルサイズセンサーに対応すると、このような光学系となる模様。既存のズームレンズもかなりいい製品ですが、この光学系のレンズも見てみたいですねえ(もちろん、製品化はされないと思いますが)。
私はα7R IVのAPS-Cクロップ(約2600万画素)で使用。APS-C用の大口径ズームとしては驚くほどコンパクトですが、ズーム全域で良好な解像性能を発揮(接写以外)し、ボケも綺麗で扱いやすいレンズです。さらに価格も手ごろで、光学手ぶれ補正を搭載していない点を除けば非常におススメしやすいレンズに仕上がっています。将来的に富士フイルムXマウントや他のAPS-Cシステムでも使えるようになると良いですねえ。
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