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Admiring Lightがシグマのフルサイズミラーレス用交換レンズ「14-24mm F2.8 DG DN」のレビューを公開しています。
Review: Sigma 14-24mm f/2.8 DG DN Art
ビルドクオリティ・操作性
- シグマは過去数十年にわたり、大きなレンズメーカーへとゆっくり変化してきた。Artシリーズは手ごろな価格設定ながら、クオリティを徐々に引き上げている。ミラーレス専用設計のレンズも投入し、この14-24mm F2.8 DG DNは過去8年間レビューしてきた中で最も素晴らしいレンズの一つとなった。
- ぱっと見は大きいが、小さくもあるレンズだ。絶対的に言うと、かなり大きく、適度に重い。タムロン「17-28mm F/2.8 Di III RXD」と比べると重量はほぼ倍、そしてかなり大きい。ソニー「FE 16-35mm F2.8 GM」より115gほど重い。
- ただし、フルサイズ用14-24mmとしては非常にコンパクトだ。ニコン「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」は200g重く、直径は0.5インチ大きい。シグマの一眼レフ用レンズ「14-24mm F2.8 DG HSM」はなんと1150gである。
- 16-35mmの広角ズームと比べ、広角側の画角が広いのでサイズと重量は増加しやすい。それにも関わらず、シグマ14-24mm F2.8 DG DNはサイズ増加をかなり抑えている。α7R IVとの組み合わせでバランスは良く、実使用でレンズのサイズと重量はほとんど気にならない。
- 他のArtシリーズと同じくとても頑丈で精密な作りだ。鏡筒はハイクオリティなプラスチックで、レンズマウント付近は金属製である。仕上がりはほぼ完璧だ。
- ズームリングとフォーカスリングの動作は滑らかだ。私が使って来たズームレンズの中ではおそらく最も滑らかだ。
オートフォーカス・フィルター
- ネイティブEマウントレンズであり、C-AFで素早く正確にフォーカスする。
- AF-Sは爆速と言えず、被写体をロックする直前で目に見えるハンチングがある。なぜAF-CよりAF-Sが顕著に遅くなるのかは分からない。フォーカス速度が重要な場合はAF-Cを使うと良いだろう。
- 出目金レンズのため円形フィルターは装着できない。このため、対応する外付けフィルターを利用する必要がある。私が導入したのはNiSi S5フィルターホルダーと150mm円形偏光フィルターだ。安い追加投資では無いが、現場でとても使いやすいフィルターである。14mmの超広角でもケラレは全く発生しない。
- レンズマウント側にNDフィルターを装着可能だ。いくつかのフィルターメーカーはシグマ用フィルターを提供している。フィルターの厚みは0.3mm以下にするように注意が必要だ。フィルターが厚くなると像面湾曲でフレーム周辺部の画質に影響を与える可能性がある。
画質
- 約3週間このレンズを使って撮影してきた。最初に撮影した画像を確認した時には「Wow!」と声が漏れてしまった。6100万画素のα7R IVを使用してもズームレンジ全域で四隅までシャープな描写である。
- F2.8からフレームの90%以上がシャープで、フレームの端のみ少しソフトだ。1~2段ほど絞るとシャープになり、隅から隅までとても見事な画質となる。
- 18?24mmにおける最高の単焦点レンズと互角、そして14?18mmは単焦点以上だ。
- 14mmにおける四隅の画質はいかなる焦点距離のレンズと比べても見事な画質だ。そして超広角レンズとしては驚異的だ。絞り開放だと少しソフトになるが、それでも6100万画素のセンサーで見事なシャープネスを維持している。
- この水準のパフォーマンスを備えた単焦点レンズはほんの一握りだ。ズームレンズ全域でLoxia 21mmと同等のクオリティである。
- 像面湾曲の影響はほぼ無い。無限遠付近で像面湾曲を見つけることは出来ないだろう。
- ズームレンジ全域で優れたコントラストを備えている。最高のレンズでしか見られないような色とコントラストである。
- 多くのシグマレンズと同様、暖色傾向となる。ニュートラルな色を好む場合はホワイトバランスを調整する必要がある。
- 色収差補正も素晴らしい。倍率色収差は無視でき、軸上色収差やパープルフリンジも実質ゼロだ。広角レンズとしては驚くべきパフォーマンスである。
- 超広角レンズとしては優れたボケだ。ただし、スペシャルな描写ではない。
- このレンズの弱点は広角側の歪曲収差だ。14mmでかなり強めの樽型歪曲が発生する。一般的な撮影では気が付かないかもしれないが、建築物を撮影すると目に付く。レンズプロファイルを適用したり、望遠側へ少しズームすると改善する。
- 逆光耐性はとても良好だ。
- もう一つの弱点は周辺減光だ。絞り開放付近では減光が強く、絞ると緩和するが完全には解消しない。個人的に問題とはならないが、人によっては問題と感じるかもしれない。
- ズームレンジ全域で良好なコマ収差補正だ。天体写真用として非常に有能なレンズとなるだろう。
- 絞ると11枚羽根により22本の騒がしい光条となる。
- FE 12-24mm F4 G:シグマは画角少し狭く、サイズは少し大きく重い。しかし、F2.8と明るく、光学性能は遥かに優れている。ソニー12-24mmは絶対的に12mmの画角が必要な場合に検討すると良いだろう。
- FE 16-35mm F2.8 GM:広角ズームで間違いない選択肢だ。82mmフィルターや35mmの焦点距離に対応している。ただしシグマほど広い画角を使えず、800ドルも高価だ。
- 17-28mm F/2.8 Di III RXD:本当に悩ましい選択肢だ。遥かに小型軽量で500ドルも安いレンズである。67mmフィルターに対応し、光学性能はとても優れている。2400万画素のカメラボディで使う限り、シグマと光学性能の差は目立たない。ただし、α7Rシリーズで使うとフレーム四隅の画質でシグマが有利となる。
長所:とても滑らかなズームリングとフォーカスリング・優れたビルドクオリティ・高速で正確なAF・14-24mm F2.8としてはコンパクト・ズームレンジ全域で四隅まで驚異的なシャープネス・像面湾曲がとても小さい・抜群の発色とコントラスト・色収差補正・優れた逆光耐性・コマ収差補正
短所:絶対的に見ると大きく重い・ねじ込み式フィルター非対応・AF-Sが少し遅い・14mm側の樽型歪曲収差・比較的強めの減光
1399ドルと安いレンズでは無いが、最高の画質を考慮すると価格設定は正当化できる。並外れたシャープネスは広角単焦点に匹敵、もしくはそれ以上である。
真に完璧なレンズでは無く、広角側の歪曲収差と比較的目に付く周辺減光がある。ただし、それだけだ。14mm以上の広角レンズらしくフィルターソケットが無いのも問題となるが、フィルターホルダーやリアフィルターで対応可能だ。
フィルターシステムの追加投資を考慮すると万人向けのレンズでは無いが、広角ズームで最高の光学性能が必要な場合は考慮すべき選択肢となる。私はタムロン17-28mm F2.8からこのレンズへと乗り換えた。
とのこと。
シグマ製ミラーレス用レンズはどのモデルも評価が高いですね。特に超広角ズームでα7R IVの解像性能に耐えているのは凄い。作例を確認しても確かにとてもシャープなレンズであることが分かります。この性能を考慮すると13万円の実売価格は安く感じてしまいますねえ。ただし、フィルターワークを検討しているのであればホルダーと角形フィルターの追加投資は予め予算に組み込んでおくべきかもしれません。
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