Sony Alpha Blogがシグマ「18-50mm F2.8 DC DN」のレビューを公開。小型軽量で低価格ながらソニー純正に匹敵する解像性能・ボケ・AFを実現しており、「完璧に近いレンズ」と高く評価しています。
Sony Alpha Blog:Sigma 18-50 F2.8 DC DN
レンズの紹介:
- ソニーAPS-C Eマウント初となるシグマ製ズームレンズだ。タムロン「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD」やソニー「E 16-55mm F2.8 G」と競合する製品である。
ビルドクオリティ:
- ビルドクオリティはとても良好だ。「28-70mm F2.8 DG DN」のようなレンズと一致している。
携帯性:
- α6600と組み合わせると、旅行やストリートに最適な小型軽量システムとなる。
- F1.4 DC DNシリーズの補完に最適だ。
操作性:
- ズームリングは十分なトルクがある。ストロークは18mmから50mmまで80°以内だ。
オートフォーカス:
- 非常に高速で静か、正確に動作する。
- 瞳AFは良好に機能する。
- 追従AFはとても良好だ。
- 動画撮影でも良好に機能する。E 16-55mm F2.8 Gと同様だ。(動画)
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- α6600でテストした。
- このようなズームレンズとしては優れた性能だ。
- 1段絞ると全域で優れた結果を得ることが出来る。
- 特にF5.6は中央から隅まで一貫性のある解像性能だ。
- ポートレートの距離でF2.8はVery good?Excellentだ。
- 遠景の建築物などでも優れた性能である。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 玉ボケはF2.8-4で十分な円形だが、F5.6で角ばる。
- 玉ボケの描写はとても柔らかく、玉ねぎボケや色付きの兆候は見られない。優れた性能だ。
- 後ボケは良好だ。騒がしい背景でもとても柔らかい描写となる。
- 発色はとても良好で自然である。コントラストは良好だ。
- 動画撮影でも良好な結果を得られた。
色収差:
- 倍率色収差はゼロに近い。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 18mmは樽型だ。
- 35mm?50mmはかなり強い糸巻き型である。
周辺減光:
- 絞り開放で光量落ちは強い。
- 18mmはF5.6で解消する。
- 35mmや50mmはF8で解消する。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- この種のレンズとしては優れた逆光耐性だ。しかし、太陽をフレームに入れると簡単にフレアが発生する。
- 絞った際の光条は良好である。
E 16-55mm F2.8 G・17-70mm F2.8 VXDとの比較
- タムロンやソニーよりも30?40%軽く、25?40%小さい。
- 最短撮影距離がシグマが最も優れている。
- ビルドクオリティはソニーと同等で、タムロンよりも良好だ。唯一の欠点は絞り羽根が7枚であることだ。
- 価格は500ユーロと驚異的だ。
- ズームレンジは3本の中で最も狭い。
- 手ぶれ補正はタムロンのみ搭載している。
- 解像性能は3本ともよく似ている。実写で本当の違いはない。
- どのレンズも優れた肌調、発色、ボケである。ただし、玉ボケの滑らかさはシグマが最も良好だ。タムロンは玉ねぎボケが目立つ。
- どのレンズも広角で大きな樽型歪曲となり、望遠側で糸巻き型となる。
- どのレンズも周辺減光が見られる。
- 色収差はシグマとタムロンが少し良好だ。
- シグマがベストで、ソニー、タムロンと続く。
- 光条はシグマとソニーが優れている。
- ソニーのメリットは既にプロファイルが存在することだ。
- AFはシグマとソニーがタムロンよりも少し良好だ。
3本とも非常に良く似ている。シグマは玉ボケが良好だが、ズームレンジは限定的だ。手ぶれ補正が必要な場合はタムロンに優位性がある。全体的に見て、16mmが絶対必要でない限り、個人的にはシグマが最高だ。
総評
完璧に近いレンズだ。F2.8・軽量・小型・優れたシャープネス・優れたボケ・優れた玉ボケ、これらを低価格で実現している。軽量な標準ズームが必要であれば、理想的なレンズとなるだろう。主な欠点は18mm始まりであることだ。これは携帯性を優先した場合に妥協すべき点となる。競合レンズと比較して、シグマを選ばない理由は16mmが使えないことだけだ。強くおススメするレンズである。
- 長所:
・ズーム全域、フレーム全域で優れたシャープネス
・とても良好な玉ボケ
・滑らかな後b家
・良好な発色
・とても良好なポートレートの描写
・小型軽量
・低価格
・良好なズームリング
・優れたAF
・防塵防滴
・良好なビルドクオリティ
・低色収差
・動画でのAF- 平凡:
・逆光耐性(競合より良好)
・光条(競合より良好)
・周辺減光(改善速度が遅い)
・エルゴノミクス
・手ぶれ補正非搭載- 短所:
・歪曲収差
とのこと。
小型軽量で低価格な大口径ズームですが、非常に良好な光学性能を実現しているみたいですね。ズームレンジは狭いものの、18mm始まりを許容できればコストパフォーマンスの高い標準ズームとなる模様。これがソニーEマウントとライカLマウントのみなのが惜しいですねえ。ただし、DPReviewの実写作例を確認すると、倍率色収差がいくらか発生しているように見えます。場合によっては少し目立つかもしれません。この辺りはもう少し多くの作例を確認してみたいところ。
ちなみにシグマは60周年記念のキャッシュバックキャンペーンを告知。このレンズも対象となっており、手ごろな価格から、さらに5000円のキャッシュバックが適用される模様。
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