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28-70mm F2.8 DG DN ズーム全域で非常に良好な画質

Lenstipがシグマ「28-70mm F2.8 DG DN|Contemporary」のレビューを公開。小型軽量かつ低価格ながら優れた画質を実現していると評価。歪曲収差や周辺減光はレンズ補正に依存しており、隅の解像性能は絞ると良好になる模様。

Lenstip:Sigma C 28-70 mm F2.8 DG DN

  • 外観:「021」の刻印、「MADE IN JAPAN」の表示がある。プラスチック部分にはロゴ、レンズ名、パラメータ、シリアル番号、「C」マーク、リブ加工、AFMFスイッチを備える。
  • 構造:光学系・重量・寸法面での妥協はあるが、製造品質に影響なし。高品質な作りであり、日本製。
  • 携帯性:ズーム操作で内筒が伸び、全長が24mm延長される。
  • 操作性:ズームリングの幅は28mm。表面の大部分はゴム製リブで覆われ、28、35、50、70mmの目盛りを配置。適切な減衰が施され、滑らかな動作。
  • AF:α7R IIIAおよびα7R Vでテスト。静音かつ高速。全距離移動で0.4~0.5秒。AF-SからAF-Cへ切り替えると高速化。誤動作は少なく、AF精度は極めて良好。スタジオ・屋外問わず高い成功率を示し、ミス率は2~3%以下。
  • MF:幅20mmのゴム製リブ付きフォーカスリングを搭載。フォーカスバイワイヤ方式で、回転速度に応じてストロークが変化。速い回転で約200度、遅い回転で約360度。高精度な調整が可能。フォーカスブリージングは最短焦点距離で約5%、最長焦点距離ではゼロに近い。
  • 手ぶれ補正:記載なし。
  • 解像性能
    中央: F2.8から高解像度を維持し、最大で70lpmmを超える。焦点距離が長くなると若干低下するが、高水準を維持。
    APS-C端: どの焦点距離でも40lpmm超。絞ると最大60lpmm。
    フルサイズ端: 50mmでは良好だが、28mmおよび70mmではF4.0以上に絞らないと解像度が向上しない。
  • 像面湾曲:記載なし。
  • ボケ:特に問題なし。非球面レンズの影響で玉ねぎボケがわずかに見られる。口径食は2段絞ると解消。
  • 軸上色収差:50mm・70mmともにF2.8でわずかに発生するが、影響は軽微。
  • 倍率色収差:極めて低く、0.04%以下。最大でも0.06%未満で、実用上問題なし。特にタムロンより優れる。
  • 球面収差:わずかにフォーカスシフトが見られる。前後ボケに差があり、完全補正はされていない。
  • 歪曲収差:歪曲は焦点距離の両端で目立つが、メーカーが公表しており、許容範囲内。
  • 周辺減光:小型設計ゆえに周辺減光は大きいが、絞ることで改善可能。
  • コマ収差:APS-Cセンサーの隅では問題に気付くことは難しいが、フルフレームの隅ではほぼすべての焦点距離で点光源のわずかな変形が見られる。それでも影響は軽微で、深刻な問題にはならない。
  • 逆光耐性:フレア耐性は良好。ゴーストは時々発生するが、特定の状況下のみであり、強度も低い。フレーム全体でコントラストの大幅な低下は見られない。
  • 光条:記載なし。
  • 作例集
  • 総評:シグマは約束どおりの製品を提供。700ドルという妥当な価格で、焦点域全体にわたって非常に優れた画質を持つ、高速でコンパクトかつ頑丈なズームレンズ。歪みと周辺減光の補正を最優先しないが、その代わりに他の収差を抑え、軽量コンパクトな設計を実現している。
  • 競合について:競合するタムロン 28-75mm F2.8 Di III VXD G2 はシグマより100ドル高価で、画像品質ではシグマが優勢な点がある。特に倍率色収差はシグマが大きく上回る。一方、タムロンはより大きく重いが、シグマより耐候性はやや劣る。両レンズはそれぞれ強みを持ち、競争は非常に激しい。消費者にとっては選択肢が多いことが喜ばしい点である。
  • 備考

2021年に登場したシグマの小型軽量な大口径ズームレンズ。広角端が28mmと狭いものの、サイズと価格が抑えられ、F4ズームレンズのように扱うことが可能となっています。コストをかけずにF2.8ズームを使ってみたい人にとって面白い選択肢となることでしょう。

Lenstipのレビューによると、光学性能にはいくつかの妥協が必要となるものの、広い範囲はズーム全域で良好、ボケに問題はなく、逆光耐性も良好と評価しています。カジュアルにF2.8ズームを使うのであれば、十分良好なパフォーマンスと言えそうです。

絞り開放の解像性能にこだわる場合は他のレンズを検討するか、望遠側を避けて使う必要があるようです。ただし、絞れば全体的に画質が改善するため、風景撮影などでは心配するほどの問題ではないようです。

私もα7R IVと組み合わせるために購入。
Lenstipの評価と同じく、広角側のほうが良好なパフォーマンスと感じました。Lenstipでは言及していませんが、接写時は全体的に性能が低下するので注意が必要。

軸上色収差が目立つのはArtと同じく望遠側で、広角側は良好な補正状態と感じました。ボケ質は良好で、隅のみ口径食の影響が強と感じたのはLenstipのテスト結果と同じ。

携帯性を高めながら実用的なF2.8を利用できるレンズに違いありません。防塵防滴や広角24mmが必要なければおススメしやすいレンズかなと。ただし、携帯性を最重要としなければ、タムロン「28-75mm F2.8 Di III VXD G2」も要検討。

シグマ「28-70mm F2.8 DG DN|Contemporary」交換レンズデータベース

主な仕様

  • レンズ構成:12群16枚(FLDガラス2枚、SLDガラス2枚、非球面レンズ3枚)
  • 絞り:F2.8-F22
  • 最短撮影距離:0.19m(広角端)/0.38m(望遠端)
  • 最大撮影倍率:1:3.3(広角端)/1:4.6(望遠端)
  • フィルター径:φ67mm
  • サイズ:φ72.2 x 101.5mm
  • 重量:470g(Lマウント)
  • 簡易防塵防滴
  • ナノポーラスコーティング
  • 撥水・防汚コート

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