Sony Alpha Blogがタムロン「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD」のレビューを公開。5000万画素でも絞り開放から全体的に優れた解像性能を発揮し、ボケも望遠側で滑らかで綺麗と評価。ただし大きく重いレンズとのこと。
Sony Alpha Blog:Tamron 35-150mm F2-2.8 Di III VXD
レンズの紹介:
- これまでのソニーEマウント用ラインアップから大きな一歩となるレンズだ。
- USB-C経由でレンズドック無しでカスタマイズが可能となり、ビルドクオリティが向上し、エルゴノミクスがとても良好だ。
- 35-150mm F2-2.8のカバー範囲で、24-70mm F2.8と70-180mm F2.8のレンズを一つにまとめることが出来る。
ビルドクオリティ:
- レンズフードはハイクオリティなプラスチック製だ。
- レンズマウントは防塵防滴仕様となっている。
携帯性:
- このレンズは非常に重く、非常に太いレンズだ。
- フィルター径は67mmでは無く、82mmを採用している。
操作性:
- ズームリングはとても良好なトルクで滑らかに操作できる。動画撮影でも滑らかな操作が可能だ。
- フォーカスリングは少し小さいが、絞りリングとして利用することも出来る。
- USB-C経由でレンズのファームウェアアップデートのほか、スイッチやフォーカスリングをカスタマイズ可能だ。
- 3系統のカスタムモードスイッチを搭載している。このスイッチを切り替えることでAFLボタンの役割を変更することが可能だ。
・カメラ側のカスタマイズ
・AFLボタンを押すことで絞りリングとして機能
・フォーカスプリセット
・A-Bフォーカス- フォーカスリングをカスタマイズ可能だ。
・リニア/非リニア
・リニア時のストロークを90度?360度
・回転速度のレスポンスオートフォーカス:
- 静止画・動画どちらでも非常に高速かつ正確で静かに動作する。
- 連写モードで完全に機能するが、α1の連写は10コマ秒に制限される。
- 瞳AFは完全に機能する。
- VXDモーターは非常に高速だが、70-180mmや70-200mm GMほどではない。
- フォーカスブリージングは目立たない。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- α7R IVでテストした。
- 非常に良好だが、優れたシャープネスを得るにはF4?F5.6まで絞る必要がある。
- α1の5000万画素であれば絞り開放から優れた結果となる。
- 中央から隅まで一貫したシャープネスだ。
- 全体的に見て、5000万画素ならば一貫性のある優れた性能だが、α7R IVでは絞り開放の性能に限界がある。
- ポートレートでは絞り開放からとても良好だが、1段絞るとシャープネスが向上する。
- 遠景では中央から隅までとても一貫したシャープネスとなる。F2.8だと、隅は中央と大きな差が無いものの、コントラストは少し低い。F5.6まで絞ると良いだろう。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 中央はとても良好だ。玉ボケは円形で柔らかいが、フレーム端では口径食の影響が見られる。
- 玉ねぎボケの兆候はわずかで、心配する必要は無い。
- 70mm以上のボケは非常に良好だが、35mmは少し騒がしい。
- 発色はとても良好だ。
色収差:
- 色収差は良く抑えられている。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 典型的な収差が見られる。
- 35mmで強い樽型、150mmで強い糸巻き型となる。
周辺減光:
- 絞り開放で重い光量落ちが見られる。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 逆光耐性は平凡だ。
- F16まで絞ると素敵な光条が発生する。
24-70mm F2.8+70-180mm F2.8との比較
- 2本のレンズを携帯するよりも20%重量は軽くなる。価格も20%抑えることが出来る。
- カメラに装着した際の重量は50?100%重くなる。これは好みの問題と思う。
- 24-70mm F2.8 G2と70-180mm F2.8はAF速度とボケ味が少し良好だが、シャープネスはとても似ている。
- シャープネスは24-70mm F2.8 G2よりも少し良好で、70-180mm F2.8よりも少し悪い。これらの違いは5000万画素?6100万画素で分かる程度だ。
- 35-150mmは口径食が強い。
- 後ボケは24-70mm F2.8 G2よりも良好だが、70-180mm F2.8ほど柔らかくない。
- 逆光耐性はどのレンズも非常に良好とは言えない。それでも35-150mmが最もフレアが発生しやすい。
- 色収差に大きな差は無い。
総評
個性的なレンズだ。結婚式などで「これ一本」で撮影する場合に適している。シャープネスは5000万画素まで絞り開放から優れているが、6100万画素では非常に良好な結果しか得られない。ボケやAFはとても良好で、エルゴノミクスは優れている。ビルドクオリティはとても良好で、シグマDG DNシリーズに似ている。
主な欠点は重量だ。数時間の撮影で疲れてしまう。さらに、競合レンズと比べて抜群の性能とは言えない部分がいくつかある。AFは70-180mm F2.8のほうが少し良好で、玉ボケは口径食の影響が強い。そして35mmの後ボケは少し騒がしく見える。
5000万画素までのカメラでハイクオリティなレンズを一本だけで撮影するのであれば、おススメだ。
- 長所:
・6100万画素で非常に良好、5000万画素で優れた絞り開放の画質
・中央から隅まで一貫した画質
・滑らかな後ボケ(70mm以上)
・とても良好なコントラスト
・とても良好な玉ボケ
・とても良好な発色
・とても良好な肌調
・優れたエルゴノミクス
・レンズカスタマイズ
・とても良好なズームリングの操作性
・とても良好なAF
・防塵防滴
・とても良好なビルドクオリティ
・低色収差
・低フォーカスブリージング- 平凡:
・1800ユーロ
・玉ボケの口径食
・35mmにおける騒がしいボケ
・歪曲収差
・逆光耐性- 短所:
・大きく重い
・三脚座非対応
とのこと。
とても一貫性のある優れたシャープネスの大口径レンズのようですね。5000万画素の高解像センサーでも絞り開放から隅まで非常に良好な結果を得られるのは凄い。ボケは広角側で少し騒がしく見える場合があるものの、ボケが重要となる望遠側では特に問題無さそうですね。(ただし口径食が強いのでボケのサイズによっては四隅が騒がしく見えるかもしれません)
やはり問題はレンズサイズにある模様。重量は1?を超えており、ソニーの新しい「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」よりも重いレンズとなっています。三脚座にも対応していないので、長時間の手持ち撮影は確かに辛そうです。レンズ交換に問題が無ければ24-70mmと70-180mmを携帯するのが無難かもしれません。
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