PhotographyBlogが「50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD」のレビューを公開。補正可能な一部の欠点があるものの、解像性能は驚くほどの均質性を示し、AFは高速で、豊富な機能を備えていると高く評価しています。
PhotographyBlog:Tamron 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD Review
(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)
外観・構造:
- ビルドクオリティは良好である。
- 外装は全体的にプラスチック製だが、しっかりとした質感だ。
- 従来と比べると光沢のあるブラックの塗装で、傷や指紋に強くなっている。
- レンズマウントは金属製だ。
- USB-Cポート経由でファームウェアアップデートやレンズカスタマイズに対応している。
- 8点のシーリングで耐候性を備えている他、前玉にはフッ素コーティング処理が施されている。
- 花形のレンズフードが付属する。
- 三脚リングは別売りだ。
携帯性:
- 全長183mm、重量1,155gと大きく重いレンズだ。
- 70-200mm F2.8や100-400mmと重量やサイズが似ていると考えると、50-400mmのズームレンズとしては望ましいレンズサイズだ。
- APS-Cにも装着可能だがバランスが悪い。
- α7R IVのようなカメラと装着するとバランスは良好だ。
- ズーム操作で内筒が7.5cmほど伸びる。
操作性:
- 十分な幅のズームリングは75度のストロークで滑らかに回転する。
- 50mm時にズームリングを固定するスイッチがある。スイッチを使わなくても自重落下しない程度に抵抗がある。
- AFLボタンはカスタマイズ可能だ。
- フォーカスリングは回転方向やレスポンスをカスタマイズ可能だ。
フォーカス:
- VXD駆動で動作する。
- ほぼ無音で非常に高速だ。
- ズーム全域で優れた接写性能を備えている。
手ぶれ補正:
- 光学手ぶれ補正を搭載している。
- 側面のスイッチでモード1/2を切り替え可能だ。
解像性能:
- 50mmの中央はF4.5から良好だ。フレーム端は中央とほぼ同じで、F5.6から最良の結果が得られる。
- 100mmの中央はF5.6から良好だ。フレーム端は中央とほぼ同じで、F8から最良の結果が得られる。
- 200mmの中央はF6.3から良好だ。フレーム端は中央とほぼ同じで、F8から最良の結果が得られる。
- 300mmの中央はF6.3から良好だ。フレーム端は中央とほぼ同じで、F8から最良の結果が得られる。
- 400mmの中央はF6.3から良好だ。フレーム端は中央とほぼ同じで、F8から最良の結果が得られる。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 非常に良好な描写だ。
色収差:
- 色収差はきちんと補正されている。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- RAWには目立つ糸巻き型歪曲が見られる。
周辺減光:
- 絞り開放の四隅で顕著な周辺減光が見られる。
- F11まで絞ると解消する。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- F22-32で素敵な光条が発生する。
- 絞るとフレアが発生しやすい。
総評
50mmから400mmまでをカバーする便利な超望遠ズームレンズだ。さらにズーム全域で優れた接写性能を備え、高速で正確なAFシステムや効果的な手ぶれ補正を搭載。また、USB-Cポート経由でカスタマイズやファームウェアアップデートにも対応している。
光学性能は歪曲収差や周辺減光など後処理が必要な点を除ければ画質面の妥協点はほとんど無い。高倍率ズームの全域で中央からフレーム端まで非常にシャープな結果が得られるのは驚きだ。
アキレス腱は開放F値がF4.5-6.3と暗いことだ。そして100mm F5.6、200mm F6.3と暗くなるのも早い。また、三脚リングが別売りや、テレコン非対応には注意が必要だ。また、α1やα9などのスピードタイプのカメラでは連写速度に制限がある。
それでも、機能・性能・画質に妥協しない高倍率ズームレンズが必要であれば、あなたにピッタリのレンズとなるだろう。
とのこと。
一般的な100-400mmと比べて広角側は50mmまで拡張した高倍率の超望遠ズームレンズですね。画角の広い50mmから400mmまでを利用できるので、これ一本で幅広い撮影に対応することが可能となっています。開放F値がやや暗めなので、屋内や低照度の撮影は不向きですが、それでも一般的な100-400mmと比べて大きな違いはありません。比較して非常に高い接写性能や、高速AFなども考慮すると汎用性の高いオールインワンの望遠ズームレンズと言えそうですPhotographyBlogの評価は高く、最終的に5点満点と結論付けています。
私もα7R IVやα7 IVと組み合わせて愛用中です。PhotographyBlogのレビュー通り、高倍率を感じさせない光学性能で非常に満足のいく結果が得られています。50mmの画角の広さや0.5倍のハーフマクロはやはり便利で、風景撮影から動物、鳥、花や昆虫まで様々な被写体に対応できるパフォーマンスがあります。カジュアルに持ち歩くレンズサイズではないものの、400mmが必要なシーン50mmや接写性能が必要であれば検討する価値があるレンズ。普通の100-400mmとして使う場合も優れた選択肢となりますが、その場合は同社の「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」も要検討。
タムロン 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD 最新情報まとめ
レンズの仕様
レンズの仕様 | |||
---|---|---|---|
発売日 | 2022年9月22日 | 初値 | 148,500円 |
マウント | E | 最短撮影距離 | 0.25-1.5m |
フォーマット | フルサイズ | 最大撮影倍率 | 1:2-1:4 |
焦点距離 | 50-400mm | フィルター径 | 67mm |
レンズ構成 | 18群24枚 | 手ぶれ補正 | 対応 |
開放絞り | F4.5-6.3 | テレコン | - |
最小絞り | F22-32 | コーティング | BBAR-G2 |
絞り羽根 | 9枚円形絞り | ||
サイズ・重量など | |||
サイズ | φ88.5×183.4mm | 防塵防滴 | 対応 |
重量 | 1,155g | AF | VXD |
その他 | USB-Cポート・ズームロック | ||
付属品 | |||
レンズフード |
関連レンズ
- FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS
- FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
- 100-400mm F5-6.3 DG DN OS
- 70-300mm F4.5-6.3 Di III RXD
関連記事
- 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD Z-mountはニコンの半値で完成度が高い 2024年9月18日
- タムロン 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD ニコンZ用 正式発表 2024年8月29日
- タムロンは 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD Z-mountを本日発表する? 2024年8月29日
- 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD Z-mountの画像・スペックのリーク情報 2024年8月26日
- ニコンZマウント版の50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDが数週間以内に発表される? 2024年8月25日
- 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDはズーム全域で見事な画質 2023年4月8日
- 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDは驚くほど軽量なレンズ 2023年1月22日
- 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDは迷うことなくおススメできる望遠ズーム 2022年12月17日
- タムロンが50-400mm / 150-500mmのAF追従性を大幅に向上する最新ファームウェアを公開 2022年12月15日
- 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDは全体的にシャープで驚くほどの画質 2022年11月17日