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タムロン「70-300mm F4.5-6.3 Di III RXD」小型軽量・低価格だがフレーム端が甘い

Phototrendがタムロン「70-300mm F4.5-6.3 Di III RXD」のレビューを掲載。小型軽量で中央シャープネスを評価しつつ、フレーム端や四隅の画質があまり良くないと指摘しています。特に70mmがソフトとのこと。

小型軽量で汎用性の高い望遠ズーム

Phototrend:TEST TAMRON 70-300 MM F/4,5-6,3 DI III RXD, TÉLÉOBJECTIF LÉGER ET ABORDABLE POUR HYBRIDES SONY

  • 幅広いズームレンジを備え、風景・ポートレート・スポーツ・動物などに対応できる、とても汎用性のあるレンズだ。
  • 70-180mm F/2.8 Di III VXD」に続く、Di IIIシリーズで2本目となる望遠ズームレンズである。
  • 他のEマウントレンズ同様、タムロンらしいデザインとエルゴノミクスを継承している。
  • 絞り開放F値は「F4.5-6.3」だ。これは特に明るいF値ではなく、ソニー「FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS」よりも暗い。ただし、タムロンはソニーより遥かに手頃な価格設定である。
  • 望遠ズームレンズでサイズダウンするため、タムロンはいくつか犠牲を払っている。それは開放F値であり、そして光学手ぶれ補正を省略していることだ。このレンズの手ぶれ補正はボディ側の補正に依存している。
  • 最短撮影距離はとても一般的だ。焦点距離70mmで0.8m、焦点距離300mmで1.5mだ。
  • 10群15枚のレンズ構成には色収差を抑えるLDレンズが含まれている。
  • 重量はわずか545gと非常に軽量でコンパクトだ。「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD」よりさらに軽いのだから驚きである。α7 IIIと組み合わせた際の重量はわずか1195gだ。驚くべき軽さの望遠ズームを設計したタムロンエンジニアに拍手喝采だ。
  • 直径77mm、全長148mmであり、このクラスでは最も軽量でコンパクトな70-300mmだ。
  • フィルターサイズはDi IIIシリーズで統一されている67mmを継承している。
  • 構造を簡略化するため、望遠側へズームすると内筒が伸びる仕組みとなっている。300mm時にレンズは約6cm伸びる。付属のレンズフードを装着するとさらに7.5cm伸びる。
  • レンズが軽いため、ボディ側のネジ穴で三脚に固定してもフロントヘビーとは感じない。
  • 日本設計・中国製造のレンズである。
  • 幅広いズームリングはグリップが優れている。残念ながらズームをロックするスイッチは存在しない。
  • フォーカスリングの幅は狭いが、それでも快適に利用可能だ。ストロークは回転速度に依存し、素早く操作すると最短撮影距離から無限遠まで素早く移動可能だ。
  • レンズには「AF/MF」「AFリミッター」スイッチは搭載していない。
  • シャープネスは優れている。日常的な撮影の強い味方となることだろう。ただし、より高価な「70-180mm F/2.8 Di III VXD」ほどではない。特に絞り開放の70mmはシャープネスが明らかに悪化する。
  • 70?100mmの中央は絞り開放から良好だ。F8で向上し、F10でピークとなる。その一方でフレーム端は壊滅的だ。絞り開放では四隅が甘く、絞ると徐々に改善するが中央には遠く及ばない。
  • 150?200mmで光学性能はより満足いくものとなる。中央は絞り開放から良好だが、絞ると著しく向上する。フレーム端はここでも甘くなるが、絞ると改善する。
  • 300mmにおける中央のピークはF10だ。四隅は出遅れ、F11~F14でのみ改善する。
  • 全体的に見て一貫性に欠けたシャープネスだ。これまで見てきたタムロン製Eマウントズームと比べると見劣りする。
  • 周辺減光、色収差の点ではとても良好だ。ただし最も厳しい状況ではいくらか色づきが発生する。
  • 歪曲は自動補正適用時でもわずかな糸巻き型歪曲だ。自動補正をオフにすると目立つ糸巻き型となる。
  • 開放F値
    ・70?100mm:F4.5
    ・110?145mm:F5
    ・145?230mm:F5.6
    ・230?399mm:F6.3
  • 接写性能は一般的だが、ボケ描写はとても綺麗だ。
  • オートフォーカスは実質無音で高速だ。日中でフォーカス速度は十分高速だが、被写体が小さいとミスショットとなる可能性がある。低照度ではオートフォーカスの精度が低下し、フォーカスに失敗することもある。
  • 手ぶれ補正はボディ側に依存している。70mmでの補正効果は期待できるが、300mmはあまり期待しない方がいい。スローシャッター時は三脚必須である。
  • FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS
    優れたシャープネスの画質を備え、オートフォーカスは高速で、光学手ぶれ補正を搭載している。欠点はレンズが重いことだ。タムロンが545gであるのに対し、ソニーは854gもある。一日の撮影では疲労の蓄積が異なる。そして価格設定も大きく異なる。
  • FE 70-200mm F4 G OSS
    古く、焦点距離は短いものの、開放F値「F4」固定の興味深い選択肢だ。
  • 70-180mm F/2.8 Di III VXD
  • ズームレンジは狭いが優れた画質を備えている。さらにMF時に最短撮影距離が非常に短くなる。

汎用性の高い望遠ズームレンズだ。プロやハイアマチュア向けではないが、手ごろな価格の望遠ズームレンズは面白い選択肢となるだろう。

全体的に見るとポジティブな結果だ。優れた仕上がりと小型軽量デザインにより、日常的に使用するのがとても快適である。α7 IIIやα7Cとの組み合わせに適しているはずだ。小型軽量化のためにいくらか犠牲を伴っており、光学性能は純正や同社の望遠ズームには及ばないが、フルサイズミラーレス向けの手ごろな価格設定と汎用性は多くのソニーユーザーに響くと思う。

長所:中央でしっかりとしたシャープネス・小型軽量・良好なビルドクオリティ・幅広いズームレンジ・手ごろな価格設定・レンズフード・快適なズームリング・満足のいくフォーカスリング

短所:フレーム端のシャープネスが悪い・望遠側の開放F値・90?200mmで糸巻き型歪曲・F8まで強めの周辺減光・物理的なボタンが無い・レンズフード+300mmでの全長

とのこと。
Mobile01やSony Alpha Blogと同じく、中央画質は評価しつつもフレーム端は甘いと指摘しています。ボケは綺麗ですが、風景撮影で満足のいく解像性能を得られるかどうかは人によりそうですね。今後、ユーザー投稿が増えてくると思うので実写作例をしっかりとチェックしたいところ。

手ぶれ補正非搭載はやはり望遠側でかなり苦労する模様。開放F値も考慮するとISO感度が上がりやすいと理解しておいたほうが良さそうです。

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