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ソニー「E 16-55mm F2.8 G」は歪曲収差を補正すれば優れた光学性能のレンズ

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Optical Limitsがソニー「E 16-55mm F2.8 G」のレビューを公開。歪曲収差が自動補正前提であるものの、それ以外は優れた光学性能で後ボケも滑らかと言及しています。

Optical Limits:Sony E 16-55mm f/2.8 G - Review / Test Report

レンズの紹介:

  • ソニーAPS-C用レンズは二の次と言った印象があり、例えば富士フイルムXマウントと比べるとレンズラインアップは限られている。フルサイズ用レンズを利用できるものの、APS-Cよしては高価となり、それに標準ズームに相当するものは無かった。
  • 2019年まで大口径標準ズームの選択肢が存在しなかったが、ついにソニーは「E 16-55mm F2.8 G」をリリースした。多くのユーザーが価格設定以外は望んでいた仕様のレンズだ。

ビルドクオリティ:

  • Gシリーズのレンズとして高いビルドクオリティを備えている。
  • 金属マウントと頑丈なプラスチック外装で作られている。
  • ズームするとレンズが伸びるものの、内筒にガタツキは見られない。
  • 防塵防滴仕様に加えて前面にはフッ素コーティングが施されている。

携帯性:

  • 驚くべきは比較的コンパクトなことだ。
  • 例えば富士フイルムXF16-55mm F2.8 R WRは30%重い。

操作性:

  • ズームリング・フォーカスリングはどちらも滑らかに回転する。
  • Gシリーズらしく、側面にはAFLボタンを搭載している。

オートフォーカス:

  • XDリニアモーター駆動のフォーカスは高速かつ正確で静かだ。

マニュアルフォーカス:

  • 電子制御式フォーカスリングのレスポンスはリニア(ストロークが一定)である。

手ぶれ補正:

  • 手ぶれ補正は搭載していない。ボディ内手ぶれ補正を搭載していないAPS-Cカメラが存在することを考慮すると残念だ。

解像性能:

  • 中央はズームレンジ全域・絞り値全域で優れている。
  • 周辺や隅もズーム広角?中間域で優れている。
  • 55mmで僅かに低下するが、F2.8でも周辺部は良好だ。
  • 全体的に、とても見事な性能である。
  • ただし、この結果はRAWの時のものである。歪曲収差をオンにすると、切れ味が落ちる。中央でさえ低下しているが、実写では目立たないと思われる。

像面湾曲:

  • 像面湾曲は最小限だ。

ボケ:

  • APS-Cとしては大口径だが、フルサイズではF4.3に相当するのでボケ量は期待しないほうが良い。
  • 非球面レンズを使用しており、玉ボケの内側はとても騒がしい。しかし、縁取りはほとんどなく、F5.6まで絞っても円形を維持している。
  • 玉ボケは四隅に向かって口径食の影響を受ける。通常の「猫の目」よりも不快な形状だ。F4?F5.6まで絞ると改善する。
  • 後ボケは滑らかで、大部分の標準ズームよりも明らかに優れている。

色収差:

  • 倍率色収差は目に付かず、心配する必要は無い。
  • 軸上色収差はF2.8で多少の色付きが見られるものの、このクラスでは一般的なものだ。F5.6まで絞ると解消する。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • 16mmは8%と目立つ樽型歪曲だ。魚眼レンズとは言わないが、非常に残念である。
  • 24mmでは2.4%と健全な水準まで低減する。
  • 35mmで折り返し、55mmで1.4%と穏やかな糸巻き型になる。
  • ソニーが歪曲収差の光学的な補正を諦めたのは明らかだ。実際、ボディの自動補正をオフにすることは出来ない。
  • 少なくともボディ側で補正できるので心配する必要は無い。

周辺減光:

  • RAWの16mmは実用的ではない。隅が真っ黒だ。これは歪曲収差をオフにして使うことを前提としていない。
  • 歪曲補正を有効にしてもF2.8では非常に目立つ。
  • F5.6以降で許容範囲内となる。
  • 焦点距離が長くなるほど低減し、F4以降で適切な結果を得ることが出来る。

コマ収差:

  • 記載なし。

逆光耐性:

  • 記載なし。

作例集

総評

まず最初に大きな問題について触れておこう。E 16-55m F2.8 Gは、画像の自動補正なしで使用することを想定していない。ソニーはこのことをカメラの設定でも明確にしている(JPEGの歪み補正をオフにすることはできない)。この価格帯では残念なことかもしれないが、ほとんどのユーザーはこの問題を気にすることはないだろう。
画像の自動補正を有効にすれば、現在市販されているAPS-C用標準ズームレンズの中で最も優れたレンズになる。解像感の点で弱点はなく、色収差も見当たらない。補正された歪曲は、当然ながら心配する必要は無い。F2.8でまだ若干の周辺光量低下が見られるものの、過度ではなく、もちろん絞り込んで改善する。ボケ質は標準ズームレンズとしてまずまずのレベルだと思う。玉ボケは少し見苦しいが、一般的な描写は実際には見事なほど滑らかである。

ビルドクオリティは非常に高いが、Gクラスのレンズにはそれ以上のものを期待していた。ソニーは高品質の材料を使用し、防塵防滴を実現している。ズーム時にはレンズが伸びるのは理想的ではないかもしれないが、きちんとした光学性能を実現したいのであれば、すべてのメーカーにとってこの方法が良いだろう。
AFはかなりスピーディーで静かに動作する。最大の欠点は、手ぶれ補正機能がないことだα6500/6600をお持ちの方は気にならないと思うが、それ以外の、大多数のソニーAPS-Cユーザーはカメラ内手ぶれ補正を利用することができない。とはいえ、高価なソニーE 16-55mm F2.8 Gを買える人は、最新で最高のカメラボディを持っている傾向がある。

ソニーのAPS-C用レンズのラインナップはまだ完全では無いが、高品質なズームレンズの興味深いラインナップが揃った。ソニーE 10-18mm F4 OSS、E 16-55mm F2.8 G、E 70-350mm F4.5-6.3 G OSSは、小型・軽量で非常に魅力的な組み合わせである。

とのこと。
歪曲収差が補正全体のため、自動補正に対応していないRAW現像ソフトを使用する際は気を付けたほうが良さそうですね。他社のようにRAWにプロファイルが格納されていないので、社外製ソフトを使用する場合はプロファイルを探すか、手動補正の必要性が高いレンズとなります。

とは言え、JPEGを利用する場合、動画撮影の場合、レンズプロファイルを利用できる環境では優れた大口径ズームレンズとなる模様。手ぶれ補正を搭載していないものの、小型軽量でAPS-Cミラーレスと組み合わせてバランスの良いサイズに仕上がっているように見えます。
ただし、手ぶれ補正を搭載してより低価格なタムロン「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD」は要検討と言ったところでしょうか。サイズは少し大きいですが…。

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