DPReviewがキヤノン「EOS R6」のレビューを公開。このクラスで最高の使い勝手と性能の組み合わせを実現しており、キヤノン製フルサイズカメラとしては久しぶりの「GOLD」評価を獲得した模様。
フォトグラファー向けの優れたカメラ
DPReview:Canon EOS R6 Review: not the hybrid king, but a great photographers' camera
好きなところ
- RAW・JPEGどちらも優れた画質
- 際立ったエルゴノミクス
- 良好なダイナミックレンジ
- 低画素ながらきちんとした解像性能
- HDRモニタを見据えたHEIF出力対応の賢明な選択
- 見事な連写性能
- 僅かなセットアップで人間・動物どちらも非常に良好なAF
- 説得力のあるバッテリーライフ
- 10Bit HDRやログ機能を備えたディテール豊富な動画
- 静止画と動画の設定値が分かれている
- USB給電・充電に対応
- 外部充電器が付属する
好きでは無いところ
- ローリングシャッターの影響が優れた動画の見栄えを損なう
- いくつかの機能が簡単にアクセスできない(HDR PQなど)
- RAWに適用されるノイズリダクションをオフに出来ない
- カメラの使用で動画の連続撮影時間が低下する
- AFに完璧を求めるとセットアップが煩雑となる
キヤノンEOS R6は、本を読んだり聞くだけでは過小評価しがちなカメラだ。話題になっている動画や解像度の欠点を見て、「惜しいカメラ」だと想像するかもしれない。しかし、実際に撮影してみると、特にスチール写真の場合は、本当に優れたカメラであることがすぐに分かる。
その2000万画素センサーは、競合機種よりも解像度では少し低いが、評価できるほどの違いを作る程には至らない。低照度性能は非常に優れており、ダイナミックレンジは編集時に柔軟性がある。
低ISO感度でいくらか強制的なノイズリダクションが適用されているのは残念で、モードによって12Bit出力になると把握しておく価値はある。
しかしほとんどの撮影では、これらが悪影響を及ぼすことは無いだろう。魅力的なJPEGと柔軟なRAW出力を得ることが出来る。動画に関しては少し不明瞭だ。スペックは印象的であり、静止画と動画の設定分離はよく考えられており、オートフォーカスは非常に優れている。4K動画における、40分程度の連続撮影時間は十分に見えるが、カメラを使用するとその合計時間は低下し始め、想像以上に録画時間が制限される可能性がある。さらに、ローリングシャッターの影響はスペックが示唆しているほど強力な動画機材ではないことを意味している。
しかし繰り返しになるが、結果は非常に印象的なものになることが多い。何よりもR6は、手にしっくりと馴染み、ボタン・ダイヤルの位置も良く、撮影がとても楽しいカメラだ。また、多くの機能に素早くアクセスできるよう、高水準のカスタマイズが可能だ。
もちろん完璧ではない。例えば、HDR PQモードや高輝度諧調優先モードを素早く設定する方法がないため、本当に面白い機能にアクセスするには、妙に不便な感じがする。しかし、重要な写真撮影の基本機能はいつでも指先で操作できる。「とりあえず撮ってみよう」という気持ちの根底には、ほとんどの場合、AFシステムが機能していることが挙げられる。微調整の方法はたくさんあるが、ほとんどの撮影では必要ないものだ。プロスポーツカメラに匹敵する性能を多くの人が手にしている。R6のボディ内手ぶれ補正システムも優れており、手ブレを気にする必要はない。
このため、EOS R6はスペックシートの期待に応えることはできないが、熱心なビデオグラファー以外の人たちがEOS R6に少しでも失望しているとは考えにくい。EOS R6は、おそらくこのクラスでは最高の使い勝手と性能の組み合わせを実現している。
競合機種考察
- ソニーα7 IIIと比べて
R6はかなり高価で、画質やAFに有意な差は無い。しかし、優れたエルゴノミクスと分かりやすいAFインターフェースのおかげでより楽しく撮影することが可能だ。
ローリングシャッターが目立ち、オーバーヒートの可能性があるものの、静止画と動画の設定分離は優れており、10Bitのフッテージは柔軟性がある。さらに優れた連写性能や高解像ファインダー、そして優れたボディ内手ぶれ補正を考慮すると、我々のお気に入りとなる。
ただし、ソニーはより豊富なレンズラインアップを揃えている。- ニコンZ 6と比べて
コントロールレイアウトはニコンより柔軟性がると思うが、これは好みにもよると思う。しかし、多くの点でZ 6よりも少し優れた性能だ。ローリングシャッターやオーバーヒートは考慮する必要があるものの、連写速度や4K 60pの内部記録、HEIF出力などの機能を備えている。- パナソニックLUMIX S1と比べて
R6の強みは静止画・動画で信頼できるオートフォーカスシステムを備えていることだ。そして、有料アップデートなしでログ機能を利用することが可能だ。ただし、アップデートしたS1はより信頼性の高い動画仕様を備えている。
どちらも見事な手ぶれ補正システムを搭載しており、S1はピクセルシフト式ハイレゾモードで高解像写真を撮影可能だ。風景撮影で強力な機能となるだろう。高解像ファインダーと堅牢なボディもファンを引き付けるはずだ。
とのこと。
このクラスとしてはやや高めの価格設定ですが、それだけの価値はありそうですね。
画質の項目では、「低画素×ローパスフィルター」ながら競合モデルと比べてディテールの再現性に違いがほとんど無いと述べています。高ISO感度時のノイズも裏面照射型CMOSの競合モデルと大差無い模様。ただし、JPEG出力のノイズリダクションが強めの効果となり、ディテールを損ないやすいと指摘しています。
EOS R5と同じく、低感度ISOでRAWに作用するノイズリダクション(深いシャドウ領域)が強制的に適用されるようです。RAW出力の柔軟性を高めるためだと思いますが、ノイズよりディテール再現を優先する人を気を付けたほうが良いかもしれません。(Photons to Photosの中の人曰く、ソニーの「星喰い」問題とは別の話であり心配する必要はないとのこと)
また、電子シャッターを使用した場合、ダイナミックレンジが狭くなる点にも注意が必要。
オートフォーカスは基本性能を高く評価し、シチュエーションに合わせて設定を変化させることで完璧なパフォーマンスを追求できると述べています。私もEOS R5で体感していますが、確かにとても良好で、快適なAF性能だと思います。
動画の画質はクラス最高と評価していますが、オーバーヒートとローリングシャッターの問題を指摘。さらにDCI 4K非対応のため、フル画角が使えないことを残念と述べています。最大の問題はオーバーヒートのようで、これが改善されるとさらに評価が高まるかもしれません。ファームウェアアップデートに期待。
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