DPReviewがCinema 5Dによるキヤノン「EOS R6」のレビュー動画をピックアップしています。EOS R5と同じく、動画撮影の連続使用でオーバーヒートしてしまう模様。
DPReview:Cinema5D's real-world experience raises concerns about EOS R6 overheating
キヤノンは、新しいEOS R5とR6が、オーバーヒート問題により動画撮影に制限を受けてしまうことを明らかにた。そして、Cinema5DのJohnnie Behiri氏が「First Look」動画の中で指摘するには「スペックシート上で推定される撮影時間」と、「実際の影響」は全く違うそうだ。
Behiri氏は、プリプロダクションモデルのEOS R6カメラを試すために、「Never Say No」と題したミニドキュメンタリーを日本で撮影した。このミニドキュメンタリーは「First Look」動画に挟まれていて、見た目は素晴らしいが、撮影はBehiri氏が期待していたほど素晴らしいものでは無かったようだ。
動画の冒頭でBehiri氏は、EOS R6のボディ内手ブレ補正(IBIS)とオートフォーカスの機能をレポートしたかったが、撮影中のオーバーヒートによる制限のため、それらの機能は後回しにされてしまったと述べている。
「スペックシート上で(時間的な制約を)見るのと、実際に撮影してみるのとでは、全然違うんですよ」とBehiri氏は言う。彼はほとんどを4K/24pで撮影していたが、EOS R6がオーバーヒートした後に必要なフッテージを得るため、1080/24pでの撮影に頼らざるを得なかったと述べている。彼は、カメラを冷やすために扇風機や氷袋を使わなければならないところまで行ったそうだ。
プリプロダクションモデルEOS R6を使った経験をまとめると、Behiri氏は「一方で、多くの便利な機能や素晴らしい機能を持っているツールだが、他方では、自分が望む撮影ができないので、それらの機能は少し無意味である」と語る。
彼は、カメラを使った経験を効果的に要約し、「カメラをコントロールするのではなく、カメラがあなたをコントロールしている」と述べている。そして「カメラはオーバーヒートしてしまい、再度撮影できるようになるまでどのくらいかかるかわからない」と言う。Behiri氏は、Cinema5Dのブログで、このカメラを使った経験をさらに掘り下げた記事を公開した。オートフォーカスが大部分の場合に「素晴らしい」と喜び、明瞭な画質を高く評価している。しかし、ポジティブな点はそこで終わってしまう。
撮影中のローリングシャッターは「恐ろしい」ものだったと述べ、最終的にこのカメラは「自分のために機能するカメラではない」と結論付けている。これはプリプロダクションモデルではあったが、キヤノンの担当者は「ほぼ完成したモデル」と言っていたとBehiri氏は述べている。日本の天気は華氏82度前後(訳注:摂氏28度ほど)の暖かさではあったが、極端な暑さではなかったという。
とのこと。
Cinema5Dのレビュー記事はコチラ。Behiri氏はR5・R6にはかなり期待していたようで、実際に評価できる部分も多い模様。しかし、オーバーヒートがかなり痛い問題となってしまったようです。カメラに氷袋を載せている画は衝撃的ですね。
EOS R5と同じくハイクオリティな動画撮影の連続使用であっと言う間にオーバーヒートしてしまう模様。能動的な冷却システムを持たず、ボディ内手ぶれ補正を搭載したEOS R5・R6にとって動画撮影の発熱対策は不完全と言えそうです。
キヤノンは機能性ではなく、撮影時間でCinema EOSと棲み分けを図ったのでしょうか?「本格的な動画撮影はCinema EOSで」と暗に示しているのかも。この辺りはソニーやパナソニックと比べてしっかり差別化しているように見えます。所詮はスチル機と言うことでしょうか。「スチルメインで合間のショートムービー」なら問題は無さそうです。
Canon Rumorsによると、キヤノンは2020年晩夏にたらしいRFカメラを発表する可能性があるとのこと。ひょっとしたら、そこでRFマウントのCiema EOSが登場するのかもしれません。
個人的に気になったのがローリングシャッターの影響。静止画の「追従20コマ秒」の連写速度は電子シャッター利用時のみ可能ですが、ローリングシャッターの影響が強いとあまり現実的な選択肢とは言えません。動画ではなく静止画でどれほど影響があるのか気になる所。
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