PhotographyBlogが「LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH.」のレビューを公開。周辺はやや甘いものの、絞り全域で優れた中央解像を発揮し、広角レンズとしては良好なボケが得られるとのこと。
PhotographyBlog:Panasonic Leica DG Summilux 9mm F1.7 ASPH Review
外観・構造:
- ビルドクオリティはGH6と一致している。
- 防塵防滴に加えてー10°の耐寒仕様である。
- レンズマウントは金属製だが、フォーカスリング、鏡筒、フィルターソケットは全てプラスチック製だ。
- スリムなプラスチック製の花形レンズフードが付属する。
携帯性:
- 重量はわずか130gと信じられない程軽量だ。
- サイズは60.8×52mmで、フィルターサイズは55mmである。
- この9mm F1.7ほど大口径で小型軽量なレンズはない。
- LUMIX GH6との組み合わせでバランスが取れている。
操作性:
- フォーカスクラッチ構造ではない。バイワイヤ方式のフォーカスリングだ。
- フォーカスリング以外のコントロールは全くない。
フォーカス:
- リニアモーター駆動のインナーフォーカス方式を採用している。
(訳注:ステッピングモーター駆動だったはず)- 高速かつ正確で静かなAFだ。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- F1.7から心地よいシャープネスだ。F2~2.8でピークの結果を得ることが出来る。
- 端は中央ほどシャープでは無く、F4~8で最適な結果を得ることが出来る。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 広角レンズとしてはとても良好だ。
色収差:
- コントラストが非常に高い領域を除いて色収差は問題とならない。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 歪曲収差はほとんどない。
周辺減光:
- F1.7で目立つ周辺減光が発生する。
- 解消するには少なくとも3段絞る必要がある。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- F16まで絞ると非常に良好な光条が発生する。
- 太陽をフレームに入れてもフレアはきちんと抑制されている。
総評
周辺部の性能は多少落ちるが、ほとんどの絞りで中心部は満足のいくシャープさだ。F1.7と大口径のため、特にハーフマクロの驚異的な近接撮影機能を利用すれば、背景をぼかすことが驚くほど簡単にできる。歪曲収差はほとんどなく、色収差もあまり気にならず、周辺光量はF1.7で撮影してもそれほど悪くない。
重量はわずか130gだが、品質はとても良好で防塵防滴仕様だ。しかし、このレンズは非常にシンプルで、フォーカスリング以外の外部コントロールがないため、カメラ側のコントロールやメニューシステムをかなり使用する必要がある。AFモーターは、高速で正確、かつほぼ無音でのAFを実現し、静止画と動画の両方に適している。
この新しい9mmレンズは、12年経った今でもマイクロフォーサーズシステムに十分な寿命が残されていることを証明している。オリンパスの8mm魚眼レンズを除いて、このレンズの大口径な開放F値とコンパクトサイズと重量の組み合わせに匹敵する主なライバルはない。
このような革新的で手頃な価格の広角レンズの発売により、パナソニックがMFTレンジを進化させ続けているのは素晴らしいことだ。
とのこと。
他のレビューサイトでもいくらか指摘しているように、絞り開放における周辺部の解像性能は中央と比べると見劣りするみたいですね。実写作例を確認すると、まずまず安定した描写にも見えますが、コントラストを改善するには確かにF4くらいまで絞ったほうが良さそう。絞ってしまえば隅の端までしっかりと解像していますね。サンプルイメージも多数公開しているので参考にしてみると良いでしょう。ただし、PhotographyBlogは回折による解像性能の低下を気にせずF8やF11まで絞る傾向があり、レンズの性能をチェックするには少し不向きかもしれません。
F1.7で長めのピント距離を使った写真は極僅か。ただ、その写真を見る限り、隅まで良好なパフォーマンスを発揮しています。中央の切れ味と比べると少し物足りなさを感じるのは確かですが…。
パナソニック LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH. 最新情報まとめ
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