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M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS 交換レンズレビュー完全版

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このページではオリンパスの交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」に関する外観・操作性・解像性能などあらゆる側面からチェックしたレビューを掲載しています。

レンズのおさらい

レンズ概要

  • 2020-09-11 発売
  • 商品ページ
  • データベース
  • 管理人のFlickrアルバム
  • レンズ構成:15群21枚
    EDレンズ4枚,スーパーHRレンズ2枚,HRレンズ2枚
  • 開放絞り:F5.0 (100mm) – F6.3 (400mm)
  • 最小絞り:F22
  • 絞り羽根:9枚(円形絞り)
  • 最短撮影距離:1.3m(ズーム全域)
  • 最大撮影倍率:0.09倍(Wide)/ 0.29倍(Tele)
  • フィルター径:⌀72mm
  • レンズサイズ:⌀86.4×205.7mm
  • 重量:1,120g (三脚座除く)/ 1,325g (三脚座含む)
  • AF:リニアモーター駆動
  • 防塵防滴:保護等級1級(IPX1)
  • レンズ手ぶれ補正時 3段補正
  • 5軸シンクロ手ぶれ補正 非対応

M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」や「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」がカバーしていた300mmを上回る、400mmをカバーするオリンパスユーザー待望の超望遠ズームレンズ。IPX1規格に対応するオリンパスらしい防塵防滴仕様をはじめ、アルカスイス互換の三脚座が付属し、M.ZUIKOレンズ3本目となる光学手ぶれ補正を搭載しています(ただしシンクロIS非対応)。
ズームレンジ全域で最短撮影距離「1.3m」を実現しており、特に400mmでは最大撮影倍率「0.29倍」のハーフマクロ(35mm判換算で0.58倍)を達成。超望遠マクロも楽しむことが出来ます。
さらに2つのテレコンバージョンレンズ「MC-14」「MC-20」にも対応しているため、焦点距離を延ばしたり、最大撮影倍率を高めることが可能となっています。
PROグレードに近い機能性を備えていますが、なぜか無印シリーズ仕様。今冬登場予定の「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」との差別化でしょうか。
フォーカス駆動にはリニアモーターを採用。静音性と高速性を兼ね備え、さらに滑らかな動作で動画撮影にも適しています。

価格設定は14万円前後と安くありませんが、同セグメントのレンズ「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S.」と価格設定はほぼ同じであり、決して高すぎるという印象はありません。LEICA DGはDual.I.Sに対応するため、より効果的な手ぶれ補正を期待できますが、このレンズはテレコンバージョンレンズに対応しているのが強みとなります。

実はシグマ製じゃないか?」という話もあり、個人的には「おそらく、そうなのだろう」と考えています。とは言えレンズ構成やスペックを見る限り、単なるOEMでは無く、オリンパスの仕様やマイクロフォーサーズに最適化されている可能性あり。がっかりするのはまだ早い。
果たしてこのレンズがサイズ・価格なりのパフォーマンスを発揮するのかどうか、これからじっくりチェックしていきたいと思います。

M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS徹底レビュー

外観・操作性

箱・付属品

「100-400mm」の焦点距離を考えると、案外コンパクトな箱にレンズが入っています。「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」より少し大きい程度。
箱には実焦点距離が大きく掲載されている他、35mm判換算で「200-800mm」と小さく表示しています。換算焦点距離の表記には賛否両論ありますが、個人的には分かりやすいと感じています。(とは言え、MFTの換算焦点距離は35mmフルサイズと比較して2倍換算なので計算楽ですが…。)

箱の中には…
ーレンズ本体+三脚座
ーレンズフード
ーリアキャップ・フロントキャップ
ー説明書・保証書
が入っています。PROシリーズでは無いので、ソフトケースは付属していない模様。三脚座は同梱しているので、特にこれと言って追加購入が必要なアイテムはありません。

外観

外装は無印ズームらしく、プラスチック製パーツを使用しています。質感は1年前に登場した「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3」とほぼ同じ。ズームリングやフォーカスリングの触感も同等、少しプラスチッキーな印象。金属パーツを多用しているPROシリーズと比べるといささか物足りなさを感じます。多くのPROレンズより高価なレンズのため、出来れば金属鏡筒が良かったところ。
一部例外として、三脚リング周囲は強度を考慮してか金属パーツを使用しています。
プラスチックパーツが多いものの、全体的に見るとしっかりとした作りのレンズです。高級感はありませんが、堅牢性・耐候性で特に不安を感じません。

ハンズオン

全長205.7mm、重量1,325g(三脚座含)、マイクロフォーサーズレンズの中では特に大きく重いレンズです。このような望遠ズームレンズを使ったことが無いと、重すぎる・大きすぎると感じるかも。
パナソニックの同等品が三脚座無しで1Kgを切っていることを考えると、このオリンパス製レンズは少し重すぎるように感じます。プラスチック外装であることも考慮すると、もう少し軽くして欲しかったと言うのが正直なところ。
レンズの重心はバランスが取れていると感じますが、当然ながらカメラより重く、フロントヘビーです。このため、左手でレンズを支える必要があります。

前玉・後玉

マイクロフォーサーズ用レンズとしては大きなフ72mmィルター径を採用。とは言え、他にも「12-200mm」「12-100mmPRO」「40-150mmPRO」など同じ直径の円形フィルターに対応しており、同径のフィルターを揃えている人は多いと思います。フィルターが使い回せるので個人的に72mmサイズは歓迎。
相変わらずフッ素コーティングに対応している文言は見つけられないので、汚れの付着が想定されるシーンではプロテクトフィルター着用がおススメ。

金属製レンズマウントはネジ4本で固定。マウント付近には「日本製」を示す刻印があり、このレンズの出自を連想させるものとなっています。
内部は「元となったと思われるレンズ」とデザインが異なり、リブ無しのマットブラックな塗装が施されています。さらに内径が小さく、リアフォーカス用のレンズ群もかなり小さくなっています。おそらく、「元となったフルサイズ対応レンズ」から、マイクロフォーサーズ用に最適化されているものと思われます。

フォーカスリング

幅18mm程度のプラスチック製フォーカスリングは程よい抵抗量で滑らかに動作します。回転速度に応じてピント移動距離が変化し、素早く回転するとピント全域を180度以内で完結させることが可能。逆にゆっくり回転させると、2回転以上必要となります。回転角が十分大きく、精密操作に適しています。
素早く回転させた場合、ピント移動量が多く、被写界深度が浅いこのような超望遠ズームで精度の高い操作は難しい。できればもう少し回転速度の感度を落としたいところ。
PROシリーズのようにマニュアルフォーカスクラッチ構造には対応しておらず、リニアな操作には対応していません。

ズームリング

およそ60mm幅のプラスチック製ズームリングも滑らかに動作しますが、抵抗量が大きく指一本での操作は難しいです。少なくとも指2本で掴んで操作する必要があります。抵抗量はほぼ全域で一定ですが、300~400mmのみ少し抵抗が強くなる印象。
ズーム全域の回転角はおよそ90度ほどのため、100mmから400mmまで素早い操作が可能となっています。

150mmで23mmほど伸び、200mmで48mm、300mmで55mm、最終的に400mmで60mmほど内筒が伸びます。内筒はプラスチック製で、特に目立ったガタツキはありません。
開放F値が変動し、焦点距離ごとのF値は以下の通り。
ー100mm:F5.0
ー123mm:F5.4
ー138mm:F5.6
ー156mm :F5.7
ー169mm:F5.8
ー186mm:F5.9
ー210mm:F6.0
ー236mm:F6.1
ー276mm:F6.2
ー307mm:F6.3
100mmから400mmまでの間に2/3段の変化があり、138mmで既に1/3段ほどF値が高くなります。138mmから400mmまでの推移は一定のため、ほぼ「F5.6-6.3」のレンズと考えておいたほうが良いでしょう。

レンズフード

プラスチック製のシンプルな円形レンズフードが付属。PROシリーズのようにスライド式の壊れやすいレンズフードではありません。遮光に十分なサイズで、特に大きな問題は無し。ボタン式のロック機構は備えていませんが、しっかりと固定することが出来ます。
逆さ付けに対応していますが、フォーカスリングが隠れてしまい操作不可、そしてズームリングも半分ほど隠れます。

ちなみにこのレンズフードは「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」に装着可能。ただし、その逆は不可。つまりこのレンズでスライド式のレンズフードを使うことは出来ませんん。

三脚座

三脚座は「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」と同じくアルカスイス互換のプレートを採用。対応するクランプでそのまま固定することができ、ネジが緩むような事態を回避することが可能。ネジ穴を使う場合、緩み防止用の穴が1カ所存在します。写真を見て分かるように取り外し可能。

MC-20/MC-14

×1.4・×2.0の2種類のテレコンバージョンレンズに対応。装着することで僅かに全長が伸びるものの、拡張される焦点距離の恩恵は大きい。最大で800mm、つまり35mmフルサイズ換算で1600mmの画角を利用することが出来ます。マスターレンズとはしっかり装着でき、特に目立つガタツキはありません。

装着例

E-M1 Mark IIIとの組み合わせで同軸上の僅かなガタツキがあります。このレンズに限ったことではありませんが、オリンパス純正レンズとしては少しガタツキが大きい印象。
E-M1 Mark IIIはグリップがしっかりとしているため、100-400mmを装着してもハンドリングで特に大きな問題は感じません。E-M5系・E-M10系など、グリップが小さいカメラと組み合わせる場合は右手で安定し辛いかも。

AF

マスターレンズ・MC-14・MC-20の3通りでチェックした動画を公開しました。

リアフォーカスを採用し、アクチュエーターはリニアモーター駆動を採用していると思われます。
(公式の商品ページでは特に記載が無く、海外メディアでは「Linier Motor」と表示しているサイトが存在)
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」のデュアルフォーカス方式ほど電光石火のAFではありませんが、非常に高速と評価できるフォーカス速度だと思います。望遠側は開放F値が「F6.3」と暗いため、低照度や低コントラストの被写体でAFが迷いやすい印象。C-AFだと大きな問題を感じませんが、S-AFの場合は合焦速度が大きく低下する可能性あり。
テレコンバージョンレンズを装着時、望遠端の開放F値はそれぞれ「MC-14・F9」「MC-20・F13」となります。F値がかなり高くなるものの、日中のテストではF9・F13どちらも良好に動作することを確認。S-AF・C-AFともに問題無く、フォーカス速度はマスターレンズとほぼ同じ。
接写性能が高いレンズであり、全体的に近側へピントが流れてしまうと復帰まで時間がかかる感じ。撮影距離が限られている場合は積極的にAFリミッターを使いたいところ。

イメージサークルの確認

「元はフルサイズ用レンズ」だった可能性をもう少し追究してみましょう。イメージサークルの広さを確認するためにはフォーサーズセンサーよりも大きなセンサーで撮影してみるのが効果的。
今回はマウントアダプターでフルサイズセンサーを搭載した「Nikon Z 7」に装着してテスト。この際にフルサイズフレームで撮影した作例が以下の通り。

ご覧の通り、フルサイズフレームで撮影しても広い範囲をカバーしていることが分かります。特に広角側は完全にDXフレームをカバー。同じ条件で撮影した「LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH.」と比べると、大きな違いがあると分かりますね。
元はフルサイズ用レンズと思われますが、今回のチェックから分かるように、フルサイズ用のイメージサークルをカバーしていません。何らかの最適化が施されているのは間違いでしょう。周辺減光が少ないところを見るに、フレアカッターで余分な光が入らないようにしているのかもしれませんね。(マイクロフォーサーズで使うとフレーム外の逆光でフレアが発生しやすくなるため)

解像力チャート

撮影環境

イメージ図です。マイクロフォーサーズのRAWアスペクト比は「4:3」であり、測定時は4:3に合わせてフレーミングしています。このため、「3:2」イメージセンサーよりも四隅領域の判定が厳しめとなる傾向があります

テスト環境

  • カメラボディ:E-M1 Mark III
  • 交換レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • OM-D E-M1XのRAWファイルを使用
  • ISO 64 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイル適用(外せない)
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェックしています)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証しています。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性があります。実際、今回のテストではMC-20装着時のカメラ初期設定JPEGでテスト環境以上の数値が出ています。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

テスト結果

100mm

高性能な単焦点レンズのピーク(およそ3500)には及びませんが、ズームレンズとしては最高クラスのパフォーマンスを発揮しています。少なくとも2000万画素センサーモデルと組み合わせた際、これ以上の解像性能を持つレンズが極めて少ない。
絞り開放からピークのパフォーマンスを発揮しており、絞っても画質は改善しません。F11付近から回折の影響を受け始めますが、良好な画質を維持しているように見えます。ただし、F16~F22はかなり甘くなるため避けるのが良し。
特筆すべきは四隅までこれといった画質低下が無いこと。中央でも四隅でも、全く同じパフォーマンスの解像性能を得ることが出来ます。

中央 周辺部 四隅
F5.0 3173 3042 3059
F5.6 2998 3121 3033
F8 3131 3016 2691
F11 2812 2753 2670
F16 2280 2123 1814
F22 1693 1807 1711
150mm

中央の絞り開放が単焦点並に解像しています。「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」と見比べても遜色ない性能。F2.8の明るいF値が必要無ければ同等の解像性能を得ることが出来ます。
100mmと同じく絞ってもあまり改善しません。被写界深度に問題が無ければ開放F5.7を積極的に使っていきたいところ。回折による強い影響が出るまでの絞り値に余裕がないため(F8付近)、開放から四隅までシャープな解像特性は非常に重要。

中央 周辺部 四隅
F5.7 3467 3115 3141
F8 3107 2710 2764
F11 2829 2764 2439
F16 2116 1981 1630
F22 1674 1684 1401
200mm

広角側と比べるとパフォーマンスは低下しますが、良像と言える基準値(2500前後)を軽く超えています。やはり絞っても大きく改善しませんが、広角側よりも性能のピークが小絞り側へシフトしています(と言ってもF8ですが)。
F8を超えるとグッと性能が低下し、良像ギリギリとなるのでF11以降は避けるのがおススメ。
周辺や四隅は依然として非常に良好であり、フレーム全体の画質一貫性は驚くほど良好。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」+「MC-14」(210mm)と見比べてみると、中央解像はほぼ互角、周辺や四隅も似たような性能ですが、100-400mmのほうが少し良好です。

中央 周辺部 四隅
F5.9 2945 2834 2648
F8 3131 2901 2670
F11 2439 2535 2825
F16 2096 1852 1755
F22 1374 1445 1737
300mm

200mmのパフォーマンスとほぼ同じ。抜群の性能とは言えませんが、十分に良像と言える画質を維持しています。中間域を超えているにも関わらず、画質の一貫性にムラが無いのは凄い。スポーツや野生動物をはじめ、風景や建築物にも使いやすそうな性能です。
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」+「MC-20」(300mm)と見比べると、中央~周辺はほぼ互角の性能、ただし、四隅のパフォーマンスは100-400mmのほうが遥かに良好です。

中央 周辺部 四隅
F6.3 2971 2543 2700
F8 2818 2700 2753
F11 2683 2700 2753
F16 2279 2280 2228
F22 1747 1807 1866
400mm

望遠端らしく性能が若干低下します。それでも絞り開放からフレーム全体で良像を維持しており、ケチのつけようがありません。
均質性は望遠端まで非常に良好。風景撮影にも十分耐用出来るパフォーマンスだと思います。

中央 周辺部 四隅
F6.3 2674 2540 2614
F8 2753 2799 2748
F11 2622 2806 2514
F16 2280 2017 2179
F22 1807 1702 1711
中央解像まとめ

上下1000ほどのパフォーマンス差があるものの、ズームレンジ全域で絞り開放は2500以上を維持しています。画質のムラ・絞り値のムラに悩まされることが無いのは良いポイント。

周辺解像まとめ

中央と似たような傾向を示しており、基本的に同じパフォーマンスを得ることが出来ます。

四隅解像まとめ

どの焦点距離でも四隅で大きな解像力低下が無いのは強み。

遠景解像力

テスト環境

メモ

  • OM-D E-M1 Mark III
  • Leofoto LS-365C
  • Leofoto G4
  • RAWをAdobe Lightroom Classic CCで現像
  • シャープネス 0

撮影結果

100mm

決して抜群の描写性能ではありませんが、四隅まで安定したパフォーマンスを発揮しています。解像性能はなかなか良好ですので、後処理次第で満足のいく結果を出せはず。
絞りによる画質改善はあまり期待できませんが、開放付近で発生している僅かな色収差がF8前後で改善します。ベストを尽くすのであればF5.6-F8の使用がおススメ。ハイレゾショットの高解像撮影にもある程度耐えるだけの性能を持ち合わせているはずです。

150mm

基本的に100mmと同様。フレーム端まで安定した解像性能を発揮しています。100mmと異なり、開放付近の色収差が少ないので絞り開放から細部のコントラストが安定しているように見えます。
やはり後処理次第で満足のいく結果が期待でき、「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」と比べて遜色の無いパフォーマンスだと感じます。
100mmと比べて開放から安定しているため、絞りによる画質改善は全く期待できません。

200mm

100~150mmと同じく、四隅までシャープな描写を維持しています。少なくとも「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」にMC-14を装着した時よりも良好だと感じます(特に四隅)。風景撮影でも十分に使えるレベル。
絞り値による改善効果は期待できませんが、F11くらいまでは許容できるシャープネスを維持しています。被写界深度が浅くなりがちな焦点距離のため、パンフォーカスを狙うならF11付近までを意識して使うと良さそう。

300mm

分かりづらい作例で申し訳ないのですが、全体的にシャープな描写を維持しています。100~200mmまでと比べると、細部に僅かなハロっぽさがあり、ピークの低下は感じますが、フレーム端まで安定した描写に変わりありません。

400mm

基本的には300mmと同じ傾向を維持しています。解像性能に顕著な落ち込みは見られませんが、RAW現像では細部のハロが目立ちます。このため、後処理が重要。ボディ内JPEG出力はバランスの取れた上手い処理が施されているので参考になると思います。
ただ、状況によってはボディ出力のJPEGでも甘い描写となるため、そのような時は現像ソフトでじっくり調整すべし。ビシっと調整できれば、四隅まで安定したパフォーマンスを得ることが出来ます。

MC-14/MC-20

被写界深度がかなり浅くなるため、中央クロップのみを比較。
テレコンバーターはマスターレンズの焦点距離をそれぞれ「×1.4」「×2.0」で拡張することができ、「560mm F9」「800mm F13」として使うことが出来ます。
テレコンバーター装着時はマスターレンズでも目に付いたハロが強く影響するため、単純にシャープネスやコントラストの調整だけではうまく現像出来ません。Lightroomなら「かすみの除去」なども活用しつつ、着地点を探すことになると思います。
MC-14とMC-20で大きなパフォーマンス差が無いことから、F値が許容できるのであればMC-20がおススメ。

400mm現像例

撮影倍率

ズームレンジ全域で最短撮影距離が一定のため(ただしMFで使うと、100mm側のほうが少し寄りやすいです)、基本的に望遠端のほうが撮影倍率が高く、マクロ撮影に適しています。
400mm時は0.29倍、フルサイズ換算で0.58倍と非常に倍率が高く、800mm相当の画角でハーフマクロ以上の接写性能を備えています。イメージサークルが広いためか、フレーム端まで安定したパフォーマンスを得られるのも特徴と言えるでしょう。真面目なマクロ撮影でも役に立つ性能を備えていると言えそうです。
このレンズはさらに「×1.4」「×2.0」のテレコンバーターに対応しており、最大で1.15倍相当の撮影倍率を得ることが可能。この際の焦点距離は1600mm相当の画角となり、扱いには苦労しますが、非常に圧縮効果の高いマクロ撮影が可能となっています。競合レンズであるパナソニック「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S.」には出来ない芸当であり、今のところ、マイクロフォーサーズで唯一のレンズ。

軸上色収差

100mm

完璧な補正状態とは言えず、高コントラストな領域で少し目に付く可能性があります。影響は僅かですが、遠景の風景写真などではディテールに悪影響を及ぼすかもしれません。
絞ってもあまり改善しないため、後処理で補正する必要あり。

150mm

100mmと同じく僅かに影響があるものの、2段ほど絞ることで目立ちにくくなります。

200mm

広角側と比べると色収差の影響は小さくなり、絞り開放からほぼ問題ありません。

300mm

広角・中間域と比べ、絞り開放から色づきは皆無です。

400mm

300mmと同じく全く問題なし。

倍率色収差

皆無ではありませんが、ズームレンジ全域で無視できる水準に抑えられています。特に望遠側は色付きの影響が全くありません。

玉ボケ

100mm

センサーサイズに対してイメージサークルが広いことのメリットは多岐に渡り、全体的にフレーム四隅まで安定した描写性能を得られることが特徴です。玉ボケに関しても同様と言えるでしょう。
口径食の影響は非常に小さく、絞り開放でも四隅までほぼ円形を維持しているのは凄いですね。これは四隅まで期待通りのボケ量が得られることを意味しています。

玉ボケの描写そのものは完璧と言えず、ボケの縁取りが僅かに色濃くなっているのが分かります。これは恐らく、球面収差の補正が完璧では無いことを意味しているはず。場合によって2線ボケが目に付くかもしれません。

150mm

基本的に100mmと同様、四隅まで安定した玉ボケを得ることが出来ます。影響は100mmよりも小さく、快適。

100mmと同じく球面収差の影響が僅かに見られますが、影響度合いは小さくなっている気がします。

200mm

150mmと同様。特にこれと言って大きな変化はありません。

300mm

200mmと同様。

400mm

ズーム中間域と比べると口径食の影響が強まるものの、まだ影響は軽度で特に大きな問題とはなりません。縁取りがやや強めに現れるため、撮影距離によってはボケが騒がしく感じるかもしれません。

前後ボケ

100mm

前後にムラの無いニュートラルなボケ。滑らかな描写とは言えず、全体的に少し硬調な印象を受けます。近距離では直ぐに大ボケへと移行するため気になりませんが、遠景での小ボケ領域は少し騒がしくなる可能性あり。
前述したように、広角側は軸上色収差の影響を受けやすく、ボケに色付きが発生するので注意が必要。

400mm

広角側と違い、色収差の影響が無いぶんスッキリとしたボケ描写。ボケ味自体に大きな差はありません。

歪曲収差

前述してきた通り、イメージサークルの広さは多方面に良い影響があり、歪曲収差も例外ではありません。ミラーレス用の望遠ズームレンズと言えば、ある程度は歪曲収差をデジタル補正に依存しており、一般的に糸巻き型の収差が発生しているものです。
しかし、このレンズは歪曲収差が光学的にほとんど発生しておらず、RAWファイルに格納されたレンズプロファイルを適用せずとも綺麗な直線を維持しています。
と言うか、歪曲収差のソフトウェア補正が入っていません。

100mm

150mm

200mm

300mm

400mm

周辺減光

玉ボケの口径食から分かるように、周辺減光の影響も皆無。ズームレンジ全域、絞り値全域、ピント全域で問題のある領域はありません。開放F値が「F5-6.3」と暗いズームレンズですが、周辺減光は皆無で、結果的に光量は多いと言えるかもしれませんね。

100mm(無限遠:MFD)
150mm(無限遠:MFD)
200mm(無限遠:MFD)
300mm(無限遠:MFD)
400mm(無限遠:MFD)

コマ収差

これまで見てきたように、四隅で目立ちやすい収差・影響は軒並み良好であり、コマ収差も例外ではありません。元々望遠レンズはコマ収差の問題が小さいものですが、ここまで皆無という訳では無いはず。

100mm

150mm

200mm

300mm

400mm

逆光耐性・光条

決して強力な逆光耐性とは言えませんが、望遠ズームレンズとしてはこんなものかと思います。広角側は比較的良好な部類と思われ、良好なコントラストを維持しているように見えます。
望遠側はフレアの影響を受けやすく、強い逆光シーンでは顕著なコントラスト低下の可能性あり。

100mm
400mm
フレーム外の光

これまでイメージサークルの広さが強みとなってきましたが、唯一問題があるとすれば逆光耐性。イメージサークルが広い分、フレーム外でも強い光を取り込みやすく、想定外のフレアやゴーストが発生する可能性があります。
マイクロフォーサーズの場合、基本的にライブビューは絞り開放状態となるため、絞った際のゴーストやフレアに気が付きにくいのはマイナスポイントと言えるでしょう。特に小絞りを使うような撮影では注意が必要です。

総評

ココがおすすめ

  • 換算200-800mm相当の超望遠ズームレンズ
  • 全域で1.3mの最短撮影距離と高い撮影倍率
  • アルカスイス互換の三脚座付属
  • 防塵防滴仕様
  • テレコンバーター対応
  • 高速かつ静かなオートフォーカス
  • ズーム全域で四隅まで一貫した解像性能
  • 良好な倍率色収差補正
  • 口径食・周辺減光の影響がほとんど無い
  • 歪曲収差が皆無
  • コマ収差が皆無
  • 広角側でまずまず良好な逆光耐性

イメージサークルが広いため、全体的に安定した描写性能がこのレンズの強み。ピークの性能は平凡ですが、これと言った弱点の無いレンズに仕上がっています。解像性能やコントラストを「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」並みに求めなければ、利便性が高く、満足度の高いレンズになると思います。接写時は性能低下が目立たないため、超望遠マクロとして利用するのは大いに有り。
このレンズを最大限活かすためには、ある程度のRAW現像処理が必要。特に300~400mmを使う場合や比較的遠くの被写体を撮影する場合、そしてテレコンバーターを使う場合は、JPEGとRAW現像では解像感が大きく異なると思います。

ココに注意

  • MFTレンズとしてはかなり大きく重い
  • 多くのPROレンズよりも高価
  • シンクロ手ぶれ補正非対応
  • プラスチック外装
  • 開放F値が暗い
  • 撮影距離によってコントラストが低い
  • 広角側で軸上色収差が目に付く
  • 球面収差の補正が完璧では無い
  • 望遠側の逆光耐性
  • フレーム外の逆光で影響を受けやすい

最も注意すべきは、前述したようにコントラストが低下する望遠側・テレコンバーター装着時。画質のみならず、オートフォーカスの精度も低下する感触があるため、出来れば拡大AFを使用してしっかりとピントを合わせたいところ。フレーム全域で画質は安定しているため、中央を使っても四隅を使ってもパフォーマンスに偏りが無いのは長所と言えるかもしれません。
元々フルサイズ用レンズと言うこともあり、広角側の軸上色収差やフレーム外の逆光耐性は妥協しなければならないポイント。思っていたより悪くありませんが、単焦点と比べると見劣りするのは確か。

管理人
満足度は80点。
長所と短所を理解して使うことで、便利な超望遠ズームレンズとして活躍できると思います。ただし、PROレンズほどの切れ味を求めるとやや力不足(特に望遠側)。RAW現像しないと高い解像感を得られない場合があります。

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