DPReviewがOMDS「M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO」のレビューを公開。優れた光学性能に加えて高速かつ静かでブリージングが抑えられたAFを評価。性能を考えるとサイズはコンパクトに抑えられているとのこと。
DPReview:Olympus M.Zuiko 8-25mm F4.0 Pro field review
レンズの紹介:
- マイクロフォーサーズ用のコンパクトなハイエンドレンズだ。
- フルサイズ判換算で16-50mmをカバーし、驚異的なマクロ性能を備え、多目的に使うことが出来る。
- 現在、このレンズに競合するレンズは存在しない。
- 最も近い存在のレンズは「LEICA DG Vario-Summilux 10-25mm F1.7 ASPH」だ。ただし、このレンズは遥かに大きく、重く、高価なレンズである。比較してオリンパスはより広い画角をカバーし、マクロ性能も高い。
- 「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0?ASPH.」はサイズがほぼ同じで、広角側はF2.8を利用可能だ。さらに軽量で、フィルターサイズも小さい。マクロ性能はオリンパスのほうが優れている。
ビルドクオリティ:
- 外装は総金属製の頑丈な作りだ。
- レンズはIPX1に対応する防塵防滴仕様だ。さらに-10度までの耐凍結仕様でもある。
- 対応するフィルターは72mm径だ。
- レンズ前面にはフッ素コーティングが施されている。
携帯性:
- ズームレンジとレンズの作りを考慮すると小型軽量だ。これは沈胴式ズーム構造も一役買っている。
- 金属外装を採用しているが、重量はわずか411gである。
- E-M1 IIIのようなコンパクトボディでも、E-M1Xのような大きなボディでもバランスは良好だ。
操作性:
- 沈胴構造のズームリングだが、煩わしい独立したロックは存在せず、ズームリングを回転することで簡単にレンズを展開することが出来る。
- フォーカスリングは適切な抵抗感がある。スライド時は約90度のストロークで無限遠から最短撮影距離まで操作可能だ。
- フォーカスリングはクラッチ構造を搭載しており、スライドすることで簡単にAF/MFを切り替えることが出来る。
オートフォーカス:
- AFは非常に高速だ。ピント全体の移動に1秒もかからない。
- マクロレンズではないが、最短撮影距離が0.23mと短い。撮影倍率は広角側で0.07倍、望遠側で0.21倍だ。
- 目に見えるフォーカスブリージングはほとんど無い。動画撮影に適している。
マニュアルフォーカス:
手ぶれ補正:
- 光学手ぶれ補正は搭載していないものの、カメラ側のセンサーシフト式手ぶれ補正を利用可能である。
- E-M1 III装着時はボディ内補正だけで動画撮影にも十分な補正効果がある。
解像性能:
- 8mmは絞り開放から見事な中央シャープネスだ。F6.3まで絞ると僅かに改善するが、違いに気が付くのは難しい。
- 8mmの隅のシャープネスも絞り開放から非常に良好だ。
- 25mmの端は中央とほぼ同じだ。
像面湾曲:
- 8mmでの像面湾曲は最小限に抑えられている。
- 25mmは像面湾曲が僅かに残っている。
ボケ:
- 7枚羽根の絞りはF5.6まで絞っても円形を維持している。
- 小ボケの質感はとても良好だ。
- 玉ボケは滑らかな描写と言えず、フレーム端ではバブルボケのような縁取りも見られる。ただし、このような描写で気が散る機会はほとんど無い。
色収差:
- 軸上色収差はほとんど目立たない。
- 倍率色収差は未補正の場合に少し目立つが、それでも小さな問題だ。この収差は自動補正で簡単に修正できる。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 記載なし。
周辺減光:
- 記載なし。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 逆光耐性は良好だが、太陽をフレームに入れるとコントラストが僅かに低下する。
- 絞っても光条はイマイチだ。
総評
我々はマイクロフォーサーズ製品の大ファンだ。システムにはいくつか制限があるが、それを回避できることが多く、携帯性の点で価値のある利点を提供できるフォーマットだ。このレンズは、その美しい例となる。高級感のある総金属製外装にもかかわらず、非常にコンパクト・軽量であり、特にその画質と汎用性を考慮すると非常に優れている。
絞り開放でも画像はシャープで、玉ボケの描写は多少の騒がしさを我慢すれば、全体的に好ましい描写だ。収差もよく抑えられている。また、予想以上に優れたマクロ性能と余裕のある撮影距離の組み合わせにより、風景、ストリート、旅行などの撮影において、「これ1本」のレンズとして持ち歩くのに最適だ。ただし、フルサイズでF8相当のレンズでは、背景をボカして被写体を浮き上がらせるような撮影には向いていない。
驚異的な速さのオートフォーカスとフォーカスブリージングの少なさと相まって、静止画でも動画でも幅広い撮影状況に対応できる、実に優れたオールラウンダーだ。唯一欠けているのは光学式手ぶれ補正だが、最近はボディ内手ぶれ補正も充実してきているので、大きなマイナス要素ではない。
また、マイクロフォーサーズシステムにこの他の良い選択肢は存在しない。最も近い選択肢であるパナソニックのLEICA DG 10-25mm F1.7は、より優れた被写界深度のコントロールが可能だが、携帯性に乏しく、価格もかなり高い。
また、LEICA DG 8-18mm F2.8-4.0は同程度の価格で、広角側の絞りが明るく、携帯性にも優れている。しかし、オリンパスのような長い焦点距離やマクロ機能がなく、汎用性に欠けている。このレンズは明確なライバルが存在しない。マイクロフォーサーズを使った風景写真、ストリート写真、旅行写真を撮りたい場合や、荷物を軽くして、どんな写真撮影にも対応したいと考えている人には、最適な選択肢としてお勧めできるレンズだ。
- 長所:
・絞り開放からシャープ
・色収差が最小限
・逆光耐性
・丸みのあるボケ
・高速AF
・ブリージングが目立たない
・マクロ性能
・小型軽量
・防塵防滴で頑丈な作り
・素晴らしい操作性
・沈胴構造のロック方式- 短所:
・明るいレンズではない
・縁取りのあるボケ
・光学手ぶれ補正無し
・光条が素敵ではない
とのこと。
ここ最近はパナソニックが似たようなズームレンズを複数投入していますが、比較して光学倍率が高く、クローズアップ性能が高い便利なレンズに仕上がっていますね。カバーしている画角や光学倍率、そして防塵防滴仕様などを考慮すると小型軽量なF4ズームに見えます。広角F4ズームを期待していた人からすると少し大きく感じるかもしれませんが、それでも12-40mm F2.87 PROに近いサイズ感が扱える広角~標準ズームと考えると評価できるかなと。
私も発売日に入手してE-M1 IIIやE-P7と組み合わせて使用中。PROレンズらしく高解像で信頼できるAF性能や防塵防滴仕様が強みと感じています。ただし、歪曲収差がやや強めに発生しており、これを自動補正する流れで隅の画質が少し低下しているように見えます(特に広角側)。高倍率の広角ズームレンズと考えると丁度良さそう。
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