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ニコン「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」欠点もあるが携帯性が良く14mmの画質は良好

Lenstipがニコン「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」のレビューを掲載。歪曲収差や30mmの画質低下を指摘しつつ、高性能な14mm側の画質とコンパクトサイズや逆光耐性を評価しています。

部分的に欠点もあるが…

Lenstip:Nikon Nikkor Z 14-30 mm f/4 S

  • レンズの紹介
    ・ニコンZシステムは2018年8月に発表され、半年も経たないうちに興味深いレンズが発表された。
    ・このレンズは82mm円形フィルターに対応した14mm始まりの超広角ズームレンズだ。114度に達する広い画角を備え、30mmまでをカバーする幅広いズームレンジを備えている。
    ・広い画角をカバーする超広角レンズだが、比較的軽量なレンズだ。
  • ビルドクオリティ
    ・直径22mmの後玉は14mmでレンズマウント付近にあるが、30mmでは奥へ2.5cm以上隠れる。内部は黒塗りされているが、隙間に電子機器が見える。
    ・マウント付近の外装にはパラメータやロゴ、AF/MFスイッチなどがある。
    ・レンズはタイ製だ。
    ・内筒はプラスチック製だ。
    ・前玉はわずかに凸状となった直径57mmのレンズである。
    ・12群14枚のレンズ構成には4枚のEDレンズと4枚の非球面レンズを使用している。
  • 携帯性
    ・レンズ格納時は全長が85mm、14mmまで展開すると113mmとなる。
    ・24mmでレンズは101mmまで短くなり、30mmは102mmへ少し伸びる。
  • 操作性
    ・幅1cm未満のフォーカスリングは電子制御式のためピント距離や被写界深度の表示は無い。
    ・フォーカスリングは回転速度に応じて移動量が変化する。素早く回転すると90°未満で全域を移動し、ゆっくり回転すると180°を超える。
    ・幅39mmのズームリングには14mm・16mm・20mm・24mm・30mmの焦点距離を表示している。
  • オートフォーカス
    ・実質的にノイズレスで動作する。
    ・ピント距離全域を移動するのに0.3秒と非常に優れた結果だ。
    ・精度は高価なレンズらしくケチのつけようがない。
    ・長焦点の至近距離でフォーカスシフトの傾向が見られる。
  • マニュアルフォーカス
    ・記載なし。
  • 手ぶれ補正
    ・記載なし。
  • 解像性能
    ・Z 7のRAWファイルを測定している。
    ・良像の基準値は42~44lpmmだ。
    ・最高の単焦点レンズで85lpmmを超える。
    ・F4ズームは解像度のレコードを打ち破るのが難しい。F4?F5.6では光学収差が残存し、F8まで絞る必要がある。
    ・中央のピークは65lpmmだ。14mmにおける結果は高く評価されるべき数値だ。絞り開放から良像を得ることが出来る。
    ・フレーム中央で弱点を見つけることは難しいが、30mmのみF4で良像の基準値ギリギリとなる。幸いにも絞ると急速に向上し、60lpmm近い水準となる。
    ・APS-Cフレームで最も良好なのは14mmだ。絞り開放から実用的な画質を得られる。22mmはF4.5まで絞れば良像に達するが、30mmはF5.6まで絞っても良像に達しない。
    ・フルサイズ四隅でも14mmはF5.6までにとても良好な結果を得ることが出来る。風景撮影で一般的なF5.6~F11ならばフレーム全体で高画質だ。
    ・ズーム中間域もF5.6~F11の絞り値であればきちんとした画質である。
    ・30mmの四隅は最も弱く、F11まで絞ると良像に達する。ただし、一般的な広角ズームより倍率が高く、30mmはおまけであることを覚えておかなければならない。
  • 像面湾曲
    ・記載なし。
  • ボケ
    ・完璧では無いが、このようなクラスにボケを期待するのは愚かなことだ。
    ・4枚の非球面レンズを使用しており、玉ねぎボケの兆候が見られる。
  • 色収差
    ・軸上色収差は極僅かで実写で見つけるのは難しい。
    ・倍率色収差は30mmで極僅か、中間域では中程度だが、14mmは目立つ収差が発生する。
  • 球面収差
    ・F4からF5.6に絞るとピントが遠側へシフトする。ただし、これは30mmの接写時のみだ。
  • 歪曲収差
    ・24-70mm F4 Sと同じく、カメラ装着時に歪曲補正がオフにできなくなる。これは光学設計で歪曲収差の補正を諦め、ソフトウェアで補正が適用されていることを意味している。
    ・JPEGのDXフレームでは全く問題無いが、補正オフのRAWでは14mmで-2.84%の樽型歪曲が現れる。30mmでは+1.60%の糸巻き型だ。
    ・JPEGのFXフレームでも全く問題ない。ただし、RAWでは14mmで-7.04%の大きな樽型歪曲が見られる。16mmでは大きく減少するが、それでも-3.61%だ。
    ・20mmで+1.22%の糸巻き型となり、24mmで+3.00%、30mmで+3.72%となる。このような画角で大きな糸巻き型の歪曲収差を見るのは新鮮だ。
  • 周辺減光
    ・DXフレームで光量落ちはまったく問題とならない。
    ・14mm F4で-3.48EVと間違いなく目立つ減光が発生する。F16まで絞っても-2.01EVと大きな数値だ。目立つ歪曲収差の補正により、四隅をトリミングする必要がある。
  • コマ収差
    ・大きな問題は見られない。
    ・非点収差の平均値は19.3%だ。30mmでは24.5%とかなり高い数値となる。
  • 逆光耐性
    ・通常、複雑な設計の広角レンズは逆光耐性について問題があるものだ。しかし、このレンズは問題がほとんど無い。とても肯定的に評価すべきポイントだ。
    ・いくらかフレアが発生することもあるが、目立つことは無い。グッジョブだ!
  • 作例集

総評

テストの評価は、我々が何を期待しているかにもよる。確かに、ここでは目を見張るような結果は得られないだろうが、良識あるフォトグラファーはそんなことを要求しないだろう。このような物理的なサイズ、開放F値、および広い画角を持つレンズで記録的な性能は、単純に不可能だ。

我々の全体的な評価は肯定的だ。
光学設計で歪曲収差補正を完全に諦めており、周辺減光が目立つことを考慮すると、30mmのパフォーマンスがより良好で、非点収差や倍率色収差の問題が少ないとより良かった。

それでもNIKKOR Z 14-30 mm F4 Sは、旅行など写真遠征中に非常に快適な相棒になることは間違いない。

長所:パラメータを考慮すると良好な携帯性・良好な中央画質・実用的なDXフレームの画質・穏やかな軸上色収差・目立つコマ収差が無い・優れた逆光耐性・高速で正確なAF・円形フィルター対応

短所:RAWにおける歪曲収差・周辺減光・30mm隅の画質・目立つ非点収差・14mmの色収差

とのこと。
光学的な歪曲収差や30mm側の画質低下は否めませんが、携帯性が高い便利な超広角ズームに仕上がっているみたいですね。広角ズームで重要な広角域のパフォーマンスは良好で、このクラスで問題となる逆光耐性も優れたものとなっています。

私も2019年にZ 7と組み合わせて使うために購入しました。確かに携帯性が非常に高い便利な広角ズームだと思います。82mmの円形フィルターに対応しているのも便利。
Lenstipでは言及していませんが、このレンズはブリージングが非常に良く抑えられており、接写から無限遠まで画角の変化が皆無です。このため、オートフォーカスが非常に滑らかで高速に動作しています。30mm側で少し画角変化が目立つようになるものの、14mm側は快適です。

携帯性の高い広角ズームを探しているのであれば面白い選択肢だと思います。F4広角ズームとしては若干高価ですが、14mmや82mmフィルター、逆光耐性を考慮するとコストパフォーマンスは良好と言えるかもしれません。RAW現像時にプロファイルを適用できない環境では注意が必要です。

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