Lenstipがニコン「NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)」のレビューを公開。小型軽量な広角レンズとして予想できる欠点がいくつかあるものの、手ごろな価格の小型軽量レンズとして長所も多いと評価しています。
Lenstip:Nikon Nikkor Z 28 mm f/2.8 (SE)
外観・構造:
- レンズマウントはプラスチック製だ。
- レンズは防塵防滴仕様である。
- 前玉の直径は僅か18mmだ。フォーカシングで動くことは無く、前方には52mm径のフィルターに対応している。
- このレンズはバヨネットタイプのフードに対応していない。
- レンズ構成は8群9枚でそのうち2枚の非球面レンズを使用している。
携帯性:
- このクラスは小型軽量なレンズが多いものの、その中でも軽量なレンズだ。
操作性:
- 16mm幅のゴム製フォーカスリングを搭載。ピント全域のストロークは素早く回転すると約90°、ゆっくり回転すると約180°となる。非常に正確な操作が可能だ。
フォーカス:
- Z 7との組み合わせでピント全域を移動するのに0.2?0.4秒かかる。とても良好な結果だ。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- Z 7のRAWを測定している。
- 良像の基準値は41-43lpmである。
- 最高の単焦点レンズで80-85lpmmとなるはずだ。
- 中央は本当に良好だ。絞り開放から56lpmmとなり、基準値よりも遥かに高い数値だ。絞ると画質が向上し、F5.6までに75lpmmに達する。これは24mm F1.8 Sよりも僅か4lpmm低い数値である。
- APS-Cフレームは大部分の絞り値で50lpmm近くを維持するが、F4~F5.6で数値が少し低くなる特殊な結果となる。これは軸外収差と像面湾曲が起因していると思われる。
- フルサイズ隅の性能も非常に均質だ。F2.8で41.0lpmm、F8で43.5lpmmである。基準値に近い性能であり、悪くもないし、良くもない。
- このような小さなレンズとしては期待通りの性能だ。ニコンはきちんと光学設計をしたようだ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 非球面レンズの影響はほとんどない。このようなパラメータのレンズとしてはきちんとした描写である。
色収差:
- 軸上色収差は問題とならない。絞り開放でさえ色付きはほとんど無い。
- 倍率色収差は大部分の絞り値で0.07%~0..09%を推移する。低~中程度の数値であり、特に気になる問題はない。
球面収差:
- 球面収差は良く補正されている。
歪曲収差:
- 我々の予想よりは小さな歪曲収差だった。
- APS-Cで-1.25%、フルサイズで-2.55%の樽型歪曲となる。
周辺減光:
- F2.8のRAWで-2.53EVの光量落ちが発生する。
- レンズサイズを考慮すると、このカテゴリに期待することは出来ない。
コマ収差:
- APS-Cではコマ収差の問題を気にする必要は全くない。
- フルサイズでは状況が一変し、フレーム隅で顕著な変形が見られる。非常に大きな収差ではなく、1段絞ると大幅に改善する。価格を考慮するとケチをつけるのは難しい。
- 非点収差の平均値は5.8%だ。コマ収差よりもさらに良好な補正状態である。
逆光耐性:
- 逆光耐性はとても良好だ。
- 光源がフレーム外にある場合はほとんど問題が無い。
- フレーム内に光源がある場合でも、フレアは弱く、ゴーストはほとんど発生しない。とても評価できる性能だ。
総評
多くの長所といくつかの短所があるが、それらはすべて簡単に予測でき、誰もが驚くようなものではない。加えて、300ドルという手頃な価格、適度な大きさと重さで、非常に興味深い選択肢となる。多くのフォトグラファーがこのレンズを試してみたいと思うだろうし、失望することはないだろう。
- 長所:
・とても良好な中央解像
・きちんとしたAPS-Cフレームの解像性能
・軸上色収差は無視できる
・倍率色収差は僅か
・球面収差の問題無し
・周辺減光はAPS-Cフレームで穏やか
・きちんとした逆光耐性
・特にこのようなレンズとしては心地よいボケ
・高速かつ静かで正確なAF- 短所:
・フルサイズで周辺減光が目立つ
・フルサイズ隅でコマ収差が目立つ
・プラスチックマウント
とのこと。
これまでのNIKKOR Zレンズと比べると驚くほど安く、そして小型軽量なフルサイズ対応の広角レンズですね。抜群の光学性能ではありませんが、小型軽量な広角単としては全体的に良くまとまった光学性能に仕上がっている模様。歪曲収差や周辺減光はカメラ側のレンズ補正に依存するものの、色収差や球面収差は光学的にきちんと補正しているようです。
私もZ fcやZ 7と組み合わせて楽しんでいます。全体的な印象はLenstipとほぼ同じ。プラスチッキーな筐体ですが、手に取ってみると質感はなかなか良好。この価格帯では珍しい防磁防滴に対応し、インナーフォーカスを実現しているのは凄い。さらにフローティングフォーカス構造を採用しているので、Z 40mm F2と比べて接写時の光学性能低下が抑えられているのもGood。
ただ、個人的に周辺減光(特に遠景撮影時)は目立ち過ぎるかなと。強めのヴィネッティング補正は必須だと思うのです。
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