ニコン NIKKOR Z 28mm f/2.8は良好な性能だが高い要求に応えるレンズではない

Xitekがニコン「NIKKOR Z 28mm f/2.8（Special Edition）」のレビューを公開。小型軽量な広角レンズながら、良好な中央解像や画角変化を良く抑えたフォーカシングを評価。一方でコマ収差や光量落ちが目立つと指摘しています。

Xitek：快拍小蛋糕 Z 28mm f/2.8(SE)成像??

レンズの紹介：

2019年10月にニコンはZレンズロードマップで28mm F2.8と40mm F2のコンパクトな単焦点レンズを発表した。その後、2021年6月にニコンは2つのレンズを開発発表し、Z fcと共に28mm F2.8 SEを正式発表した。

このSE版は外装こそオールドニッコールだが、光学設計は通常の28mm F2.8と全く同じだ。

ビルドクオリティ：

記載なし。

携帯性：

記載なし。

操作性：

全長が短く、軽量な28mmレンズだ。このような28mmは珍しい。

オートフォーカス：

非Sラインのレンズとしては初めてマルチフォーカス構造を採用している。

最短撮影距離は0.19mで良好なクローズアップ性能をを備えている。

フォーカスブリージングは良く抑えられている。

マニュアルフォーカス：

記載なし。

手ぶれ補正：

記載なし。

解像性能：

MTF曲線を見る限りでは実線と破線の差が少なく、収差を良く抑えているように見える。ソニー「FE 28mm F2」よりも良好だ。

Z 7と組み合わせて遠景でテストしてみた。

F2.8から中央とフレーム端は優れたシャープネスだ。

F4まで絞ると中央はさらに改善し、フレーム端は大きく改善する。

F5.6からF8では中央・端どちらも良好で、コントラストも非常に良好だ。

F11まで絞るとシャープネスは低下するが、F16まで全体的な見栄えに問題は無い。

像面湾曲：

記載なし。

ボケ：

28mm F2.8のレンズでボケを大きくすることは難しい。

ボケ描写は許容範囲内だ。比較的小さな点光源がフレームに入ると少し騒がしく見える。

色収差：

F2.8でわずかなパープルフリンジがあり、F3.5で大きく改善する。

F4まで絞ると無視できる程度まで抑えることが出来る。

球面収差：

記載なし。

歪曲収差：

極僅かな樽型歪曲だ。

このレンズはカメラの歪み補正をオフに出来ない。

周辺減光：

絞り開放で目立つ周辺減光が発生する。

F4まで絞ると大幅に改善し、F5.6で無視できる。

コマ収差：

フレーム端の点光源は変形して、鳥が羽を広げたような形状となる。

逆光耐性：

目立つフレアやゴーストは発生しない。

F8まで絞るとゴーストが発生する。

全体的に見て逆光耐性は平凡だ。

絞った際の光条は分散し、長さも均一ではないため、美しい形状とは言えない。

総評

中央のシャープネスやフォーカスブリージングの抑制に関して優れたレンズだ。そして、コマ収差や光条など「高水準の要求」では上位レンズに及ばない。現状でSE版は40mm F2よりも高価だが、”普通の”Z 28mm F2.8がZ 40mm F2と同程度の価格設定になることを期待している。

とのこと。
私もZ fcと共にこのレンズを手に入れており、概ね同意できる内容となっています。解像性能はまずまず良好ですが、コマ収差が残存していたり、接写時のパフォーマンスが低下しやすい印象あり。際立った光学性能のS-Lineレンズと比べると、光学性能には物足りなさを感じるかもしれません。

とは言え、「キレッキレのシャープネス」「アポクロマート設計のような色収差補正」を求めなければ、小型軽量でバランスの良い光学性能に仕上がっていると感じます。接写では球面収差が大きくなり、後ボケが滑らかで綺麗となり、撮影距離が長くなると、収差が落ち着いてF2.8から良好な結果を得ることが可能。周辺画質は光量落ちや非点収差など、いくらか画像処理が必要と感じますが、大問題となる欠点は少ないはず。

ニコン「NIKKOR Z 28mm f/2.8」交換レンズデータベース

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