Mobile01がニコン「Z 5」のレビューを掲載。Z 6との価格差が小さく、競合必至と指摘しながらもエントリーモデルとしては満足のいくカメラと評価。「日常生活に十分対応できる必要な全てを備えている」と述べています。
Z 6との競合は必至
Mobile01:Nikon Z5 入門定位?中階規格|Z-Mount 無反新選擇!
紹介・外観・操作性
- 2018年にZシステムを発表してから2年が経った。計15本のネイティブZレンズと2本のテレコンバーターが発売され、中には超広角ズームやF2.8ズームレンズ、F0.95大口径レンズなどが含まれている。
- 次のステップはボディのセールスを拡大してレンズの需要を増やすことだ。そろそろZ 7・Z 6を更新する時期だと思うが、その前にニコンは「Z 5」を発表した。ネーミングが示す通り、Z6と似ている弟分だ。
- エントリーモデルだが、ボディ材質は上位モデルと遜色無い。フロント・トップカバーは軽量で丈夫なマグネシウム合金製だ。そして防塵防滴仕様である。
- カメラを前面から眺めてみると、左半分に滑り止めの加工が施されていないことが分かる。
- グリップの深さや高さはZ 6やZ 7と同じだ。実際に握っても非常に良好だ。前面に配置されている二つのFnボタンはどちらもカスタマイズ可能だ。
- Z 6と同じ2400万画素だが、アーキテクチャは全く異なる。Z 6は裏面照射型2450万画素センサーであり、Z 5は2432万画素の一般的なセンサーだ。
- ボディ内手ぶれ補正は上位機種を継承している。5軸5段分の補正能力を持つ。
- 同時に発表された「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」は格納時に僅か51mm、重量は195gと持ち運びが簡単だ。広角側・望遠側どちらも良好な画質だが、光学2倍ズームレンズであり、望遠端は50mmしかない。予算があるなら24-70mm F4 Sも検討してみよう。
- カメラ上部は上位機種と比べて異なるポイントだ。ステータスLCDが無くなり、モードダイヤルが右肩に配置されている。ロック機構も省略されているが、ダイヤルは抵抗力が強く、誤操作の心配はない。
- 前後のコマンドダイヤルは上位機種と同等だ。
- 驚いたことにシャッター耐久回数が20万回と長い。シャッターのレスポンスは上位機種と同等、電子シャッターにも対応しているが、ローリングシャッターが影響する可能性がある。
- 背面モニタは3.2型 1.4万ドットのチルト式タッチパネル液晶だ。Z 6より解像度が低いが、タッチ操作に対応している。自撮りには対応していないのは残念だ。Z 6との価格設定が似ているので、ココで差別化して欲しかった。
- Z 5の電子ビューファインダーはZ 6・Z 7と同じ仕様だ。0.5型 369万ドット、倍率×0.8で視野率100%だ。ディテールは非常に良好で、エントリーモデルのミラーレスカメラとしては珍しい性能である。
- そして、エントリーモデルながらAFジョイスティックを搭載している。
- アクセサリーポートにはUSB-C・Mini HDMI・リモコン・マイク・ヘッドホン用ポートを備えている。Micro HDMIでは無く、Mini HDMIポートである点は特筆すべき価値がある。壊れやすいMicro HDMIケーブルを使わなくて済む。
- 興味深いことに、上位機種はどちらもXQDシングルスロットだが、Z 5はSDカードのデュアルスロットとなった。Z 5は高解像モデルでも無ければ連写撮影に特化したモデルでもない。SDカードで十分と言えるだろう。
- カメラはタイ製だ。
- 新発売のEN-EL15cバッテリーを使用する。ファインダー使用時に390枚、モニター使用時に470枚使用できるそうだ。
AF
- 273点の位相差AFシステムを搭載している。検出範囲は90%だ。
- 検出機能は「オートエリア」でのみ動作する。
- 「」と組み合わせるとZ 5の追従性能がハッキリと分かる。全身構図で顔を正確に認識し、半身で瞳を捉えることが出来る。全体的なレスポンスは上位機種とほぼ同等だ。
画質
- 常用ISO感度は100-51200、拡張感度でISO 50と102400を利用可能だ。
- ISO800までディテールは完全に保持され、ISO1600以降で僅かにディテールの損失が始まる。実用可能な画質はISO3200から6400までだ。
- ISO51200でも色被りが無いことには言及しておく価値がある。
- ダイナミックレンジは-5?+2EVの間で許容範囲となる。+3EVの場合、ハイライトが飛んでしまうため、このような場合は少しアンダーで撮影すると良いだろう。ダイナミックレンジの性能は最新世代のフルサイズミラーレスと同等だ。
- シャドウを5段分回復すると、良好な画質に見えるがノイズは思ったより多い。
動画
- 4Kモードでは強制的に×1.7のクロップモードへ移行する。24mmのレンズを使うと、約41mmの画角まで狭くなってしまう。4Kを広角で撮影したい場合「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」を用意する必要がある。
- Z 6の裏面照射型センサーとの違いは高感度性能だけではない。4K動画撮影時の読み出し速度にも影響がある。4K撮影時にローリングシャッター歪みはとても目立つ。静止体を撮影するのに適している。Full HDの場合は特に問題は無い。
テストに1週間以上かけ、Z 5が非常に満足のいくカメラであることが分かった。ハード面の仕様はZ 6と明確に線引きされているが、価格面の差はそう大きく無い。もう少し値下がりすると強みが活きてくるはずだ。Z 5の購入を急ぐ必要が無ければ少し待つのも一つの手である。
一般的なCMOSセンサーであり、高感度性能は価格なりだ。しかし、ISO800未満の画質や、AF-C+4.5fpsの連写性能は非常に良好だ。全体的にパフォーマンスは悪く無く、日常生活に十分対応できる必要な全てを備えている。
長所:防塵防滴仕様のマグネシウム合金ボディ・5軸5段分のボディ内手ぶれ補正・369万ドットOLEDファインダー・豊富なクリエイティブピクチャーコントロール・デュアルSDXCカードスロット・マイク/ヘッドホン端子・瞳追従AF・USB-C端子で充電・給電対応・電子シャッター・WiFi/Bluetoth
短所:高感度性能・4K動画で×1.7クロップ・ローリングシャッター・セルフィモニタではない
とのこと。
他のレビューサイトでも指摘されているように、売り出し価格とZ 6の実勢価格が非常に近いため、ハードの差を考えるともう少し値下げが必要なようですね。確かに日本国内でも数万円の差で12コマ秒連写や裏面照射型2400万画素センサーが手に入るため、よく検討すべき。本体価格は15万円を切ってくると、非常にコストパフォーマンスの高いミラーレスと言うことが出来そう。
とは言え、公式的にZ 5はエントリーモデルでは無く、ミドルレンジモデルとも言われており、大きな値下げに至るのかは不明。個人的に今の価格設定ならばZ 6をおススメしますが、連写性能や高感度ISO性能に拘らないのであれば、Z 5も良い選択肢だと思います。
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