PhotographyBlogがキヤノン「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」のレビューを公開。絞り開放から全体的にシャープで、効果的な手ぶれ補正や1.4倍の撮影倍率、オートフォーカスなどを高く評価しています。
PhotographyBlog:Canon RF 100mm F2.8L Macro IS USM Review
レンズの紹介:
- RFマウント用の中望遠マクロレンズだ。
- 13群17枚のレンズ構成で、最短撮影距離26cm、最大撮影倍率はクラス最高の1.4倍を達成している。
ビルドクオリティ:
- ビルドクオリティはとても良好だ。しっかりとした質感で、レンズは防塵防滴仕様となっている。
- レンズフードは付属しているが三脚座は別売りだ。
携帯性:
- 重量730g、全長148mmのレンズだ。EFレンズよりも100g重く、25mm長くなっている。(ただし、EFレンズをEOS Rで使用するにはアダプターを追加する必要がある)
- サイズは大きいが、EOS R6のようなボディと組み合わせるとバランスは良い。
操作性:
- レンズ先端にはコントロールリングを搭載している。これに露出補正や絞り、ISO、シャッタースピードなどを割り当てることが可能だ。
- 側面にはAF/MFスイッチとAFリミッタースイッチがある。
- 球面収差をコントロールできるリングを搭載。これによりボケ質の調整やソフトフォーカス効果を得ることが出来る。
- 幅広いフォーカスリングを搭載。ストロークはマクロ撮影で正確なフォーカシングに十分なものだ。
- AFモードでマニュアルオーバーライドは使用できない。しかし、カメラの設定でシャッターボタン半押し状態でMF操作が可能となる。
オートフォーカス:
- レンズ構成を考慮すると非常に高速だ。EOS R6装着時に0.15秒で被写体にロックする。
- 低照度でもほぼ常に正確にピントを合わせている。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 中央と端はどちらもF2.8からF16まで抜群のシャープネスだ。
- F22で回折の影響を受け、F32でさらに影響が強くなる。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 非常に素晴らしいボケだ。
色収差:
- 特目立たない。コントラストが高い領域でのみ発生する。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- RAWには明らかな糸巻き型歪曲が見られる。
周辺減光:
- 絞り開放で目立つ光量落ちが発生し、解消するには2段絞る必要がある。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 小絞りでも光条は素敵な描写とならない。
- 太陽をフレームに入れてもフレアを良く抑えている。
総評
クラス最高レベルの撮影倍率、優れたシャープネス、完璧なビルドクオリティ、そして独自の球面収差コントロールリングを備えた優れたマクロレンズだ。絞りのほぼ全域で、フレーム中心部と周辺部の両方で優れたシャープネスを発揮し、F2.8の絞り開放でも素晴らしい性能である。
周辺減光が少し目立ち、これを完全に防ぐには最低でも2段絞る必要がある。しかし、色収差の発生はほとんど無い。歪曲収差はRAWで撮影した場合でも、非常によく抑えられている。
最短撮影距離は26cm、最大撮影倍率は1.4で、等倍以上の撮影が可能だ。フォーカスリミッタースイッチにより近距離でのオートフォーカスが高速化されている。マクロレンズであることを考慮すると、光量の少ない環境下でもかなり高速で確実なオートフォーカスを実現している。
完全なフルタイムマニュアルがないのが残念だが、大きなストロークを持つゆったりとしたサイズのフォーカスリングのおかげで、マニュアルフォーカスも楽しめる。また、ボケの形状や柔らかさを変える「球面収差コントロールリング」を搭載。実際に使ってみると、少しギミックが多く、マクロレンズよりもポートレートレンズに向いている機能と感じる。
Eレンズと比較して、撮影距離が短く、撮影倍率も1倍から1.4倍に向上し、オートフォーカスも高速化され、手ブレ補正機能も改善され、さらに高い品質を実現している。まだEF版を持っていないのであれば、そしてEOS Rシリーズのカメラと組み合わせるなら、間違いなくこのレンズだ。
とのこと。
球面収差のコントロールリングをはじめ、最大撮影倍率「1.4倍」など見所が多いマクロレンズですね。レンズサイズは大きいものの、機能的で、基本的な光学性能も良好なレンズに仕上がっています。私もEOS R5と組み合わせて使用していますが、PhotographyBlogのレビューは概ね同意できる内容となっています。ただし、絞った際の光条はLレンズらしい綺麗な描写で、PhotographyBlogのような低評価ではありません。
解像性能はマクロレンズらしく絞り開放からフレーム端まで非常に良好。PhotographyBlogではEOS R6でテストしていますが、EOS R5と組み合わせても良好に機能します。ただし、ニコンの最新マクロレンズと比べると倍率色収差が少し残っているので、必要であればカメラ内の補正を適用しておきたいところ。
SAコントロールリングはかなり癖が強いので、積極的に使う必要は無いかなと思います。その際はニュートラルの状態でリングをロック出来るので、使わない人は最後まで使わない可能性あり。使うにしても、目盛り±1くらいの調整幅で使うのがおススメ。それ以上は球面収差以外の収差(色収差やコマ収差など)も変動するので、画質が大きく変化してしまいます。RFレンズらしい高い光学性能を活かすのであれば、SAコントロールリングはニュートラル設定か、小さな調整値を使うべし。
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