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RF16mm F2.8 STMは隅の性能がとにかく酷いが18mmまでクロップすると悪くない

Photographylifeがキヤノン「RF16mm F2.8 STM」のレビューを公開。小型軽量で低価格な楽しい広角レンズとしつつも、極端な歪曲収差や隅の解像性能が本当に酷い、コマ収差が目立つなど欠点も多いと言及しています。18mmまでクロップすると悪くないレンズとのこと。

Photographylife:Canon RF 16mm f/2.8 STM Review

  • 外観:Lレンズと質感が同じ外装だが伸びる内筒は安っぽい。レンズフードが別売り。
  • 構造:金属製レンズマウント。プラスチック外装。防塵防滴には非対応。
  • 携帯性:ほぼパンケーキ。小型軽量だがフォーカシングで内筒が伸びる。
  • 操作性:AF/MFスイッチがない。
  • AF:高速かつ正確。ノイズは多少発生する。低照度や接写でも良好。
  • MF:AFの場合はシャッター半押しでなければフォーカスリングを操作できない。気に入らないが、すぐに慣れた。
    訳注:おそらくカメラ側の「電子式フルタイムマニュアル」がオフ設定になっていると思われます。オンにするとシャッター半押し以外でも利用可能)
  • 手ぶれ補正:記載なし。
  • 解像性能:中央はとても良好だが隅は本当に悪い。とにかく酷い。ただし、この個体には偏芯があるため、2つ目の個体を入手して再度テストする予定。
    訳注:歪曲収差補正前のRAWを使用、隅の測定範囲は補正後に隅となる領域を使用しているとのこと。)
  • 像面湾曲:記載なし。
  • ボケ:記載なし。
  • 軸上色収差:記載なし。
  • 倍率色収差:絞り値全域でかなりの色収差が残存。平均よりも明らかに悪い。
  • 球面収差:記載なし。
  • 歪曲収差:-11.71%と魚眼に近い樽型。我々のテストでは新記録。補正可能だが、強い補正は隅の画質低下に繋がる。幸いにも、16mmの焦点距離は「補正後の数値」である。
  • 周辺減光:歪曲収差を補正しないとケラレが発生する。歪曲収差を補正すると、2.3EVの減光となり、絞ると1.5段まで低下するが、それ以上は改善しない。
  • コマ収差:歪曲収差を補正後の隅でもコマ収差が残存している。18mmくらいの画角までトリミングするとしっかりとしたレンズ。
  • 逆光耐性:良好でほぼクラス最高だが、耐えきれる水準を超えると一気に問題が顕在化する。
  • 光条:とても素晴らしい14本の光条が発生する。
  • 作例集:リサイズのみ。
  • 総評:小型軽量で楽しいレンズで、安価なので気軽に持ち歩くことが出来る。とは言え、多くの欠点と妥協点がある。携帯性や価格を重視する場合は最適だが、光学性能やビルドクオリティを重視する場合は欠点が多すぎる。ただ、18mm程度までトリミング前提であれば悪くない。
  • 競合について:15-35mm F2.8 Lのほうがはるかにシャープ。
  • 備考

とのこと。
フルサイズ対応の16mm超広角としては驚くほどコンパクトで軽量な単焦点レンズですね。また、純正の超広角レンズとしては非常に手ごろな価格を実現しています。この実現のために極端なコンセプトの光学設計となっており、歪曲収差や倍率色収差など様々な点で妥協を伴っている模様。Photographylifeは本格的な風景・旅行の写真撮影が多く、カジュアル路線のRF16mm F2.8は肌に合わなかったかもしれませんね。

私もEOS R5やEOS R10、R7などと組み合わせて使用しています。Photographylifeが言及しているように、確かにフレーム隅の解像性能や色収差、コマ収差などは妥協が必要なポイントとなります。APS-Cで利用する場合、周辺部をクロップするので諸収差の極端な影響を排除することが可能。ただし、APS-Cクロップで満足のいく解像性能かと言うと、そうでもありません。

フルサイズでもAPS-Cでも抜群の性能とは言えないものの、小型軽量で気軽に携帯できる16mm単焦点に違いなし。接写性能も高いので小さな被写体との相性が良いのもポイントと言えるでしょう。

補足しておくと、キヤノンレンズは最適な補正ができる「デジタルレンズオプティマイザ」に対応しています。JPEG出力やキヤノン純正の現像ソフトを利用するのであれば、DLO適用でまずまず良好な結果が得られるかもしれません。

キヤノン RF16mm F2.8 STM 交換レンズデータベース

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