PhotographyBlogが富士フイルム「X-S10」のレビューを公開。小型軽量ながらX-T4と同じ画質を備え、ボディ内手ぶれ補正やシンプルながら十分な操作性を備えたカメラと評価しています。
新規ユーザーからハイアマチュアまで
PhotographyBlog:Fujifilm X-S10?Review
- カメラの紹介:
・通常の富士フイルムのデザインとは大きく異なるシンプルなインターフェースを備えた小型カメラだ。
・見た目も価格も異なるが、カメラの核となるスペックはフラッグシップの「X-T4」や「X-Pro3」と同じである。
・ポジションはX-T30とX-T4の間だ。- ビルド・外観:
・X-T4やX-Pro3と同じ「X-Trans CMOS 4」「X-Processor 4」を搭載しているが、形状やサイズが異なる。
・見た目はX-TシリーズとX-Hシリーズの間に位置する。
・とても小さく軽量なカメラだが、見事なビルドクオリティだ。X-T200より遥かに優れている。
・X-T4には無いポップアップフラッシュを搭載している。
・防塵防滴仕様では無い点でX-T4と差別化されている。
・X-T4のようなデュアルカードスロットでは無く、SD UHS-IIのシングルスロットだ。
(訳注:X-S10はSD UHS-Iまで対応のはずです)
・SDカードスロットはバッテリーコンパートメントの隣だ。このため、柔軟性が低く、X-T4のデュアルカードスロットほど安心感はない。
・バッテリーはX-T4のNP-W235では無く、X-T30と同じNP-W126Sを使用している。バッテリーライフは短いが、USB経由の充電や給電に対応している。- 携帯性:
・X-T4より遥かに小型軽量なカメラだ。
・重量は465g、サイズは126×85.1×65.4mmだ。X-T4と比べて20%軽く、10%小さなボディである。- グリップ:
・小型カメラとしては非常に大きなグリップを備えている。
・これはボディ内手ぶれ補正を搭載するためにバッテリーをグリップへ移動した結果である。
・人差し指でシャッターボタンを操作し、他の3本でカメラをグリップするのに十分な大きさだ。
・大きな望遠レンズを組み合わせてもカメラを安定してホールドするのに役立つ。- 操作性:
・コントロールレイアウトはX-T4と大きく異なる点だ。遥かにシンプルなインターフェースを備えている。
・膨大なマニュアル操作で富士フイルム機の購入を躊躇しているとしたら、X-S10の操作性は間違いなくあなた向けのはずだ。
・シャッタースピードダイヤルやISOダイヤル、露出補正ダイヤルは無くなり、カスタマイズ可能なFnダイヤルとモードダイヤルを搭載している。
・D-Padがなくなっている。
・新規ユーザーを威圧しない合理化されたコントロールレイアウトだ。
・オートモードが改良されている。全く新しいアルゴリズムを備え、明瞭度やカラークロームブルーで空を強調したり、写真を自動的に改善しようと動作する。
・オートモードではシーンに合わせてプロビア・ベルビア・アスティアのいずれかを自動で選ぶAUTOフィルムシュミレーションが追加された。
・SP撮影モードやオートモードで初めてRAW出力に対応した。
・Qメニューで18枠の機能をカスタマイズ可能だ。
・カスタムモードではAF/MFを含め、撮影設定や画質設定を記憶することが出来る。これは静止画のみ機能し、動画モードには対応していない点に注意して欲しい。
・カメラの前後にコマンドダイヤルを備え、絞りやシャッタースピード、露出補正を素早く変更可能だ。
・従来のようなマニュアルコントロールは出来ないものの、ハイアマユア向けとしても十分な操作性である。
・AEL・AF-ON・ファインダー横のボタンは全てカスタマイズ可能だ。- 手ぶれ補正:
・X-H1やX-T4よりもはるかに小型軽量なカメラだが、ボディ内手ぶれ補正を搭載している。
・富士フイルムのミドルレンジモデルにボディ内手ぶれ補正が搭載された初めてのカメラだ。
・X-T4の補正ユニットはX-H1の補正ユニットと比べて30%小さく、20%軽量だ。X-S10はさらにX-T4と比べて30%の小型軽量化に成功している。
・小型化の欠点として、補正効果がわずかに低下している。それでもX-H1の補正ユニットより効果的だ。- ファインダー:
・倍率0.62倍、リフレッシュレートは100fps、解像度は236万ドットだ。
・X-T4のファインダーはより大きく高解像であり、眼鏡装着時にやさしい仕様となっている。- モニター:
・104万ドットのバリアングルモニタを搭載している。
・使わない時は裏返してモニターを保護することが可能だ。
・バリアングルはVlogや映像撮影、写真撮影全般など、非常に用途の広い可動方式である。- メニューシステム:
・記載なし- オートフォーカス:
・X-T4やX-Pro3と同じハイブリッドAFシステムを搭載している。
・最大425点のAFポイントを選択可能だ。
・オートモードでもフォーカスエリアを選ぶことができるようになった。- 連写性能:
・メカシャッター時に8コマ秒の連写撮影に対応している。
・クロップ無しで電子シャッターの20コマ秒連写に対応している。
・1.29倍クロップで電子シャッターの30コマ秒連写に対応している。- 高感度ISOノイズ:
・X-T4と同じセンサーを搭載しており、優れた画質だ。
・常用ISO感度は160?12800、拡張ISO感度で80?51200を利用可能である。
・JPEGはISO6400まで目に見えるノイズの兆候は無い。これはAPS-Cとしては非常に見事だ。
・ISO12800でシャドウにおけるわずかな彩度低下とディテールの損失が見られる。
・ISO25600や51200は徐々にノイズが増えるものの、引き続き実用可能な画質だ。
・富士フイルムのノイズリダクションは過度な悪影響が見られず、好ましい描写だ。
・ノイズリダクションの無いRAWではノイズが目立つものの、ISO12800まではかなり綺麗に見える。- ダイナミックレンジ:
・DR100/200/400におけるシャドウとハイライトの違いは微妙だ。大部分の撮影でDRは自動に設定していた。
・DR200-800%+のHDR機能も備えている。- 仕上がり機能:
・X-T4で導入されたETERNAブリーチバイパスを実装している。これはセブンやプライベートライアンなどのハードな映画調の仕上がりを利用したいビデオグラファー向けである。
・他社とは異なるカラーフィルターを採用しており、フィルムシュミレーションを絡めて素晴らしいカラーサイエンスとなる。- 動画:
・主なライバルよりも優れた動画機能を備えている。
・DCI 4K 30pは内部記録で4:2:0 8Bit、外部出力で4:2:2 10Bitに対応している。この際にクロップは発生しない。
・F-logを利用可能だ。
・圧縮方式はLongGOPのみである。ALL-Intraは利用できない。
・録画の連続撮影時間は30分だ。X-T4よりも10分長くなっている。
・X-T4で初導入したFull HD 240pに対応している。
・ボディ内手ぶれ補正や光学手ぶれ補正と共に連携して機能する電子手ぶれ補正を利用可能だ。
・3.5mmマイク入力のほか、USB-C経由でヘッドホン出力を利用できる。
・スタンバイ状態でカード残量を時間と分で表示する機能が追加されている。
・X-T4の4K 60pやALL-I、10Bitの内部記録などに違いがある。- 作例集
総評
上位機種と同等の画質を備え、主要なスペックの多くを低価格で共有している。外観は大きくことなるが、X-T4と似た画質と機能性だ。多くのユーザーのニーズを十分に満たしてくれるだろう。
4K 60pや15コマ秒のメカ連写、防塵防滴が必要で、そしてマニュアル操作に慣れている人はX-T4が適している。
それ以外の点ではX-S10が多くの人に適したカメラとなるだろう。小型軽量で低価格。そして使いやすく、静止画と動画の妥協はわずかだ。
主なライバルはZ 50やα6600、EOS M6 Mark IIだが、富士フイルムほど充実したレンズラインアップではない。全体的に見て、X-S10は富士フイルムXシリーズを新しい方向へと導くカメラになるだろう。幅広いユーザー層に訴求できる操作性を備え、従来の富士ユーザーが愛する画質とカラーサイエンスを持ち合わせている。
とのこと。
従来のXシリーズとは操作性が大きく異なるものの、小型軽量で富士フイルムらしいスペック・画質を備えたカメラに仕上がっているみたいですね。
私もX-T20/30から乗り換えましたが、この価格帯のカメラとしては立派な仕上がりだと感じています。既存ユーザーにとって操作性の違いに戸惑うかもしれませんが、他社から乗り換えてくる人や、今からミラーレスを始める人にとっては丁度いい1台だと思います。
この価格帯でボディ内手ぶれ補正や上位機種と遜色のない画質・AFを備えているのは凄い。明瞭度やカラークロームブルー、新フィルムシュミレーションなども楽しめます。バリアングルモニタの搭載で動画撮影にも使いやすくなっているのが良いですね。
ファインダーやモニターの仕様はX-T30と同じですが、この価格帯のAPS-Cミラーレスとしては一般的なスペックだと思います。操作性に問題がなければ個人的にもおススメの1台。
購入早見表
- 2020年11月19日発売予定
- 2020年10月20日予約開始
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