Phototrendが富士フイルム「XF18mmF1.4 R LM WR」のレビューを公開。小型軽量ながら優れた光学性能とAF性能、そして汎用性の高い焦点距離を高く評価し、これまでにない高い光学性能と言及しています。
Phototrend:TEST FUJINON XF 18 MM F/1,4 R LM WR : NOUVELLE RÉFÉRENCE CHEZ FUJIFILM
レンズの紹介:
- 2021年4月に富士フイルムは「XF18mmF1.4 R LM WR」を正式発表した。
- このレンズは富士フイルムが提供する39本目のXマウントレンズだ。
- 9群15枚のレンズ構成は2012年に登場した「XF18mmF2」とは明らかに異なるハイエンドな位置づけである。
ビルドクオリティ:
- 非の打ち所がないビルドクオリティだ。
- 従来ほど金属的な質感の外装ではなく、少しプラスチック要素が増している。
- XF23mmF1.4と同じくフィルター径は62mmに対応している。
携帯性:
- 大口径レンズながら370gと軽量だ。長時間の外出に最適である。
- インナーフォーカスのため全長に変化は見られない。
操作性:
- 絞りリングには「Aポジション」でロックする機構が付いている。
- 絞りリングは緩く、絞り開放だと思ったらF1.6まで絞っていたことがしばしばあった。
- フォーカスリングはクラッチ機構が無くなっている。これによりAF/MFを切り替えるショートカットが無くなってしまった。切り替えるにはボディ側の操作が必要だが、レバーの無いX-E4やX-T200のようなカメラでは切替が面倒だ。
- さらにクラッチ機構が無くなったことでストリートスナップで便利なゾーンフォーカスが難しくなった。
オートフォーカス:
- リニアモーター駆動を採用しており、過去のF1.4レンズのような大音量AFでは無くなっている。高速かつ正確で静かに動作する。XF18mmF2から移行した人は戻ることが出来なくなるはずだ。
- オートフォーカスはカメラ側の性能がキヤノンやソニーに及ばない。
- 最短撮影距離は20cmだ。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 手ぶれ補正は搭載していないが、このタイプのレンズでは一般的だ。
解像性能:
- F1.4で一貫性は最高と言えないが、短い撮影距離でも解像度の水準は高い。
- F5.6まで絞るとシャープネスが最大となる。マイクロコントラストも改善している。
- F8まで絞ると回折の影響が始まる。画質の低下が早く、風景撮影で使う場合は不満と感じるかもしれない。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 一般的には心地よい描写だが、厳しいシーンでは騒がしくなることがある。
色収差:
- 色収差は目立たず、内蔵プロファイルで良好に補正可能だ。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 内蔵プロファイルで良好に補正可能だ。
周辺減光:
- F2.8まで周辺減光は残る。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 逆光時にゴーストを発生させるには意図的に太陽を配置する必要がある。
- 回折の影響を受けるが、小絞りでは優れた光条を得ることが出来る。
競合レンズ
- XF23mmF1.4は良いレンズだが、防塵防滴には非対応で、AFは非常に騒がしい。どちらもF5.6でピークを迎えるが、フレーム端の性能はXF18mmF1.4が圧倒している。さらにXF23mmは高コントラストな状況で色収差が目立つ。
- XF16mmは23mmよりも良好だ。リニアモーターほどではないが、遅くも無い。ただしノイズは少し多い。やはり23mmと同じくフレーム端の性能で見劣りする。16mmは本当にコマ収差が目立つ。
- XF18mmF2はパンケーキレンズとして価値があるものの、防塵防滴仕様では無い点に妥協するしかない。
総評
汎用性の高い焦点距離、高い光学性能、完璧なオートフォーカスを、軽量・コンパクトさを見事に融合したレンズだ。確かに、フォトグラファーの中には、クラッチシステムの廃止や、必ずしも美しいとは言えないボケ味、あるいは単に27mm相当の画角が気に入らない人もいるだろう。しかし、この水準の光学性能は、これまで大型のセンサーでなければ得られなかったものだ。
999ユーロの価格設定は、「安い」とは言えないものの、他のブランドの明るいレンズよりも競争力があると思う。もし、富士フイルムがこれらの開発成果を23mm F1.4、35mm F1.4、56mm F1.2の第2版に反映させることができれば、ブランドの明るい未来を予測することができる。
- 長所:
・F1.4
・良好な解像性能
・素敵なビルドクオリティ
・防塵防滴
・小型軽量- 短所:
・ピント位置やピント距離の表示なし
・絞りリングが緩い
・APS-C用レンズとしては高価
とのこと。
他のレビューサイトでも評価の高いレンズですね。F1.4と明るい広角レンズながら、高い光学性能と携帯性を両立し、F1.4単焦点としては初めてリニアモーター駆動を採用した機能的なレンズに仕上がっています。ボケは場合によって騒がしくなる可能性があるものの、Flickrなどのユーザー投稿を見る限りでは特に問題となるシーンは少なそう。
価格設定が悩ましいところですが、現状で18mm画角で競合するレンズが存在せず、特に大口径や防塵防滴、高速AFが必要であれば18mmF1.4を選ぶほかに選択肢が無い。ただし、価格に見合う価値はありそうですね。
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