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XF30mmF2.8 R LM WR Macroは中央から中間にかけて解像度が大幅に低下

Dustin Abbottが「XF30mmF2.8 R LM WR Macro」のレビューを公開。中央から中間部にかけて解像度が大幅に低下すると指摘しつつ、小型軽量で汎用性の高いマクロレンズに仕上がっていると評価しています。

Dusin Abbott:Fujinon XF 30mm F2.8 LM WR Macro Review

(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)

外観・構造:

  • コンパクトだがプレミアムなレンズだ。軽量だがプラスチック感はない。
  • 外観はXF50mmF2を彷彿とさせる先細りするデザインである。
  • 外装はクラシカルで光沢のある仕上がりだ。
  • 防塵防滴仕様に加えてフッ素コーティングにも対応している。
  • レンズフードはプラスチック製で個性的な外観ではない。

携帯性:

  • 195gと軽量だ。
  • インナーフォーカスのため全長に変化はない。

操作性:

  • 絞りリングは富士フイルムらしく1/3段刻みで動作する。
  • フォーカスリングはかなりの精度でピント合わせが可能だ。
  • AF/MFの切り替えはボディ側で操作する。

フォーカス:

  • リニアモーター駆動で快適に動作する。これまで使ってきたフジノンレンズの中では最も優れたモデルの一つだ。
  • フォーカス精度は全体的に良好だ。
  • AF駆動音は静かだ。
  • マクロで役に立つフォーカスリミッターがないのは残念だ。
  • 等倍マクロ時の最短撮影距離は非常に短く、レンズフードを外さないと等倍マクロを利用できない。

手ぶれ補正:

  • 光学手振れ補正は非搭載だ。

解像性能:

  • 中央から中間フレームにかけて解像度が大幅に低下するが、さらに隅に向かって顕著な低下は見られない。
  • F4まで絞ると全体的にコントラストやディテールが向上する。最も顕著な改善は隅の画質だ。
  • 中間域はこのレンズの弱点だ。結果はそれほど良いものでは無く、VILTROX AF 75mm F1.2 PROを絞ったほうが明らかにシャープだ。
  • 良好な解像性能だが抜群ではない。しかし、F5.6まで絞れば風景でもマクロでもシャープな結果を得ることができる。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • 30mm F2.8のレンズであり、ボケを大きくすることは苦手だ。
  • 絞った際の玉ボケには感銘を受けない。玉ボケは騒がしい描写で、個人的に好みの滑らかさではない。
  • フレーム隅は口径食強めだ。
  • 発色はとても良好だ。

色収差:

  • 軸上色収差はよく抑えられている。
  • 倍率色収差が残っているが、非常に軽度で問題はない。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • マクロレンズとしては驚くほど歪曲収差が残っている。
  • レンズ補正で綺麗に修正できるが、フレーム隅の性能に影響する可能性が高い。

周辺減光:

  • 周辺減光は驚くほど重い。
  • レンズ補正で綺麗に修正できるが、フレーム隅のノイズに影響する可能性が高い。

コマ収差:

逆光耐性:

  • 逆光テストの機会は多くなかったが、フレアの問題は見られなかった。

作例集

総評

個人的に45mm相当の焦点距離が好みで、さらに等倍マクロ機能が組み合わさった便利なレンズだ。 家族や友人とのイベントでは、自然で親近感のある画角が得られるので、この焦点距離を愛用している。

私は、しばしば富士レンズのAFを批判してきたが、このレンズでは最大の強みとなる。 リニアモーター駆動のAFは高速かつ静かで、静止画と動画の両方で効果的だ。

フレーム中央のシャープネスは高いが、周辺部へ向かって落ち込みはかなり劇的だ。光学性能は驚くべきものでは無い。 また、ボケ味も格別に良いとは思えなかった。わずか10cmの驚くべき最短撮影距離を賞賛する人々もいるが、ワーキングディスタンスが短すぎて実用的ではないように感じる。

マクロレンズの多様性を気軽に携帯したい人にとって魅力的な選択肢となるはずだ。優れた補正プロファイルは光学的な弱点を補うのに役立ち、ほとんどの人は画質に満足するのではないかと思う。新しい4000万画素センサーよりも低い解像度のボディを使用している場合、 多くの人にとって楽しむことができるレンズに仕上がっている。

  • 長所
    ・用途の広い焦点距離
    ・等倍マクロとしてはコンパクト
    ・小型軽量
    ・防塵防滴
    ・インナーフォーカス
    ・リニアモーター駆動
    ・動画に適している
    ・発色
    ・色収差の補正状態
    ・逆光耐性
  • 短所
    ・等倍マクロのワーキングディスタンスが短い
    ・強めの糸巻き型歪曲
    ・周辺減光がとても重い
    ・周辺部と隅の性能が少し見劣りする
    ・ボケが少し騒がしい

とのこと。
富士フイルムXマウントレンズとして最新の等倍マクロレンズですね。標準マクロとしては希望小売価格が高い気もしますが、Xシリーズの中では最も手ごろな価格(XF60mm・XF80mmの希望小売価格はさらに高い)。ただし、レンズ側に手振れ補正を搭載していないので、ボディ内補正を搭載していないカメラと組み合わせる際は低照度やマクロ撮影で使いづらく感じるかもしれません。

Dustin Abbottのテストでは、中央から隅に向かって画質の低下が目立つようです。本格的なマクロ撮影を検討している人からすると、画質の均質性は少し気になるかもしれません。実際、私も手持ちのXF30mmで同様の傾向を確認しており、シャープな結果を得るには、F5.6?F8まで絞ったほうが良いのは間違いないと思います。

とは言え、Dustin Abbottもレビューで言及している通り、小型軽量で防塵防滴仕様、そして高速AFが強みとなる便利なマクロレンズに違いありません。解像度のピークにこだわらなければ、使い勝手の良い標準単焦点レンズと感じるはず。

富士フイルム XF30mmF2.8 R LM WR Macro 最新情報まとめ

XF30mmF2.8 R LM WR Macro
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レンズの仕様

レンズの仕様
発売日 2022年11月25日 希望小売価格 97,900円
マウント X 最短撮影距離 0.1m
フォーマット APS-C 最大撮影倍率 1.0倍
焦点距離 30mm フィルター径 43mm
レンズ構成 9群11枚 手ぶれ補正 -
開放絞り F2.8 テレコン -
最小絞り F22 コーティング EBC
絞り羽根 9枚
サイズ・重量など
サイズ φ60×69.5mm 防塵防滴 対応
重量 195g AF リニア
その他 絞りリング
付属品
キャップ・フード・包装クロス

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