ePHOTOzineがニコン「Z 7II」のレビューを公開。一見するとマイナーチェンジモデルですが、様々な改良が施された、優れたオールラウンドカメラに仕上がっていると評価しています。
優れたオールラウンドカメラ
- カメラの紹介:
・2018年に登場したZ 7のアップデート版だ。
・新しい画像処理エンジンを搭載し、10fpsの連写速度や動画機能の改良などが盛り込まれている。(訳注:実際には既存のEXPEED 6を”2基搭載”したモデルです)
・4570万画素の裏面照射型CMOSセンサーと5軸5段のボディ内手ぶれ補正を搭載している。- Z 7からの主な改善点:
・デュアルEXPEED 6プロセッサ
・-3EV対応の低照度AF
・10fpsの連写速度
・900秒の長秒露光に対応
・バッファが向上
・より高速な書き込み速度
・EVFリフレッシュレートの改善
・4K 60pに対応
・HLGに対応
・ワイドエリアの顔検出/瞳検出AFに対応
・SDXC UHS-IIカードスロット追加
・バッテリーライフが僅かに改善- ビルド・外観:
・大きくなったメモリーカードコンパートメントを除き、Z 7と比較して外観に違いはほとんど無い。判断するには前面のモデルネームのロゴを確認しなければならない。
・防塵防滴仕様はD850並と言われている。
・CIPAのテスト結果によると、バッテリーライフは360コマだ。一部の競合モデルと比べると短いので、予備バッテリーの持参をおススメする。ただし、USB充電や給電に対応している。- 携帯性:
・記載なし。- グリップ:
・一眼レフスタイルの大きなグリップだ。
・表面は柔らかいゴムのような質感のカバーだ。
・サムレストが大きく、しっかりと握ることが出来る。- 操作性:
・シャッターボタン周囲のボタン配置はニコン製カメラお馴染みのデザインだ。
・ボタンのラベルと機能性は一眼レフとよく似ている。- 手ぶれ補正:
- ファインダー:
・360万ドット、0.80倍の大型高解像なファインダーだ。- モニター:
・3.2型210万ドットの背面モニタは大きく明瞭で高解像だ。モニタの解像度と明瞭さには感銘を受けた。
・チルトモニタのため、上方向・下方向へ動かすことができる。- メニューシステム:
・最近のニコン製カメラと同じレイアウトとデザインだ。
・各セクションは色分けされているので機能を素早く見つけることが可能である。
・iメニューはタッチ操作でもボタン操作でも利用可能だ。- オートフォーカス:
・フレームの90%をカバーする、493点の像面位相差AFシステムに対応している。
・顔/瞳検出に対応しており、動物で瞳検出も可能だ。
・通常は-3EVまでの低照度AFに対応している。ローライトAFならばー4EVまで利用可能だ。
・フォーカスは信頼性が高く、特に良好な環境では非常に高い成功率を示した。
・AFジョイスティックで素早くAFエリアを移動することが可能だ。- 連写性能・ドライブ:
・シャッターショックを軽減するため、電子先幕シャッターを利用可能だ。- 高感度ISOノイズ:
・ISO32からISO1600まで非常に低ノイズだ。
・ISO1600?3200でディテールが低下し始める。
・ISO12800でノイズが顕著となり、ISO25600でさらに目立つ。
・彩度はISO25600まで良好だが、最良の結果を得るにはISO12800?25600未満を維持するのがおススメだ。
・ISO51200以降はノイズが非常に目立つので避けたほうが良い。- ダイナミックレンジ:
・記載なし。- 仕上がり機能:
・タングステンの下でAWBは良好に機能するが、初期設定では僅かに暖色傾向だ。
・白優先や雰囲気優先など様々なAWBがある。
・クイックシャープ、シャープネス、ミドルレンジシャープネス、明瞭、コントラスト、明るさ、彩度、色相をカスタマイズ可能だ。
・20種類のクリエイティブピクチャーコントロールを利用可能だ。
・パノラマモードには対応していない。- 動画:
・4K 60pはクロップされるが、4K 30pはフル画角だ。
・Full HDは24-100pに対応している。
・Full HDのスローモーション動画は30p ×4・24p ×5に対応している。
・ISO64?102400を利用可能だ。
・N-LogはHDMI出力のみである。
・ボディ内手ぶれ補正は動画撮影時に役立つ。総評
マイナーチェンジモデルに見えるが、実際には優れたオールラウンドカメラとなるために様々な改良が施されている。SDカードスロットの追加により、手ごろなメモリーカードを利用することが出来るようになったうえ、バックアップにも対応した。10コマ秒の連写速度や4K 60pに対応したのも素晴らしい。
他のZカメラと同様、優れた操作性を実現している。Zレンズと組み合わせることで、優れた画質には感銘を受けることだろう。その画質はあまりお目にかかれない水準のシャープネスとディテールだ。
低照度撮影の場合、高画素である必要が無ければZ 6IIのほうが良好な高感度ISO性能を得られる。と同時に低コストのため出費を抑えることが可能だ。
バッテリーライフはいくらか短いので予備バッテリーは用意しておくのがおススメだ。縦位置グリップを装着する手もある。優れた色再現性と瞳AFから、ウェディング・ポートレート・ファッション写真の撮影に適している。高解像なので風景や建築写真にも適しているだろう。高解像センサーを活かせるZレンズも魅力的なポイントである。
長所:優れた画質・ハイクオリティなZレンズ・10fpsの高速連写・5軸手ぶれ補正・SDカードスロット・優れた操作性
短所:DCI 4Kが無い・自撮りモニタではない・バッテリーライフはまだ短い
とのこと。
EOS R5やα7R IVと比べるとパッとしない印象があるものの、実際に使ってみると好感の持てるカメラに仕上がっている模様。意外にも高評価のレビューサイトが多く、ePHOTOzineも肯定的な評価となっています。
Z 7ユーザーとしては差額を払って乗り換えるほど魅力的とは感じませんが、デュアルカードスロットや改善したバッファクリアは注目しています。人によっては乗り換えるポイントとなるかもしれません。個人的にはファインダーパネルのアップグレードや操作性の改善(特に背面右下やカスタマイズ性)を見てみたかったのですが、その分、価格が抑えられているように見えます。本格的なアップグレードはZ 7IIIで実現か?
大容量バッテリーを使用しているわりに撮影枚数が伸びないのはデュアルEXPEED 6の消費電力が高いのでしょうか?後継モデルで新型プロセッサを採用した暁にはバッテリーライフが大きく改善するかもしれません。
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