ePHOTOzineがニコン「Z 9」のレビューを公開。想像しうるすべての機能を備え、完璧な性能を持ち、プロフェッショナルのための道具であることは間違いないとのこと。
ePHOTOzine:Nikon Z9 Camera Review
ビルド・外観:
- レイアウトと操作性において純粋に伝統的なニコンのカメラだ。
- デジタル一眼レフではなく、ミラーレスZシリーズの新しいフラッグシップモデルである。
- 縦位置用の三脚ネジ穴がない。
(訳注:一眼レフにもなかったはず…)- カメラを三脚に固定した状態でも、バッテリーとカードの両方に簡単にアクセスできる。
バッテリー:
- 着脱式のバッテリーカバーは、バッテリー本体にカチッとはめ込んで一体化させることができるように設計されている。
- 現場でカバーを紛失して、肝心なときにカメラが使えないという事態を防ぐことが可能だ。
- バッテリー容量は、CIPA基準で740枚である。欲を言えば、2つ目のバッテリーカバーと予備バッテリーを用意しておくと、より迅速かつ確実に交換できる。
インターフェース:
- GPS、WiFi、Bluetoothを内蔵しており、接続性の選択肢が豊富だ。
- FJ-45コネクタを使って有線LANを接続することもできる。
- USB-Cに加えて、フルサイズのHDMI端子も搭載している。
- SDカードには対応していない。XQD・CFExpressカードのどちらかを使うことになる。どちらも現状では高価な選択肢であり、CFexpressは特に高価だ。
- 今回のレビューでは、ソニーGのXQDカードを使用したが、あらゆる面で全く問題無かった。
携帯性:
- ミラーレスとしては大きくて、比較的重いカメラだ。
- これまでのデジタル一眼レフカメラやフィルム一眼レフカメラと同じような形状のカメラと比べると、かなりコンパクトである。
グリップ:
- カメラのグリップは深く快適で、縦位置で使用したときには、これがうまく再現され、手持ち撮影が安定している。
操作性:
- 手にフィットし、すべてのコントロールは明らかに高品質だ。
- ボタンの間隔が広く、持ち運びの際に誤ってボタンを押してしまうことは無かった。
- フォーカスポイントを操作する小さなジョイスティックは従来機からの欠点だが、Z 9ではそのようなことが無かった。
- 多くのコントロールは自分の好みに合わせてカスタマイズ可能だ。
手ぶれ補正:
- 5軸手ぶれ補正は従来よりもずっと遅いシャッタースピードを実現する。
- 鮮明なシャープネスで2段分のアドバンテージがあり、低いレベルのシャープネスを受け入れれば4段分のアドバンテージがあった。確かに良好だが、それ以上のものではない。
ファインダー:
- OLEDファインダーは、ちらつきや歪みを感じさせない素晴らしいものだ。
- ファインダー像は非常に目に優しく、長時間の撮影でも快適に使用できる。
- 唯一の欠点は、光学ペンタプリズムファインダーとは異なり、覗くために電源が必要なことだ。
モニター:
- モニターは鮮明で、ライブビューを簡単に使うことができる。
メニューシステム:
- カスタマイズ可能なiメニューから素早くアクセスできる。
フォーカスシステム:
- 位相差AFとコントラストAFのハイブリッド方式で、素早く正確に、そして静かにロックオンする。
連写性能:
- 要に応じてフレームレートを120fpsにすることもできるが、その場合、解像度は1100万画素に低下する。
- 電子式シャッターしか利用することができないが、読み取り速度が速いため、最大1/32000秒という驚異的なシャッタースピードと、驚異的なフレームレートを実現している。
- すぐに分かる利点は、シャッターが無振動で可動部がないことだ。
- ローリングシャッターによる歪曲はメカニカルシャッターと同等に少ないと主張している。確かにレビュー期間中に問題は見られなかった。
解像性能:
- 記載なし。
高感度ISOノイズ:
- ISO感度は64?25600だが、ISO32?102400まで拡張可能だ。
- ISO性能は非常に印象的である。ノイズが多すぎると感じるポイントは人それぞれだが、一般的にはノイズのない画像よりもノイズのあるシャープな画像の方が良いという原則があるかもしれない。
- ISO3200までは非常にクリーンだ。
- ISO6400ではノイズが目立ち始めるが、ISO12800でも非常に使いやすい画質である。
- ISO 25600は転換点であり、拡張値のISO 51200と102400は緊急用だ。
- ISO102400はノイズが多く、シャープネスやコントラストが低いにもかかわらず、シャドウのディテールを良く維持している。
ダイナミックレンジ:
- 記載なし。
画質・仕上がり機能:
- ホワイトバランスオート設定はよく機能し、屋外での撮影では、曇りや日陰の設定が森林の撮影に非常に役立つ。
- 森の中の深い影は、紫がかった色になりやすい。
動画:
- ビデオグラファーは、FullHD、4K UHDから120p、8Kから30pなど、さまざまな機能を利用できる。
- ファームウェアのアップグレードにより、8Kを60pまで向上させる予定で、これは春に予定されている。
- レンズのコントロールリングを使用することで、クリック感のない絞り制御が可能だ。
- 動画は手ぶれ補正でしっかりと安定しており、これに一脚を組み合わせれば、手持ちでもかなり滑らかに撮影することができる。
総評
想像しうるすべての機能を備え、美しく作られ、完璧な性能を持ち、プロの写真家のための道具であることは間違いない。大きくて重いように見えるかもしれないが、実際にはレンズとうまく調和していて、まさに写真家のためのカメラだ。縦位置グリップもいい感じである。重さや大きさが許容できるのであれば、Z 9は非常にパワフルで汎用性の高いデザインだと思う。間違いなくエディターズチョイスだ。
- 長所:
・全体的にトップクラスのクオリティ
・素晴らしいレンズラインアップ
・不測の事態に対応する機能
・防塵防滴
・手ぶれ補正
・動画機能が豊富
・縦位置グリップ内蔵
・ファインダーが優れている
・応答性が高い
・電子シャッター- 短所:
・大きく重い
・高価なCFexpress/XQD専用機
とのこと。
Z 9はニコン初となる積層型CMOSセンサー搭載モデルあり、Zカメラ初となる縦位置グリップ一体型の本格的なフラッグシップモデルですね。高速電子シャッターによりメカニカルシャッターを完全に省略した珍しいミラーレスカメラでもあります。さらにスチル向けのミラーレスカメラとしては高度な動画機能を備え、連続撮影能力も高いのが特徴的。熱対策もかなり良好みたいですね。価格もフラッグシップモデルとしては比較的安く、特にZ 7が50万円近い価格設定で登場したことを考えるとお買い得に見えます。その割安感もあってか予約開始と共に販売店に注文が殺到したようです。今のところ納期が半年以上と言われているのが凄い。
このクラスのカメラとしては肝心な部分のレビューがざっくりしている印象あり。とは言え、ISO感度ごとの画質などはオリジナルデータで確認可能となっています。5000万画素と高解像なイメージセンサーですが、ISO6400やISO12800のような高感度でも大きな問題は無さそう。超高感度域でもまずまず良好な画質を維持しているように見えます。
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