このページではオリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」に関する情報を収集しています。
データベース
最新情報
- オリンパスロゴのED 150-400mm F4.5 TC IS PROは販売終了 2023年3月17日
- OMデジタルがM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROの受注再開を告知 2023年2月22日
- OMデジタルが「M.ZUIKO 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」の受注を一時停止 2022年6月23日
- IRがオリンパス「M.ZUIKO 150-400mm F4.5 IS PRO」開発者インタビュー記事を公開 2021年3月8日
- オリンパス「M.ZUIKO ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」は全てが異質な超望遠 2021年2月17日
- オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO 最新情報まとめ 2021年2月12日
- DPReviewがオリンパス「ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」の作例を更新 2020年12月16日
- オリンパスが「M.ZUIKO 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」の供給不足を告知 2020年11月27日
- オリンパス「ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」は高価だがそれに見合う価値のあるレンズ 2020年11月19日
- DPReviewがオリンパス「M.ZUIKO 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」のハンズオンを公開 2020年11月17日
レビュー
- A.Photographer
- DPReview
・Hands on(訳) - PetaPixel
- Phototrend
- M.Comparison
- The Phoblographer
- 価格コム
レビュー/口コミ
購入早見表
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レンズデータ
レンズ仕様
焦点距離 35mm判換算 |
150-400mm(内蔵テレコンバーター×1.25時187.5-500mm) 300-800mm相当(内蔵テレコンバーターx1.25時 375-1000mm) |
---|---|
レンズ構成 | 18群28枚(内蔵テレコンバーター4群7枚) (EDAレンズ1枚,スーパーEDレンズ4枚,EDレンズ2枚,HRレンズ2枚,HDレンズ1枚) |
防滴性能 / 防塵機構 | 保護等級1級(IPX1) 弊社の防滴ボディと組み合わせたときに性能を発揮します。/ 防塵機構 |
フォーカシング方式 | ハイスピードイメージャAF(MSC) |
画角 | 8.2°- 3.1°(内蔵テレコンバーター×1.25時 6.6°- 2.5°) |
最短撮影距離 | 1.3m(内蔵テレコンバーター ×1/×1.25, ズーム全域) |
最大撮影倍率 35mm判換算 |
0.12倍(Wide)/ 0.29倍(Tele) 内蔵テレコンバーター×1.25時 0.15倍(Wide)/ 0.36倍(Tele) 0.25倍相当(Wide)/ 0.57倍相当(Tele) 内蔵テレコンバーター×1.25時 0.31倍相当(Wide)/ 0.71倍相当(Tele) |
最近接撮影範囲 | 139.5×104.8mm(Wide) / 60.7×45.6mm (Tele) 内蔵テレコンバーター×1.25時 111.6×83.9mm(Wide)/ 48.6×36.5mm(Tele) |
絞り羽枚数 | 9枚(円形絞り) |
最大口径比 | F4.5(内蔵テレコンバーター×1.25時 F5.6) |
最小口径比 | F22(内蔵テレコンバーター×1.25時 F29) |
レンズ内手ぶれ補正機構 | あり(VCM機構) |
手ぶれ補正性能 | 5軸シンクロ手ぶれ補正時 8段*
5軸シンクロ手ぶれ補正時 6段*
レンズ手ぶれ補正時 4.5段*
|
フィルターサイズ | Ø95mm |
大きさ 最大径×全長 | Ø115.8×314.3mm |
質量 | 1,875g(レンズキャップ、レンズリアキャップ、レンズフードを除く) |
同梱品 | レンズフード LH-115,レンズキャップ LC-115, レンズリアキャップLR-2, レンズストラップ CSS-P121,レンズケース LSC-1642, 取扱説明書, 保証書 |
MTFチャート
レンズ構成図
関連レンズ
- M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
- M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
- M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II
- M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS
- LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6/MEGA O.I.S.
- LUMIX G VARIO 100-300mm F4.0-5.6 II POWER O.I.S.
- LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S.
- LEICA DG ELMARIT 200mm/F2.8/POWER O.I.S.
更新履歴
- 2020-11-27:オリンパスが「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」の納期に関する状況を告知。どうやら多くの注文が入っており、発売日に納品できない可能性があるとのこと。
- 2020-11-17:正式発表されました。
- 2020-11-17:Photorumorsがプレスリリースのような文章をリークしていたので内容をピックアップ
- 2020-11-17:オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」が間もなく登場と噂され始めたので専用の情報収集ページを作成しました。
海外の評価
IMAGING RESOURCE
軽量化に力を入れていたようだが、鏡筒にはマグネシウム合金、フードにはカーボンファイバーを使用している。カーボンファイバーは従来の素材と比べてどのくらい軽量化できたのか?また、マグネシウム合金はアルミよりも軽いが、硬い素材だ。マグネシウム合金を使うことで、メカ設計に根本的な違いが出てきたのか、それとも重量を削っただけなのか。
レンズフードに必要な特性の一つとして、製品自体の重さ、加えられる外圧、手で支えたときのたわみを防ぐための剛性などが組み合わさった「壊れにくさ」がある。この観点から、強度と剛性の高いカーボンファイバーを最適な素材として選定した。
同強度・同剛性の他の素材と比較して、200g以上の軽量化を実現しており、フードを装着した状態でも非常に軽く、機動性を高めている。
マグネシウムは軽量化だけでなく、部品の薄型化や部品間の隙間を少なくすることで小型化にも貢献している。
E-M1 IIIやE-M1X装着時の8段分の手ぶれ補正効果は際立っている。これは主にジャイロ技術のさらなる向上の賜物なのか?
E-M1Xで初めて搭載した高精度ジャイロセンサー(セイコーエプソンとの共同開発)を搭載し、望遠用にアルゴリズムを最適化することで、従来製品を上回る性能を実現している。また、光学手ぶれ補正のストローク(補正範囲)を従来品よりも大きく設計し、8段分の性能を実現した。
(編集者談)オリンパスがセイコーエプソンと共同開発したE-M1Xのジャイロがそのまま使われている。ここ数年、手ぶれ補正システムの性能が向上しているのは、ジャイロ技術の進歩が大きな要因だ。性能向上の鍵は、出力信号の "ノイズ "を減らすことと、長期的なドリフトを抑えることにある。
基本的に、ジャイロをテストベンチに固定しても、その出力信号はある程度ランダムに前後へ変動し、また、ある方向または別の方向へゆっくりと回転しているかのようなドリフトを示す。ジャイロが動いていないとき、カメラにドリフトを伝えないことが重要だ。ジャイロ信号は、最長の露光時間と同じくらい長く安定した状態を維持する必要がある。セイコーエプソンは、世界有数のMEMSジャイロメーカーであり、オリンパスは彼らと協力して、これまでの技術を超える技術を開発した。
手ぶれ補正は2000年半ばに発売された超望遠ズーム「C-2100」をはじめ、オリンパスが得意としてきた技術だ。
2016年に、300mm F4 IS PROは、シンクロISで6段分の補正効果を実現するため、厳選されたジャイロセンサーを使用していた。それがE-M1Xでは、セイコーエプソンとの共同開発により、標準的な生産部品で7.5段分のISを実現している。これが絶対的な限界かと思われたが、それをさらに押し進めたようだ。これがどれだけ気だった性能かと言うと、8段分の補正効果は通常で「1/1000秒」で撮影する必要がある状況で、「1/4秒」でシャープな結果を得ることができることを意味している。(編集者談:終)
E-M1Xが発表されたとき、7.5段の手ぶれ補正効果は地球の自転によって制限されていると言われていた。それをどうやって克服したのか?
地球の自転の影響を排除することはできていないが、高精度ジャイロやアルゴリズムの最適化により、他の誤差を最小限に抑えることで高い性能を実現している。詳細な情報は提供できない。
E-M1XやE-M1 IIIと組み合わせた場合は8段分の補正効果だ。しかし、E-M1 IIやE-M5 IIIと組み合わせた場合の補正効果はどうなるのか?
公表していないが、手ぶれ補正性能はE-M1XやE-M1 Mark IIIとほぼ同等だ。
レンズ内蔵のスイッチ式テレコンバーターがとても気になる。レンズをスイッチで光路に出し入れできるようになっているのか?使わないときのテレコン用レンズはどこに行くのか?
内蔵テレコンバーターのスイッチングレバーと内蔵テレコンバーターのレンズ群は機械的に接続されている。機械的な接続は、直線的な操作性と壊れにくい信頼性を確保するために重要だ。
内蔵テレコンバーターOFF時には、内蔵テレコンバーターのレンズ群が光軸から機械的に外れた位置へ移動する(レンズマウント側から見て左下に膨らんだ外観の部分)。
製品説明会では、このレンズを作る上でのポイントの一つとして、今までよりも大きなEDレンズを使ったが挙げられている。大型のEDレンズを作る上での制約と、それをどのように克服したのか?
EDAレンズ(Extra-low Dispersion Aspherical lens)は、従来よりも大口径のレンズを使用したことで、小型化・高性能化に大きく貢献した。EDAレンズの非球面加工は、金型を使ってプレス加工を行い、ガラスが軟らかくなる高温でプレス加工を行うため、加熱・冷却のコントロールが重要になる。
また、EDAレンズに使用されているガラス素材は、通常のガラス素材に比べて熱膨張係数が2倍(熱変化による形状変化が2倍)の特殊低分散ガラスを使用している。そのため、EDAレンズは大口径になるほど、プレス加工時の温度変化(加熱→冷却工程)により割れが発生しやすくなる。
当社では、強力な加熱・徐冷(訳注:ガラスをゆっくりと冷ますこと)機能を備えた独自の成形機により、数百度の金型を±1度の範囲内で精密にコントロールし、割れの問題を解決し、高い非球面精度を確保している。
(編集者談)非球面成形の厄介な部分は、ガラスが冷えると収縮することだ。これは、いくつかのことを意味する。
まず、冷却して収縮した後、レンズの最終的な形状を正しく再現できるように金型を設計しなければならない。レンズの厚い部分はより強く収縮するので、最終的に必要とするよりもはるかに厚い金型を要する。
第二に、プレスされた後のガラスの冷却方法について、細心の注意を払わなければならないということだ。特にレンズの薄い部分は厚い部分よりも収縮が小さく、その差はレンズが大きくなればなるほどさらに大きくなる。そのため、非常に大きな非球面レンズを成形することは難しく、EDガラスを使用した場合、冷却すると2倍に縮むためさらに難しくなる。
オリンパスのソリューションは、とても正確なコントロールが可能な温度プロファイルを持つ独自の成形機を設計することだった。(編集者談:終)
他にも、このレンズの開発に貢献した主な要因があれば教えて欲しい。珍しく発表から出荷までに時間がかかっている。製造上の課題はあったのだろうか?また、それはどのようなもので、どのようにして実現したのか。
我々は、このレンズのコンセプトを「圧倒的な自由度のある望遠」と定義している。被写体にピントを合わせるための操作性の良さと、どんな過酷な条件でも撮影できる信頼性を保証している。このレンズのコンセプトに込めた思いをお客様に感じていただきたい。両方で、圧倒的な望遠撮影体験を提供できるレンズの開発を目指した。1000mm相当のF5.6のレンズを開発しながら、信じられないほどコンパクトなサイズで高画質を実現することは、我々にとって大きな挑戦だった。
光学設計について、手持ち撮影時の重心位置の最適化も課題のひとつだ。インナーズームにすることで、ズーム時の重心位置の変化を抑えている。より効果的に重心の変化を抑えるため、ズーム時に動くレンズユニットはできるだけ小さいものを選んだ。また、重心位置をできるだけボディに近づけ、より快適な手持ち撮影ができるように光学系を設計した。
メカ設計チームにとって、剛性を落とさずに小型・軽量化することが最大の課題だった。このレンズにはマグネシウム合金とカーボンファイバーが使われている。もちろん、品質や信頼性を犠牲にしていない。他のレンズで行ってきたテストよりも厳しい社内落下テストや製品寿命テストをクリアしている。
テレコンバーター内蔵の快適な操作性を実現することは、技術者にとって新たな課題だった。内蔵テレコンバーターを使うということは、まったく別のレンズを使っているのと同じことだ。そのため、カメラはレンズからの信号を読み取り、素早く設定を変更しなければならない。カメラマンに違和感を与えずにスムーズに行うことが、新たな挑戦だった。
このレンズは、最初の開発発表から販売開始までに時間がかかっている。必要な技術開発や完成度を高めるための試作検証には、長い時間が必要だった。また、光学レンズの製造工程の開発の難しさや、新しい機構部品の耐久性試験工程などにも時間がかかっている。また、試作検証のためにプロのカメラマンによるフィールドテストを何度も繰り返し、信頼性を可能な限り向上させた。
多くのカメラマンがこのレンズを必要としていることは承知しており、お待たせして申し訳ないがが、あらゆるタイプのカメラマンに魅力的なレンズを開発することができたと思っている。
(編集者談)私は、製造上の問題の原因が大口径のED非球面レンズだったのだと推測している。長年にわたる多くの工場見学で、非球面レンズ成形は常に第一の課題として描かれてきた。レンズが大型化するだけでなく、レンズの厚みのばらつきが大きい場合、そのコントロールは非常に難しいのが現状だ。
製造性と性能のバランスは常に難しいものだ。私が知っているレンズ設計の中には、単に製造が難しいという理由で、市場の需要を満たすのに十分な量を出荷しなかった例もあります。他にも、開発プロセスの段階で、十分な歩留まりで製造することができないと判断して中止された例を私は知っている。(編集者談:終)
反射防止のナノコーティングにはいろいろなアプローチがあるが、説明会で見せてもらったZコーティングの画像は、小さな球体でできているように見える珍しいものだった。これは以前のオリンパスの「ナノAR」のアプローチと実際には異なるものだなのか?Zコーティングの詳細や利点について何か詳細を教えてもらえるだろうか?
ZEROコーティングはダイクロイックコーティングという表面反射の少ないハードコートでレンズの外面に使用できるコーティングだ。Zコーティングナノはレンズ表面にナノレベルの微細な粒子を敷き詰めて表面反射率をさらに低減させ、超低屈折率素材と同じ効果を持たせたコーティングである。
おそらく他社のナノコーティングと構造や特性は似ているのではないかと考えている。しかし、Zコーティングナノは独自設計・製造方法で低反射性能と品質を確保している。
白い鏡筒は、赤外線をより効果的に反射し、鏡筒を冷たく保つための新技術を使用している。これについての詳細を教えて欲しい。下層部の赤外線反射性を高めるのは何か?このアプローチがオリンパス独自のものなのか、それとも他社も同じような2層設計を使っているのか?
赤外線反射の具体的な仕組みについて、詳しいことはお伝えできない。他社の取り組みについては不明だが、本製品は遮熱効果や強度等の信頼性の面で最適なコーティングを採用している。
直射日光が当たる部分でレンズの内部温度が局所的に(特定の部分だけ)上昇すると、その部分だけの熱膨張によりレンズ素子間の距離がわずかに変化し、球面収差が変化する可能性がある(実際には画質への影響はほとんどないと思うが)。そこで、画質への影響を最小限に抑えるため、レンズを白く塗装して表面温度の上昇を抑え、直射日光が当たる部分と陰になる部分の表面温度差が大きくならないようにしている。
寒冷地への対応についても同様だ。温度ムラが発生しないようにすることで、画質への影響を最小限に抑えている。本製品は他のPROレンズと同様に-10℃の耐低温性を有しており、雪中などの過酷な環境下でも安定した光学性能を発揮する。
新製品説明会の中でもう1つ言及されていたのが、AF速度の話の中で言及していた「レンズ間引き技術」だ。レンズの薄肉化技術とは何か、その鍵は何か。非球面レンズを作るときに、レンズ部分を非常に薄く成形できるということか?
超望遠ズームレンズが素早く静かにAFを駆動するためには、AFを司るレンズ群(以下、フォーカスレンズ群)の軽量化が必要だ。設計当初から、このレンズ群の体積を減らして軽量化する構成を考え、取り入れている。実際にフォーカスレンズ群に使用されるレンズは、高精度を確保しながら極限まで薄く磨き上げ、軽量化を実現している。
説明会では、300mmよりもAF速度が速くなるように「他のパラメータをチューニングする」ことにも言及していた。これは一体何を意味しているのか。
AFスピードで300mm PROレンズを超えるように設計した。
AFスピードを速くするためには、フォーカスレンズユニットの軽量化と移動距離の短さが重要だ。これらに関連して、AF速度を速くするために考慮しなければならないパラメータがたくさんある。例えば、レンズユニットの重量だけでなく、ストローク距離、レンズを支える部品の重量、素材の剛性、レンズユニットの移動速度、位置決め精度など。これらすべてのバランスを取る必要がある。ベストバランスを見つけるために、設計の初期段階から、担当の異なる複数のチームが緊密に連携して作業を進めた。
そこにはいくつかのトレードオフがある。フォーカスレンズユニットの移動距離を短くすると、より高精度の位置決めが求められる。要求される精度を実現するために、新たに移動機構と制御システムを開発した。
また、高い位置精度と高速AFを両立させるために、試作機でのテストを重ね、制御を細かく調整した。
具体的な撮影シーンにもよるが、モデル予想ではM.ZUIKO 300mm F4 PROレンズよりも20%速いAF速度を実現している。
対応するプロテクトフィルターが非常に高い(アメリカでは325ドル!)が、その理由は何か?ナノARコーティングが施されているのか?
このプロテクトフィルターに使用されているコーティングは、ZEROコーティングとアンチダストコーティングを組み合わせたものだ。Zコーティングナノは使用していない。
保護フィルターの大口径化は、ガラスの平面度を維持することが難しく、精度が光学性能に影響する。そこで、この95mm径の保護フィルターは、非常に高い平面度を全面的に均一に実現することが求められていた。このフィルターが150-400mm PROレンズで最高の性能を発揮できることを社内テストで確認している。
Lesnumeriques
レンズの紹介:
- マイクロフォーサーズは4/3センサーと対応する交換レンズは比較的コンパクトなミラーレスとして知られている。
- 長い時間をかけて開発されたオリンパス初となる白レンズだ。
- フルサイズ換算の焦点距離は300mm?800mmだ。テレコンバージョンレンズを利用すると375mm?1000mmとなる。
- 全てのズームレンジで開放F値はF4.5と一定だ。
- 7,999ユーロとマイクロフォーサーズ用レンズの中では極めて高価である。しかし、フルサイズのレンズと比較するとかなり安い。そして軽量だ。
ビルドクオリティ:
- 白い外観は明らかに他社のハイエンドレンズと似ている。太陽光による温度上昇を抑えることが出来るだろう。
- キヤノン・ニコン・ソニーと同じく、ネジで固定された識別プレートがある。これは三脚リングに取り付けられている。
- 三脚リングを完全に外すことは出来ない。
- 鏡筒は全体的に金属製だが立体感のある作りだ。
- マウント付近に×1.25倍のテレコンバーターを搭載している。右側のレバーを使って切り替えるが、キヤノンと異なりラッチで誤操作を防ぐことが出来る。
- IPX1の防塵防滴に対応している。
携帯性:
- 重量は1,875g、全長は31cmだ。
- 軽いレンズでは無く、E-M1Xと組み合わせてもいくらかアンバランスとなる。
- とは言っても開放F4.5固定のズームレンズとしてはコンパクトだ。
- コンパクトではあるが、安定性を高めるために一脚または三脚での運用がおススメだ。
操作性:
- このクラスのズームレンズに期待する全てのコントロールを備えている。
・AFリミッター
・AF/MFスイッチ
・手ぶれ補正スイッチ
・AF音ミュート
・L-Fnモードスイッチ - L-Fnボタンはカメラ側でカスタマイズ可能だ。プリセットモード時はフォーカス位置の記憶が可能である。
- フォーカスリングは少し滑らか過ぎると感じる人もいれば扱いやすいと高く評価する人もいるだろう。どちらかと言えばズームリングの操作性が良好で、この種のレンズとしては少し残念だ。
オートフォーカス:
- ズームレンジ全域で最短撮影距離が1.3mと短い。これにより、被写体にかなり近寄ることが出来る。
- 鳥検出AFを搭載しているが、複数の被写体がいる場合、どの鳥が優先して検出されるか分からない。
- オートフォーカスはレスポンスがとても良好だ。E-M1Xとの組み合わせで問題無い。見事な性能だ。
- 6m以下の至近距離の被写体に素早くピントを合わせるのには苦労した。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 焦点距離が長すぎるので従来のテスト環境を利用することが出来ない。
- F4.5からとても良好だ。
- 最もシャープネスが高いのはF5.6?F8である。光量は低下するが、ベストショットを撮るなら絞ったほうが良いだろう。
- F11までシャープネスは維持するが、回折によりF16から低下する。
- 150mmから400mmまで同様の結果だ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 玉ボケは中央でも完全な円形ではない。少し粗く、完璧な滑らかさではない。実写ではこれら些細な欠点は問題とならないだろう。
色収差:
- ほとんど見られない。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- とても良好に抑えている。
周辺減光:
- 400mmで最も顕著となるが、極僅かで、F5.6で完全に解消する。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 記載なし。
総評
オリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROは、とても個性的なレンズだ。
マイクロフォーサーズ用レンズとしては異質だが、1.25倍テレコンバーターを内蔵し、35mm判換算で1000mmに達するズームとしてはコンパクトだ。マイクロフォーサーズユーザーのスポーツ・野生動物フォトグラファーの必携レンズである。複数のレンズを使用しなくても、遠くから被写体を撮影することが可能だ。
シャープネスは非常に優れ、レンズの作りも良好だ。ただし、プロやハイアマチュア向けの高級品である。手ごろな代替品として、パナソニック「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S.」またはオリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」が存在するが、150-400mm F4.5は全ての点で異なるレンズである。
- 長所:
・良好な作り
・防塵防滴
・カスタマイズ可能なボタン
・手ぶれ補正
・開放F値固定
・良好なシャープネス
・応答性の高いAF - 短所:
・強力な設計技術があるにも関わらず映像事業譲渡
・開放F値が比較的大きい
・フォーカスリング操作性
IMAGING RESOURCE
IMAGING RESOURCE:Olympus 150-400mm f/4.5 TC1.25x IS PRO Field Test
ビルドクオリティ・操作性
- 私がオリンパスのシステムで撮影を楽しんでいる主な理由は望遠・超望遠レンズの機動力だ。さらにOM-Dの強力な耐候性と優れたビルドクオリティと組み合わせることで、自然や野生動物の撮影でお気に入りのセットとなる。
- 画質もそれほど悪くなく、ISO感度に気を配っている限り、大部分の状況で印象的な結果を得られる。
- 数年前にフルサイズの600mm F4にとって代わる小型軽量な単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」をリリースしたが、さらにオリンパスは野生動物の撮影で究極の超望遠レンズを投入した。
- マイクロフォーサーズ用レンズとしては最もハイエンドでプロフェッショナルなレンズである。エキゾチックな光学設計に加え、頑丈なマグネシウム合金構造、高速AF、そして内蔵テレコンバーターを搭載している。
- ご想像の通り、このレンズは安くない。希望小売価格は7,499ドルであり、これまでで最も高価なレンズだ。とは言え、内蔵テレコンを搭載した超望遠ズームと言えば、キヤノンやニコンが11,000?12,000ドルの相場で販売している市場である。
- キヤノン「EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×」や、ニコン「AF-S NIKKOR 180-400mm F4E TC1.4 FL ED VR」はどちらも非常に重く、大きく、非常に高価なレンズである。そう考えると、オリンパスの150-400mm F4.5は比較的手ごろな価格設定だ。
- 言うまでもないが、このレンズはマイクロフォーサーズ用レンズとしては最も大きい。サイズは古いZUIKI 300mm F2.8と同程度である。
- 物理的な寸法はさておき、手に取った際に印象的だったのは重量だ。このクラスとしては驚くほど軽量である。メーカーから送られてきた箱からレンズを取り出した時、その軽さには驚かされた。ズームレンジと開放F値固定の光学設計を考えると、もう少し重いと思っていた。これは嬉しい驚きだ。
- このレンズを開発する際に、頑丈で耐久性のある構造を維持しつつ、できるだけ軽量にすることを目標としていたようだ。鏡筒は主にマグネシウム合金とカーボンファイバーで構成されている。フルサイズと比べるとレンズが小さく軽いため、鏡筒を軽量化しつつ、頑丈かつ防塵防滴仕様を維持できたようだ。
- 重量配分にも気を配っており、三脚や一脚が無くても、驚くほど持ちやすい。そして長時間使用できる。大きく扱いにくく見えるが、何時間もハイキングで手持ち撮影することができた。実際、E-M1Xと組み合わせで重量はわずか6.7ポンドである。
- E-M1Xと組み合わせるのが適切だが、E-M1 Mark IIでも非常にバランスが取れているので快適だ。
- 持ちやすいレンズではあるが、サイズが大きいことには違いない。価格はさておき、私は小さな300mm F4 PROとテレコンバーターを持ち歩きたいと思う。ただ、ズームレンズとしての柔軟性と、さらに長い焦点距離を楽しめないはずがない。必要に応じて内蔵テレコンでさらに長焦点を利用することも出来る。
- フォーカスリングはバターのように滑らかに回転し、ズームリングは軽量で回転させやすい。ズームリングの回転角は90度で、誤操作しない程度の抵抗量があるが、指2本で簡単に操作可能だ。
- 300mm F4 PROのように三脚リングから取り外すことはできない。ただし、必要に応じて足の部分だけ取り外すことは出来る。三脚リングは90度ごとに戻り止めがある。
- 4つのL-Fnボタンは初期設定で「AF停止」が設定されている。L-Fnからフォーカスプリセット機能へ変更することも可能だ。ボタンを押すと、ほぼ一瞬で設定したフォーカス位置に回帰する。
- ズームレンジ全域で1.3mの最短撮影距離を利用可能だ。フォーカスリミッターを使うことでピント位置を制限することも可能だ。
- レンズ構成は18群28枚だ。そのうち2枚のHRレンズ、1枚のHDレンズ、2枚のEDレンズ、4枚のSEDレンズを使用している。特にEDレンズはオリンパスレンズの中では過去最大のものを使用している。
- コーティングは反射を低減するZコーティングに加え、水・油に耐性のあるフッ素コーティングを採用している。
- 外装の白色塗装は単なる塗装ではなく、複数のコーティングが層になっている。内部温度の上昇を抑えるベース層に加え、次に耐熱コーティング、そして最後に赤外線を反射するオーバーコート層からなる。
画質
- 絞り開放からとてもシャープなレンズであり、ズームレンジ全域で優れたパフォーマンスを発揮する。色収差はほとんどなく、周辺減光は最小限だ。
- 開放F値がF4.5のため、他のレンズと比べて取り込む光量が多く、ISO感度上昇を抑えるのに役立つ。このため、大部分の状況でISO1600~3200に抑えることが出来た。
- 開放F値は明るいものの、曇天や日陰では高感度ISOを利用する機会がしばしばあった。幸いにも、E-M1XのISO3200は良好で、鳥や動物のディテールを損なわずにシャープな写真を撮ることが出来る。
- MC-14テレコンバーターを装着しても画質の低下は極僅かだ。
- 内蔵×1.25テレコンバーターも優れた性能だ。画質低下はほとんど、全くない。
- 内蔵テレコンとMC-20を組み合わせると、開放F値はF11まで大きくなる。集光性の観点で理想的とは言えないが、強力な手ぶれ補正に助けられてISO感度を抑えることが出来た。
- F8で回折が始まるものの、開放F値「F11」の画質には感銘を受けた。ディテールとコントラストはいくらか失われるかもしれないが、画質の大幅な低下は見られない。私の目にはまだ十分すぎるほどの画質だ。
- 回折のソフトさが目立つのはF16-22くらいである。
- 絞り開放でもフレーム四隅はかなりシャープだ。150mmの絞り開放は中央と四隅どちらも優れている。絞ってもあまり改善しないほどだ。400mmでは四隅が少しソフトになるが、じっくりテストしてみないと分からない程度の差である。
- 色収差は極端な状況でも極僅かだ。
- 周辺減光は150mmと400mmの絞り開放で目に付くが、少し絞ると解消する。
手ぶれ補正
- 言うまでもなく、手ぶれ補正は良好に機能する。
- OM-Dと組み合わせることでシンクロISを利用できる数少ないレンズの一つだ。
- 光学手ぶれ補正は単体で4.5段分と悪くない性能である。
- さらにE-M1XやE-M1 Mark IIIと組み合わせることで、150mmで8段分、500mmで6段分の補正効果を利用することが出来る。
- この補正効果は上記2台のカメラの場合である。他のカメラについて言及はされていない。この2台は高度なジャイロセンサーを搭載しているので、高い補正効果を実現しているのだと思われる。
- 実写では非常に良好に機能し、ファインダー像を安定させるのに役立った。とは言え、MC-20と組み合わせて、換算2000mmの画角を利用すると難易度は高い。
- 大部分の状況でシャッタースピードに悩まされる心配はなかった。
フォーカス
- 焦点距離が長いにも関わらず、非常に高速なAF性能と接写性能を実現している。
- オリンパスによるとこのレンズは300mm F4 PROよりも高速なフォーカス性能を発揮するという。確かに、信じられない程のフォーカス速度だ。フォーカスレンズが軽量なため、大部分の状況で非常に高速で正確なAFを実現できたそうだ。
- 接写から無限遠まで移動するのに約1秒だ。その逆も非常に高速である。
- 多くのPROレンズと異なり、マニュアルフォーカスクラッチに対応していない。ただし、今後のファームウェアアップデートでピント距離指標がカメラ側に追加される予定だ。
- 実写でフォーカスの問題に遭遇することは無かった。大部分の状況でピントは瞬間的に移動する。追従性能も高速かつ正確だ。
- 無限遠から接写へ移動する際はテンポが悪くなる可能性があるため、フォーカスリミッターを使うと良いだろう。
本格的な野生動物のフォトグラファーであり、このレンズを買う余裕があるのであれば、買うべきレンズだ。価格はさておき、素晴らしいレンズである。素敵な画質はテレコンバーターの有無にかかわらずズームレンジ全域でとてもシャープである。オートフォーカスは非常に高速で、信じられない程の接写性能も備えている。超望遠らしからぬクローズアップ性能だ。
全体的なビルドクオリティは期待通り、そして驚くほど軽量である。戦車のように頑丈で、非常に良くできている。
非常に高価なレンズではあるが、それに見合う価値のあるレンズだ。高価ではあるが、フルサイズシステムと比べると手ごろな価格であり、とても汎用性の高いズームレンズである。野生動物の撮影システムをスリム化し、三脚や一脚から解放されたい場合はこのレンズを検討すると良いだろう。
DPReview
DPReview:Hands on: Olympus 150-400mm F4.5 TC1.25x
- このレンズを見るのは1年前の見本市での展示以来だ。プロおよびハイアマチュア向けの野生動物やスポーツ撮影用として設計されており、本格的なマイクロフォーサーズユーザーにとって本当に印象的なレンズだ。
- 焦点距離は150-400mmだ。フルサイズで300-800mmと同等の画角をカバーしている。開放絞りはF4.5固定で、被写界深度はフルサイズで言うところのF9に相当する。
- 内蔵テレコンバーターを搭載しており、使用することで190-500mm F5.6の焦点距離となる。
- 1000mmの長焦点を扱うが、オリンパスは手持ち撮影を可能にするため、4.5段分の光学手ぶれ補正とボディ内手ぶれ補正を組み合わせることで最大8段分の補正効果を得られるとしている。(ズームすると6段分まで低下)確かに三脚なしで撮影できるレンズだ。少なくともしばらくの間だが…。
- フルサイズシステムよりも間違いなく小型軽量だが、それでも重量は1.9kgだ。首周りに負担を感じやすい。
- マグネシウム合金のシャーシに強化プラスチック外装を採用し、出来るだけ軽量化を図っている。
- PROシリーズらしく、防塵防滴・耐凍結仕様だ。長焦点にも関わらず、95mmねじ込み式フィルターに対応している。
- レンズ構成は18群28枚と複雑だ。レンズは4枚のEDレンズと2枚のHRレンズ、を含むいくつかの特殊レンズを使用している。
- 内蔵テレコンバーターだけでも4群7枚構成だ。
- 透過率とコントラスト維持に「Zコーティング」を使用し、メンテナンス性向上のために「フッ素コーティング」を使用している。
- フォーカス駆動はステッピングモーターだ。速度は非常に速く、オリンパスによると300mm F4と比べて25%速いそうだ。
- 最短撮影距離はズーム全域で1.3mだ。最大撮影倍率は0.57倍に相当し、内蔵テレコンを使用することで0.71倍まで向上する。汎用性の高いレンズだ。
- 4つ以上のカスタマイズ可能なFnボタンを備え、記憶したフォーカス位置を素早く呼び出すプリセットフォーカスボタンを搭載している。
- 2021年1月末発売予定、希望小売価格は7,499ドルだ。
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